翻訳したい本 その2 フィリップ・ダヴェーリオ

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イタリアに来た当初、RAI 3でよく目にした番組のひとつが「Passepartout」であった。

その番組の進行役フィリップ・ダヴェーリオは、なかなか味のある容貌で(つまり正統派の美男ではなくて)、また非常におしゃれな人なのである。ジャズ、クラシック、ポップ、ロックなどの粋な音楽をバックに、ダヴェーリオ独自の美術論が展開するのだが、日本の大変まっとうな美術番組を見慣れていた私にはそれはとてもオトナの番組に感じたものだ。

正統な美術史家とは異なる観点から語られるダヴェーリオの美術論は、飄逸で愉快である。

数年前から、彼の著作が次々と出版されている。図版も多いので、私はひねもすこの本を眺めて過ごすこともある。

彼独自のユーモアは、翻訳する際には非常にホネだろうとは思う。しかし、美術の愉しさを伝えるには、やはりいつか訳してみたいと切望している。

レオナルド・ダ・ヴィンチを語る少し若いころのダヴェーリオ。近年はもう少し太ったかな…。

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