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群馬県立歴史博物館・見学記①

 8月13日、お盆休み。綿貫観音山古墳関連の展示をやっていると父から聞き、群馬の森に来た。期待をふくらませながら歴史博物館に入る。

 コロナ対策は予約制・人数制限・手指消毒・マスク着用と連絡先の記入。当日に予約が必要なことに気づいたが、空きがあったので運よく待たずに入ることができた。予約していない旨を伝えても、職員の方はみな暖かく迎えてくれた。

「綿貫観音山古墳のすべて」

 まずは今回のお目当てである企画展へ。お盆ということもあってお子さん率高め。楽しそうに展示を見ている子が多くこちらも嬉しくなった。県央の群馬県民は古墳を身近に感じがちだが、こうやってそのアイデンティティが醸成されていくのだなとしみじみとした。

 一番印象的だったのは、ワークシートの質の高さ。子供向けとあなどるなかれ、いい年した大人でも楽しかった。父も取り組んでいたが、父のほうがはしゃいでいた。なぜ。

ワークシートー歴博

 夏休みには多くの博物館が子供向け企画をやるものだが、幼いころやらされたワークシートはつまらず、ただやってる感を出したいだけじゃないかと子供ながらに感じていた。だから学芸員課程の授業でワークシートの有効性について教えられたときも半信半疑だった。
 しかし写真を見てもらえれば分かるように、このワークシートは展示品をよく見ることを促す。「よく見る」というのはとても大切なことで、観覧者によりモノに注目してもらうため、理解を深めてもらうために用意するものがワークシートなのだが、今回のものはその模範例だと感じた。クイズに関する展示品の横にはさらに詳しい解説があって、大人でも読み応えがあった。すばらしい!
 
 このようなクイズがいくつか続くが、一番印象的だったのは最後の問い。
今回のメインである国宝の杏葉(馬のかざり)のなかで、「自分のランドセルやリュックにつけるなら、どれがいいかな。」
奈良の藤ノ木古墳、福岡の沖ノ島、そして綿貫観音山古墳の三択。会場では三者が横並びで、容易に比較できるように配慮されている。

回答者にただ一つの正解を探させて終わりなのではなくて、自分だけの基準のなかでどう判断するか委ねる、クイズより一歩進んだ思考だと感じた。審美眼を養うっていうやつかな??それに、「自分のリュックやランドセルにつけるなら」って、とても秀逸な言葉だと思う。ただどれが好き?というだけでは迷子になってしまう子もいるだろう。適度な制限が上手いなあ。

 ちなみに展示スペースは大きく二つに分かれていて、手前では県内における古墳の状況が分かる構成、奥の部屋では綿貫観音山古墳と他地域の古墳を比較できる内容になっている。県内の方にも他地域の方にも楽しんでもらえる内容だ。

疫病さえなければ、群馬デスティネーションキャンペーンの直後で県外の方に興味を持ってもらえるチャンスだったのだが惜しい!ネットで特別講演が期間限定公開されているので、遠方の方は公式サイトを見てもらえればと思う。

 おまけ:ワークシートに答えたらかわいい缶バッジがもらえました。よくみると右の卒塔婆に「このポーズつかれる」って書いてあります。かわいいですね。

缶バッジ


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