
文系大卒が、在宅医療の世界に飛び込んだ1年半の記録
はじめまして。CUC広報PR担当の新卒2年目、吉倉です。
2021年10月から新人広報として奮闘している私ですが、 9月までは在宅医療現場での診療サポート職「メディカルサポーター(MS)職」として働いていました。
今回は、医療業界の経験も知識も全くない状態から在宅医療の世界に飛びんだ私が、1年半「メディカルサポーター」として働く中で感じたこと、その1日を紹介します!
ぜひ、在宅医療のことやメディカルサポーターの仕事について知ってもらいたいと思います。
そもそも、在宅医療って?
本題に入るまでに、まず在宅医療とはどんなものか簡単に説明させてください。
在宅医療とは、通院が難しい患者さまのご自宅に医師などの専門職が訪問して、医療をお届けすること。
ご高齢でご自宅から病院までの交通手段がない人や、介護施設に入居されている方、末期ガンなどでこれ以上の治癒が難しく、自宅に戻って療養したい方も利用します。
病院が「元の生活に戻るために治す場所」だとしたら、在宅医療は、「患者さまが住み慣れた環境で、自分らしく生きることを支える医療」といえるかもしれません。
超高齢化がすすむ中で、在宅医療はこれからの日本社会に欠かせない第3の医療として注目されています。
文系学生の私が医療業界へ飛び込もうとした理由
さて、本題です。
私が医療業界に興味を持った理由は、まず、昔からドキュメンタリーが好きだったこと。特に重い病気を抱えても尚、自分らしく生きる人たちに興味がありました。
また、家族が難治性の病に苦しんだ過去があり、そばで見ていた者として、病気とともに生きる選択が世の中にあるべきだと感じていました。
自分の人生において切り離すことができない医療という業界に、さまざまな課題が溢れていることに気づいたのは就活中でした。
高齢化による医療費の増大や、医療現場での働き手の不足、看取り難民の増大・・・。そうした社会課題に向き合ってみたい、と感じました。
専門職じゃなくても、活躍できるのか
本気で医療業界に進むと決めるまでには、葛藤がありました。
というのも、文系の自分が医療業界で活躍できると思えなかったからです。
具体的に、医療業界に対してこんなイメージがありました。
・医療業界といえば、医師や看護師といった専門職が活躍するもの
・文系なので、医療業界で働けたとしても役割は少なそう
・まわりの文系の友人に医療業界を志望する学生がほぼいない?
そんな後ろ向きな気持ちがガラッと変わったのは、CUCの選考面接がきっかけでした。
・在宅医療、という新しい医療の形を定着させる会社であること
・「自分の家で過ごしたい」「家族を自宅で看取りたい」という願いを叶えられること
・CUCの先輩社員の多くは文系出身で、医療未経験でも活躍できること
こうした話を聞くにつれて、純粋に『在宅医療を広げたい』という想いがフツフツと湧き上がりました。
最期をいかに自分らしく暮らせるか、にコミットできる在宅医療の大きな価値に心を動かされたことを今でも覚えています。
「家」という舞台で医療を展開する未来を作りたい、と率直に思い、入社を決めました。
「メディカルサポーター」として医療現場デビュー
そして入社後、CUCが経営を支援する都内の訪問診療クリニックで、「メディカルサポーター(MS)職」として、在宅医療の現場で働くことになりました。

