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私の中の「何か」を構成した5大漫画

こんにちは、孔雀石です。
ちょいと note を書く上でお題に沿った投稿もしてみたく指をとりました。

比較的投稿しやすいかなと思って「私を構成する5つのマンガ」を選択しましたが、いざ選べと言われてもなかなか選べませんでした。

私にとって漫画は小説と同じぐらい好きな読み物です。森博嗣、石田衣良、恩田陸といった作家の小説を読む傍らで、図書館に置いてあった手塚治虫のブラックジャックやブッダを読んでいました。

また、漫画は知識を補充するツールとしても役に立ちました。
中でも、偉人伝記やドラえもんの四字熟語辞典を読んで社会や国語の成績が上がったものですから、私の親は漫画を唯の娯楽として忌避するようなことはありませんでした。その御蔭で色々な漫画を読み漁ることができました。

漫画は小説と同じく読み手次第で影響力があります。
そんな物を5つに絞れなんて無理なんですよね。_(:3 」∠)_

なので、本記事に記載している漫画はあくまでも無理矢理に削った結果なので、追加としていくつか載せることをお許しください。

それでは、紹介を始めましょう。


1. スピリットサークル 水上悟志


「許せない、許さない」という思いの強さ、禍々しさ、苦しさと
「許す」という行為の大切さを教えてくれる漫画。

変な痣が顔にあるだけで他はいたって平凡な主人公が、その痣と因縁のあるヒロインと出会い、自身の輪廻転生してきた魂の記録を実体験する物語。

自身の魂が歩んできた七人の人生を体験するという、独特の世界観に終始目が離せなく、またその七人の人生がどれも全く違う特色で、かといってそれが現在の主人公とは似てないというわけでもなく、噛み合っています。

今まで生きてきた全ての人生に「意味」を持たせて描き切ってしまう手腕に惚れ惚れしました。

私はこの漫画を読んで最初は輪廻転生だけを描いた物語だと思っていましたが、実際には「恨み」の恐ろしさと、自分自身を含め「理解」してあげる強さと、「許す」という行為の本当の意味を伝えるものでした。

決して恨むことは悪い事ではありません。人の正当な感情です。

ですが、ずっと恨み続けることは自身を過去に留め、呪い続ける諸刃の剣。

使うも、曲げるも、捨てるもすべては貴方次第。貴方の人生なのですから。

「違う人生を体験する」「運命の相手」「ヒューマンドラマ」のどれか一つに興味がある方には是非お勧めします。


2. 夏目友人帳 緑川ゆき


一人ぼっちの寂しさは時として誰かの理解に繋がり、救いに繋げられることを教えてくれる漫画。

人ならざる者と関われる力を生まれ持った主人公は普段から妖怪とトラブルにあっていた。ある日、そんなトラブルの中、封印されたお堂を壊してしまい、妖怪を解放してしまう。

その妖怪は主人公が持つ遺産がトラブルの元であると告げ、自分も欲するその遺産を主人公から取り上げようとするが、主人公はそれを利用し、妖怪に用心棒を依頼する。

これは生まれ持った力に苛まれた少年が、その要因の一つである妖怪と共に日々を過ごす物語である。

主人公の背景として、親を亡くしてから今の親切な遠縁の親戚に預かられるまでたらい回しにされていたことと、力のせいで気味悪がられ孤独でいたことがある。しかし、前述の妖怪と出会ったり、同じ様な境遇の子が転校してきたりする内に幸せになっていく姿はとても微笑ましいです。

とは言え、彼の立場は彼の持つ力と友人帳という名の祖母の遺産によって人よりも妖怪側に位置しています。その為、人間の友人といる時も彼だけ何処か遠くの世界にいるようなことがあります。そこに普通と普通じゃない日常の摩擦といいますか、寂しさを感じ、誰か主人公を温めてあげて!!と思うわけですが、それがこの作品の味なのかもしれませんね。

また妖怪や呪術の表現が流動的で、想像を掻き立てる絵になっています。
作者が描く柔らかな絵はもの悲しい、切ない話にあっていると思えば、心温まる優しさを最大限に引き出したり、怒り、葛藤、ドロドロした人の欲望さえも表現しています。この多彩さがファンで居続ける理由でもあります。

