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Afro Parker - Buddy

文章にまとめるのが遅れてしまったのだが、先月リリースされた「Afro Parker」の「Buddy」という曲が、好きだ。

彼らの音楽にはいつも、自分たちにしかできない等身大の言葉と音がある。でもそれが、先天的な「素直」とか「まっすぐ」の素養から来るものではない、ひねくれて、よじれて、転んで、こねくり回した結果として行き着いた「ピュアリズム」のような部分があり、そこにシンパシーを覚えてしまうのだ。

音楽へ関わりながら生活をしている者のはしくれとして、毎週毎日目まぐるしく生まれる世界のあたらしい音楽を、「これ聴き逃したら、あっというまに置いてかれる」みたいなちょっとした脅迫観念を胸に秘めつつ聴いては、「Joji の新曲やばいっすね」とかなんとか言って過ごしているわけだが、ややもすると、この行為が形骸化してくる。

そういうときに Afro Parker の音楽を聴くと、なんだかこう、大切な原点に立ち返ることができる気がするのだ。

本曲「Buddy」は、元々はメンバーの結婚式を機に、サプライズでつくられたものらしい。その、「本当に身近な人」のために作られた音楽ということは、14ヶ月(!)の制作期間を経てリアレンジされたあとも、一聴してビシバシと伝わってくる。

ただいま
いつもどおり get back 独身寮
溜まっちまったポストに
飛び込んできた非日常

そんな書き出しではじまるリリックは、自らの現在地点から、終始その「大切なやつ」に向けられた愛と優しさで溢れている。

ミュージックビデオも「いい感じ」にダサくて(褒めてます)、ハンドメイド感が随所に溢れていて(これも褒めてます)、いいんだよなー。それはまさに、新郎新婦のために友人たちが心を込めてつくったビデオのような、あの上手い下手では到底片付けられない、筆舌しがたき良さがある。最後まで観ると、思わず涙腺が緩む。

そうやってごくごく個人的な想いや眼差しで心を込めてつくられた音楽や映像は、最近ちょっとありがちな「綺麗でうまくまとまっているけど、なにも伝わってこない」表現より、何十倍も心にエモーショナルに響いてくるのだ。

うまく言えないけれど、彼らの音楽は、現代版の「生活の音楽」に思える。それはきっと、彼ら自身が現役の会社員で、生活者として悲喜こもごもな毎日を送る中、そこで生み落とされた表現だからなのだろう。

地に足を着け、されど同時に、空を見上げている。そんなリアルとロマンの入り混じったアラサー男子たち。自分自身、彼らと同世代の人間なので、その「リアルとロマン」が、痛いくらい切実に沁みてくる。

大学生の頃、おもしろいバンドだなーと思って聴いた「Lift Off」。2016年にリリースされた5年ぶりのアルバム、「LIFE」。14曲目に収録されていた「Life Is Good」という曲が好きで、「20やそこらで出るはずの無い答えを 求める大人にバルスって唱えろ」ってリリックには、リアルタイムで深く共感した。

それからまた2年の歳月があっという間に流れ、今度は彼らから「結婚」というテーマの曲が生まれ、「口をついて出たのは “おめでとう” より先に “ありがとう”」なんてリリックが届いたことも、すごく感慨深かった。

この投稿を見ている同世代のみなさん、平成初期前後生まれのみなさん、そうであってもそうでなくても、どうかどうかこの曲、聴いてみてください。心ゆれるものが、きっとあると思います。

とてもいい曲なのに、まだそれほど認知されていないっぽい状況にいきどおりつつ(笑)、ここに今更ながら、個人的な推薦文のようなものを綴っておく。

Afro Parker さん、いつも体温のあがる音楽をありがとうございます。同世代として、励まされています。手のひらが熱をもつまでクラップ。

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Project Design / STITCH INC. / 音楽家たちや山形県のじゅうたんブランド「山形緞通」などと、プロジェクトに取り組んでいます。鎌倉が好きで、住んでます。https://stitch-inc.jp/
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