メディカルサポーターとは、在宅医療における訪問診療のサポート全般を担う仕事です。
「サポート」というと、部分的な支援のように思う人もいるかもしれませんが、実際はその逆で、医療行為のすべての訪問診療の過程に関わります。
・訪問先のご自宅まで向かう車の運転
・患者さまやそのご家族とのコミュニケーション
・医療機器の準備
・診療内容のカルテ入力代行
・地域連携のコーディネート
などなど。
最初は、その仕事の幅広さに驚きました。
仕事として覚えることも当然多いので、クリニックのベテラン医師に食らいついて、分からないことは逐一調べたり聞いたりしながら、一つずつ覚えていきました。
在宅医療の現場で垣間見えた、150名の人生
メディカルサポーターとして働いた1年半。合計で150名弱の患者さまを担当する中で、きれいごとでは語れないリアルな在宅医療の現場を目の当たりにしました。
・癌末期でたった3回の往診で亡くなられたAさん
病院に長期入院されていたAさん。「どうしても最期は自宅にいたい」というご本人の強い想いを叶えるために、在宅医療を選択。3回の往診で、最後はご自宅で亡くなりました。
・荒れ果てたご自宅でひとり暮らしをするBさん
たった一人、ゴミで溢れかえった自宅でひとりで暮らすBさん。地域のケアマネジャーや訪問看護師、そして私たち訪問診療クリニックのスタッフで、なんとか命をつないでいました。
・10代の若さで難病治療のために通学できなくなってしまった学生Cさん
ある外出時のトラブルから起立性障害となり、通学ができなくなってしまったCさん。若年性故に保険サービス等がままならない中でも、訪問診療・訪問看護師等の支えで自宅療養しています。
在宅医療を選ぶ患者さまの症状や状況は多岐にわたりますが、みなさん「病気を治す」ことよりも「自分らしく生きる」ことを重要視していたことが印象的でした。
メディカルサポーターを経験して感じたアレコレ
医師でもない、看護師でもない、メディカルサポーターという役割で働いてみて、この仕事だからこそできる役割があると感じました。
例えば、患者さまにとっては、医師には直接相談しにくいことも話しやすい、心の拠り所のような存在になれる、ということ。
ご高齢の方が多い患者さまにとっては、2週間に1度対面でお会いすることで、孫のような存在として可愛がってもらうこともありました。

(新人時代からの患者様との異動前の1枚)
色んな患者さまの生き様を目の当たりにすることで、これまで意識してこなかった「自分らしい人生の最期」を考えるようになり、誰もが希望する形で人生の幕引きができる社会を創りたい、という想いが強くなっていきました。
外でも活きるメディカルサポーターの経験
10月の異動によって在宅医療の現場を離れ、広報として働いていますが、メディカルサポーターを経験できて本当によかったと感じています。
まず、医療業界の共通言語を手に入れることができたこと。
訪問診療に関わる一連のプロセスを経験したことで、他の医療機関に行っても話が大体分かるようになりました。
(プライベートでは、祖母の入院時も家族の中でキーパーソンとして医師と対等に話すことができました)
そして、並大抵のことではひよらない度胸が身についたこと。
知識ゼロの状態で医療従事者に混ざって働いたことで、
・自分で調べる
・仮説を立てる
・知識を得る
のサイクルが回せるようになりました。
医師・看護師という遠い立場も、自分をアップグレードすることで、日々日々に信頼を寄せてもらえた経験から、どんな人とも仕事ができる、話してみたいという気持ちになれました。
メディカルサポーターの仕事の価値を、もっと知ってほしい
地域医療と患者さまをつなぐ新しい職種「メディカルサポーター」。とてもやりがいがある一方で、まだ世の中的には認知されていない職種です。
訪問先の介護施設の職員の方や利用者さまのご家族からは、「こんなに色々仕事できて、職種としてはなんて呼ぶの?」と言われることもありました。
前述の通り、その仕事の範囲は多岐にわたり、支援先の訪問診療クリニックによっては、患者さまを増やすための営業活動やクリニック内の人材マネジメントなど、「サポーター」の枠を大きく超えた業務を行うこともあります。
この仕事がもっと世の中に認知されてほしいと思います。
メディカルサポーター1日の様子
最後に、メディカルサポーターの1日の様子を簡単にご紹介します。
8:30 出勤 当日の診療準備
クリニックに出勤したら、まず当日の予定をチェック。
カルテの準備や運転ルートの確認、先生への申し送り連絡などを行います。

9:00 朝礼
クリニック全体で患者さまの状況や、連絡事項を共有。
同時に電話対応したり、始業から慌ただしく動き出します。
9:30 訪問診療スタート。訪問先へ出発
1件で30分弱ほど訪問診療を行います。
個人宅では患者さまやキーパーソンであるご家族と最近の健康状態、お悩みを診察を進めながらお話します。


12:30 お昼
クリニックに一旦帰る場合もあれば、外でサクッと食べる時もあります。
基本担当ドクターとペア行動なので、お気に入りのお店で一緒に食事をすることも。

13:30 午後診療へ出発
介護施設での訪問診療では、一気に30名ほど診察することもあります。
ホームでは施設の看護師さんも合流して回診するので、高速カルテ打ちが必要に。

17:30 クリニック帰設
空も薄暗くなってきたところでクリニックへ。
今日の診療まとめ作業として、カルテ編集、書類取り込み、医療物品管理、を諸々整理します。

18:30 退社
明日の準備を済ませ、帰宅。
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