「ノスタルジー」「妖怪と呪術」「心に訴えるもの」のどれか一つに興味がある方には是非お勧めします。

妖怪的な話だと他に「足洗邸の住人達」や、「XXXHOLiC」と迷いました。
どちらも独特の世界観、ミステリアスな雰囲気が大いに味わえます。



3. オルフェウスの窓 池田理代子


過酷な運命を課せられた三人の若者が、大いなる世界の荒波に揉まれ、苦難や挫折に苦しみながらも、人生には信念を貫き、懸命に生き抜くことによって得られる輝きがあることを教えてくれる漫画。

物語は第一次世界大戦前、ドイツのレーゲンスブルク音楽学校から始まります。この学校の塔にはオルフェウスの窓という、下を通った人と恋に落ちるが悲恋に終わるとの曰くつきの窓があり、主人公の1人である貴族のユリウスが窓の下で他の主人公であるクラウスとイザークに出会い、物語が動き始めます。

本作は第4部まであり、その内、第一次世界大戦と日露戦争からのロシア革命まで勃発します。もうこのシチュエーションでお分かりかと思いますが、まさしく激動の時代を生き抜くわけです。

また、この主人公たちも1癖2癖あり、貴族ならではの問題があったり、亡命者で革命家だったりします。イザークは苦学生で一見何の特徴もないですが、彼にはすぐれたピアニストとしての才能があり、それ故の音楽界特有の苦難を激動の時代とともに迎えることになります。(かなり壮絶です)

彼らは其々違う立場でありながらも、友情をはぐくんだり、恋に落ちたり、恋に破れたり、それでも助け合ったりと。中々に強固な絆でお互いを結んでいて、遠く離れていたとしても通じ合っている姿がとてもいいのです。

特にユリウスが辛い時にラジオから流れてくる「皇帝」を弾いているのがイザークだと察するシーンとか、クラウスが追ってきたユリウスに対して冷静ではいられなくなっている所とか最高ですね。

私はこの漫画を中学生の時、母の実家にあった母の部屋の押し入れから引っ張り出して読んでいました。後になって母にばれて叱られましたが、まだ漫画に対して色眼鏡を持っていなかったこの時期に読んだからこそ、男性特有の少女漫画への抵抗がなくなりました。
この漫画との出会いが所謂読まず嫌いを減らすきっかけになりましたね。

他にも「パタリロ」なんかもよく読んでましたし、タイトルは忘れましたが、貧乏大学生の日常を描いた作品から、麻雀の楽しさやテスト前に授業用ノートが売れることや試験への「持ち込み」があることを知りました(笑)



閑話休題、オルフェウス窓では友情に揺れがあることや、様々な色恋があることを学びました。勿論、フィクションではあるのですが、それでも読み手の感情を突き動かす物語のパワーがそう感じさせるのです。

「波乱万丈」「悲恋」「近しいものの大切さ」のどれか一つに興味がある方には是非お勧めします。


4. すみっこの空さん たなかのか


大抵の大人が忘れてしまっている、子供が大人になる過程で知った何気ない事を教えてくれる哲学的な漫画

スランプで都落ちした絵本作家「哲学」するペットのカメが、自由な論理を構成する少女と出会うことで、互いに成長し学んでいきます。またそれは村の人達を巻き込んでいき、主人公たちを押し上げていきます。

第一印象は可愛い女の子が都落ちしたお兄さんを勇気づけるだけの話でした。しかし、実際には表紙に描かれている空さんと呼ばれる小学生がカメと一緒に、大人の常識とは違った視点から世界を見る作品でした。

また話数を重ねていくうちに、主人公ばかりが悩んでいるわけではなかったり、いつの間にか固まってしまっている大人の目線や考え方を空さんが教えてくれたりします。最終的には空さん自身が子供ではいられなくなり、大人になっていくのですが、それによって空さん自身の目線は固定されてしまうのかが見ものでした。

