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アムステルダム 弾丸一人旅 2

2日目は、この旅のメインの目的であるクリムト展へ。9:15AMの予約なので余裕を持って支度…と思ったら、翻訳の校正の仕事のメールが入っていて急ぎで小さな仕事を片付けなければならなくなった。ラップトップなど持ってきてないのでiPhoneでちまちまと。私のiPhoneではWord文書を編集できなかったので、Google Driveで編集しWord保存し無事に送る事ができた。こんな事をしたのは始めただったが、スマホでも仕事できるんだな…。前にホリエモンがそんな事言っていたが、本当だった。まさかアムスでホリエモンに想いを馳せるとは。

そんなこんなで出発が遅れてしまったが、再び防寒対策して宿を出る。パジャマも含めてあるもの全部着込んだのでリュックが軽くなった(笑。ホテルのお兄さんに聞くとヴァン・ゴッホ美術館までは徒歩12分で着くとのこと。そんなに近いとは知らずこのホテルを予約したがラッキー!
歩きながら気温を確認するとー6°だった。でも楽しいせいかそんなに寒く感じないわ♬

美術館内は暖かく今度は慌てて着てるものを何枚か脱がなければならなかった。館内に無料のロッカーがあり、クロークを通さなくても自分で荷物を預けられる。自分でコードを入力するシステムで、おばさんなので少しあたふたしたが無事できた。隣の青年に教えてあげる余裕まで。便利便利。


近代的な建築のゴッホ美術館。左側が私があたふたしたコード入力式ロッカー。
知らなかったけどゴッホ美術館別館は黒川紀章の設計で損保ジャパンが寄付して建設されたんですね。他の場所にあったスポンサー一覧に朝日新聞の名前もあったし、なんだかんだでジャパンマネーはすごいですね。

身軽になったところでコーヒーを飲みたくなり、展覧会入口横の売店で購入。そんなことをやっているうちに入口の前にどんどん人が並び、混んできた。朝はすいてるだろうと思ってこの時間を予約したのに余裕こいてる場合じゃない、と慌てて列に並ぶ。9時15分のスロットだったのに結局入った時は10時半になっていた。

ぬるくてあまり美味しくなかった

クリムト展は、一言でいうと素晴らしかった。クリムトの絵を見ていると、人間の内面の悦びや苦悩、闘争、その他諸々の感情がダイレクトに心に迫ってくる気がしてとても心を動かされた。ああ、悩んでもいいんだな、苦しんでもいいんだな、快楽に身をゆだねてもいいんだな、という人間として当たり前の事に気づかされる。


端正なクリムト初期の作品


有名なJudith(ユディト)もありました。


この兵士はクリムトが苦悩する自分自身の象徴として描いたらしい


1時間半ほどかけてクリムト展を堪能したあと、常設のゴッホ展も観ることになるのだが、お腹がすいた。カフェで腹ごしらえ…と思ったが、あまり美味しそうなものもなかったので無難にスープとパンにした。


インスタ映えしない食事選手権があったらかなり上位にくい込みそうです。

これで€8.65(約1200円)でした…スープは冷めてるし、特に美味しくなかった。ホテルの前に美味しそうなベーカリーがあったのに…あそこで買ってくればよかったと後悔。

ゴッホの常設展もやはりゴッホ美術館というだけあって(そりゃそうや笑)すごい内容の濃さ!オーディオガイドの興味深い解説を聞きながらだと、2時間くらいかかった。ゴッホもなかなか壮絶な人なので、直後は私の中でクリムトがゴッホに上書きされてしまい、「同日に二つの展覧会をはしごは良くないかも。。。」と思ったが、時間がたつと、やはりクリムト展が意識に印象強く残ってきたので良かった。

自画像を数多く描いたゴッホ。今でいうセルフィー的なものか?ゴッホは実は承認欲求の塊だったのだろうか?煩悩まみれの私は思ったが、モデルを雇うお金がなくて自分の顔で構成などの練習をしたそうです。とはいえ承認欲求は誰でもありますよね。


個人的に好きだった、ゴッホ美術学生時代の習作のクールなスケルトン。煙草吸ってます。
かっこいいやん。


というわけで思ったよりゴッホ美術館で時間を遣ってしまい、気が付くと3時近く。隣にあるアムステルダム国立美術館も観たいが、少し離れたメイン通りの広場にある、アムステルダム王宮も観てみたい。(ナポレオンの弟が住んでいたこともあるそう)両方とも閉館は5時。昨日は、国立美術館の方は3時半にはチケット販売を終了し予約がない人の入場を止めていた。さぁどうする。

両方行くことにした。ゴッホ美術館の片隅で二つのチケットを予約し(遅くなっても予約していれば入れてもらえない事はないだろう。ほんとに便利な世の中。)
まずは隣にある国立美術館へ。荷物を預けてインフォメーションに一目散。
「すみません、30分しか鑑賞する時間がないんだけど、どこへ行けばいい!?」
と聞くと、
「2階だ。2階へ行け。」
と案内係のおじさん、即答。

言われた通り2階へ直行すると、レンブラントのすごく大きい絵(語彙。すみません)がガラスで仕切られた部屋にあり人々がその前に集中している。これがこの美術館の目玉らしい。


