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翻訳したい本 その5 ROMA CAPVT VINI



私は下戸である。

だから、本当はワインを語る資格などないのだ。それなのになぜか、ワインをはじめとするアルコールの文化というものにひどく心を惹かれるのである。

この本はもちろん、「ROMA CAVUT MUNDI(世界の首都ローマ)」というラテン語をもじっている。つまり、ローマはワインという食文化の中心でもあったという趣旨である。

面白かったのは、かつてのローマ帝国で愛飲されていたワインの血脈が、キャンティやバルバレスコ、はてはボルドーやカベルネといったフランスワインにいたるまで綿々と伝わっているという事実である。

もちろん、古代ローマ時代のワインと現代のワインは飲み方も製法も異なる。だから、現代のワインとは味が異なるのは自明の理である。しかし、名前や由来は古代ローマまで行く着く銘柄や品種が多いことがわかる。

共和政時代の雄弁家や帝国時代の皇帝たちにもまつわるワインのエピソード、ワイン愛好家と古代ローマ史ファン双方を惹きつけるのではと思っている。

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