また、最後にはタイトルにつけられた命題から、答えのような実際の哲学者のお言葉が載せてあったりと、まさしく「可愛い哲学書」でした。

私達は生きていく上で何が正しいのか、何が悪いのかを決めつけて動いています。無論、それは効率的な意味では正しいのです。何せ流動的な基準ほど扱いにくいものはなく、適応しにくいものはありませんから。

しかしながら、一歩離れた視点から、この作品で言うならば、身長を低くして可愛らしい金髪碧眼の女の子になってから物事を見ると違った景色が見えてくるはずです。

それが自分にとって利益となるか不利益となるかは別として、我々が住んでいる世界以外のものが確かに存在していることの証左にはなるでしょう。
また他人が自分とは違う存在であることの認識の手助けにもなります。

「哲学」「自分とは違う視点」「可愛い」のどれか一つに興味がある方には是非お勧めします。


5. BLAME! 弐瓶勉 


行き過ぎた技術が人を不幸にするわけではなく、それを使う人が他人を不幸にしてしまうことを教えてくれる漫画。

全てが荒廃してしまい人間の住む世界が制限されてしまったディストピアな世界で、主人公が人類最後の希望を探して当てもなく旅を続ける物語

旅には困難が伴い、彼、というか人間を排除しようと躍起になる珪素生物とよばれるクリーチャーや、地区間の移動を良しとしない統治局といったロボット勢等、様々な勢力が襲い掛かってきます。

そんな中でも、彼自身の目的である希望の探索に対しての執念は凄いですし、出会うヒトに対して優しく手を差し伸べる姿はかっこいいですよね。

又、本作品の魅力は主人公が凄く無口で、ろくな説明もないのになぜか理解できてしまう点と、なんといっても SF な巨大構造物が所狭しと描かれている所でしょう。

この漫画家が書く SF 構造物はとにかく緻密で多彩で、白黒とは思えないほどの表現力を持っています。また決して貫けないとまで言われた硬い超構造体を主人公がもつ重力子放射線射出装置で貫くシーンなどのアクションも凄くて映画を見ているかのような気分に浸れます。

人物の表現は独特で受け付けない人がいるかもしれませんが、私は好きでした。また無口な主人公だけではなく、シボと呼ばるヒロインも出てきますし一応花がないわけではありません。

「超未来 SF 作品」「無口すぎる主人公」「ディストピア」のどれか一つに興味がある方には是非お勧めします。
またこの漫画家が描く「シドニアの騎士」や「人形の国」も同じように超未来 SF 作品として名をはせてますので、好きな方にはお勧めします。



終わりに

いかがでしたでしょうか。どれもこれも私にとっては大事な漫画です。
勿論、これは無理矢理削った結果なので、まだまだ好きな漫画は沢山あります。本来なら1番初めに読んだ手塚治虫の作品を1つ載せるところでした。

ですが、「紹介」するにあたって誰もが知っている作品を載せるのもどうかなと思い、差し控えさせていただきました。かといって、今載せた作品全部が超マイナーというわけではありませんが、笑。

今でも漫画は読んでます。
といっても、昔ほど時間は無いというか、無くしたといいますか
読んでられる状況にはないのですが

それでも笑顔になれるような漫画は甘いお菓子と同じなので自分なりの補気薬として投与してますね。もちろん、オーバードーズによる副作用を回避する為に対策はしていますが。

どんな時でも支えてくれるのは友人や恋人や家族ですが、その一端として、(生きてはいませんが)漫画があると私は思っています。

皆々様にもそんな1冊が見つけられることを願っています。

それではお付き合いいただきありがとうございました。

また遭う日まで、御機嫌よう。


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#私を構成する5つのマンガ









※追記 心の緊急処方薬例 他にあったら教えて。

手っ取り早く心に砂糖をぶち込みたい貴方にオススメなのはコレ。


「健気さ」「ひたむきさ」「一途な優しさ」「可愛い&可愛い」を詰め込んだのはコレ。

一応、どちらにもシリアス的なものはありますが、すぐ回収されるので無問題。くそったれな気分になった時に読むといいです。浄化されます。