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say cheese? smile? ハイ、チーズ?

誰かに「写真を撮って」と頼まれたとき、「ハイ、チーズ」って言いますか?
私はなんだかこっぱずかしくて言えません。
「はい、撮りま〜す」と声をかけて、シャッターを切るのが精一杯。
息子が振ってきた、写真撮影時の話題がなかなか興味深かったので、ご紹介します。

say cheese

「cheese」と英語で発音すると、真ん中の"ee"の部分で口を横に開くので必ず笑っている顔になるよ、と息子。
彼いわく、何も「cheese」である必要ななく、『ee』を含む単語、例えば「three」でも笑っている顔になる、と。("うなぎ"の"eel"もアリかな?)
しかし、threeではなくcheeseを考えた人はセンスあるよね、とも。

イギリスとアメリカという英語圏に12年余りも暮らしながら、英語がさっぱりな私が、「じゃあ、めっちゃ怒っている人がsubway(サンドウィッチ)に来て、チーズの種類聞かれて『swiss cheese』って答えたりしたら、その瞬間だけは笑顔になるの?」と聞くと、
息子は「もちろん、なるよ」。

『cheese』マジック、恐るべし。

「ハイ、チーズ」の罠

私はこっぱずかしくて言えない、と書きましたが、写真を撮影する人は、ごくふつうに被写体の人々に向かってこう声をかけていると思います。

しかし、上記の"ee"の法則を知った後では、笑顔で写真におさまるために「ハイ、チーズ」と言ってみたところで、日本語の"(チー)"は、「口がとんがってしまうよね」と息子。
「チー」のところでうまくシャッターが切れれば、笑顔の写真が撮れるでしょう。

いつから日本でも「ハイ、チーズ」を使うようになったのか分からないですが、「アメリカでは、写真を撮るときにこう声をかけるらしい」というウワサが広まったのでしょうか?

「ハイ、チーズ」への疑惑

私がイギリスやアメリカに住んでいたとき、「say cheese!」はそれほど使われていなかったように思いますが、テレビドラマではよく聞きました。
大人へではなく、子供にカメラを向けるときに使う言葉なのかもしれません。

そして、この言葉がアメリカまたはイギリスからの直輸入だったとすると、最初に聞いた日本人は"say"を「ハイ」と聞き間違えたのかも?

私は子供の頃、「ハイ、チーズ」の"ハイ"は、カジュアルな挨拶の「Hi!」だと思っていました。
そして、カメラを向けている人が「ハイ、チーズ、としょうもないことを言っているのを笑う」ものだとも。
今は、誰かが私の写真を撮ってくれるときに「ハイ、チーズ」と言っても、単に「今からシャッター切りますからね。目、閉じないでくださいよ」の合図ぐらいにしか思いません。

"smile"

海外の観光地で「写真を撮ってくれませんか?」と声をかけられたことが何度かあります。
そんなときは、「Are you ready? Smile!」と言ってシャッターボタンを押していました。
私自身がこんな粋なセリフを思いつくわけもなく、きっと、誰かがそう言っているのを聞いて、「Smile!」の方が「say, cheese」より良いと思ったのでしょう。

プロのカメラマンは・・・

息子が通っている学校では、年に一度、photo dayなるものがあります。
生徒ひとりひとりの写真をいくつかのポーズで撮影してくれて、そのうちのひとつはstudent ID cardの顔写真に使われます。

講堂のステージ上にフォトブースが作られ、そこで撮影が行われるそうですが、プロのカメラマンがくだらないジョークを飛ばし、思わず笑ってしまったり失笑してしまった瞬間をパシャリ、と撮るとか。
特に去年のカメラマンは、いくつものジョークを用意していたそうで、みんな順番を待ちながら「自分にはどんな冗談を言うんだろう」と楽しみにしていた、と息子が話していました。

カメラマンは撮影の腕だけではなく、ジョークのセンスも必要なんですね。

「キムチ」と言う変化球

韓国人たちは、「キムチ〜」と言って写真を撮っていました。
"きむ"は軽めに発音し、"ち〜"にアクセントを置きます。
なるほどね!と思いましたね。
"Kimuchee"ってスペルをイメージすると良いのでしょうか?
日本語で「キムチ」って言っても最後の「ち〜」を伸ばすと口が横に開きますね。

と言うことは・・・「すし」?

では我々日本人としても、何か考えなくては!
「sushi」はどうでしょう?
これ、「すし〜」と語尾を伸ばすと、"shiee"って口が横に開きませんか?

我ながらナイスアイデア!って思ったけど・・・、やっぱ、「ハイ、チーズ」って声掛けられてにっこり笑う、が一番戸惑いが少ないですかね。
目を閉じないための合図だと思って。


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