ジャングルを書き換えてゆく

私たちわからないなりに想像してみたのですが、明日の電車の時刻表に書かれている文字は果たして読めるのだろうか、私の隣の隣の国の文字はもう読めなくなってしまっているような気がして異国のフルーツを100パーセント濃縮したジュース缶を人差し指と中指の間にはさみコロコロと回していると中からケタケタと笑い声を私の口が乗っ取られて滴った果汁がTシャツに転び、暗号が書き換えられ、ちょうどヘソのあたりに巨大なタンカーのような黒々とした単語とその周りの類義語と対義語の連合が音もなく撫でた、その暖かさと表面の冷たさ、甲板の上の動物たちがまた次々と単語と類義語を生み出している。石油にまみれた単語たち、単語は製油所で反復されビニールや輪ゴムやガソリンに分裂される。それぞれが役に立ったり一生使われないまま倉庫の中に眠っていたりする。その間に動物たちは動物たちなりに進化し、ジャングルを書き換えてゆく

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