もう一人のオランダが生んだ画家、フェルメールの牛乳を注ぐ女も観ることができて、ミーハー観光客の私はもうこれで満足満足。


アートに詳しくない私でも窓から入る光の表現が確かに素敵だと思いました。
朝の穏やかな時間が伝わってくる。


どなたの作品か知らないが、今でもイギリスにいそうな女性(16,7歳くらい)
かわゆい。


アムステルダム国立美術館は、ちょっと大英博物館の様でもあった。

2階をささっと流して、次は王宮へ。徒歩で20分くらいかかってしまい、着いた時には4時を過ぎていた。
(後から落ち着いて地図を見たら、美術館から王宮のあるダム広場まで行くトラムがあったのでそれに乗ればよかったけど、その時は焦っていて気付かなかった)

トラムも乗り慣れればとても便利そう。後ろに見えるのが王宮です。

王宮の受付の人、クロークの人、オーディオガイドの貸し出しの人、全てに
「5時で閉館よ。5時10分前には皆下に降りてきて、トイレも閉まるけど、それはわかってる?」
と念を押された。みんな定時で家に帰る強い決心はイギリス以上の意気込みを感じる。

しかし、ここが素晴らしい建築で無理して駆け足でも本当に行ってよかった。ネット情報では「王宮」と名がついているけど現在は迎賓館として使われており、そんなに絢爛豪華ではない、と書いてあったが、いやいや大したものです。むしろ金キラでないだけセンスの良さが感じられ、そして天井の高さ!高天井フリークの私には涙が出るほど素敵な建築だった。

シンプルなところ(王宮比較による)が素敵

下に入ったり上に上がったりウロウロしていたら、また他のスタッフの人に「5時で閉まることはご存じ?」
と念を押された。はい、承知しています。

また別のスタッフに、「〇〇の部屋はどこ?」と聞くと、
「そこの角を入ったところだけど、5時に閉まるから…」
はい!さっと見るだけです。ご迷惑はおかけしません!

約束通り、5時10分前に見学を終え、トイレに入ってから出るか…と思ったらトイレの前で女性がちょうど鍵をしめているところだった。瞬時の差なのでちょっと入れてもらえないかな、と
「トイレはしまっちゃいましたか?」
と聞いてみると
「はい。もう閉まりました」
とりつく島もない。愚問でした。

帰りの飛行機は10時発なので、アムステルダム駅を7時台に出ればよいだろう。2時間くらいあるので夕食を食べて行こうかな、と昨日のコーヒー飲んだカフェが感じよかったのでそこに戻ることに。

夜は昼とまた雰囲気が違い素敵だったが食べ物がなかった

しかしそこは飲み物とスナックくらいしかなかったので、その近所でバーガーを出しているらしい店に。オランダの特産て牛肉なのかしら。バーガー屋とステーキ屋しかみないのだが。まあ、オランダらしい食べ物が食べられればいいや。

店に入ると、「セニョリ~タ」という陽気な声のウェイトレスに迎えられた。ラテンカフェだった…メニューもよく見ると「サルサバーガー」とか、オランダ伝統の味ではないと一目でわかるラインナップ。まあいいや。

普通のバーガーとフレンチフライでした。

レストランを出て駅に向かうと、すぐにチャイナタウンらしいエリアに入った。チャイナタウンというよりチャイナストリートと言った方が正確なような、小さなエリアだったが多分これがアムスのチャイナタウンなのだろう。

チャイナ「ストリート」


アムステルダム中央駅。
なぜか降り立ったときに、鹿児島駅を思い出したのだけど、なぜだろう。
駅前の広場の感じやトラムが走っているところが似てたのだろうか。

アムステルダム中央駅で、昨日見た素敵なカフェに入ってみたかったので、コーヒーを飲みに入ってみた。中は外から見るほど素敵じゃなかったけど( ´∀` ) なんなんや。

中央駅から空港までは30分位。チケットは5.7ユーロだった。(2022年12月現在)わかりやすいし便利便利。

電光掲示板で空港行の電車とプラットフォームを確認

空港では、ワールドカップの準決勝をハイネケン飲みながら応援する人たち。みんなモロッコを応援していて笑えた。(ヨーロッパの国はお互いを嫌いあっているので。あと、私と同じ便に乗るイギリス人も多かったと思われる)

フライトは1時間遅れ。ヒースローに着いたら12時近くで、もう地下鉄が終わっていたのでバスで帰ることになり、家に着いたのは翌日の2時だった。
最終便はいろんな意味でリスキーだな。それでもヒースローでよかった。ルートンやガトウィック着のフライトだったら困り果てていたな。

さようならアムステルダム

自分用の備忘録として書いたので、小学生の様な「朝起きました。ご飯を食べました。」構文になっていますが、これが私のアムス弾丸一人旅です。全然アートに詳しくない私ですが、この様に何かテーマを決めて(エクスキューズを作って)、知らない街に出かけるのはとても楽しいのでこれからもたくさん旅をして、小学生の日記みたいなnoteを書きたいです。

追記:今回、アンネ・フランクの家、ヴァン・ゴッホ美術館(x2)、アムステルダム王宮で音声ガイドを借りたが、どれも日本語がとても分かりやすくてありがたかった。たいてい、この手の場所の翻訳は分かり難いことが多いので、はじめはオランダ語→日本語訳の相性が良いのかな、と思ったが、多分DeepLなどの機械翻訳の進歩によるものだろう。

美術館などの翻訳は、プロの翻訳者ではなく、関係者にコネのある単なるネイティブ・スピーカーに頼むことが多いと聞いたことがある。(超高額バイトらしい)本当かどうかは知らないが、アート界隈のコネの強固さや、翻訳の下手さを考えると、さもありなんである。まあ技術の進歩により、音声ガイドが分かりやすくなって良かったです笑。











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