口コミ５段階評価で５と４の違いって何だろう？

例えば自分の宿（お店でもOK）の口コミスコアが５段階中4.5だったとします。そこに常連さんから4の評価が入ってきたりする。

常連さんなら５入れてよー

って心の中では思っちゃったりする。だってですね。4.5評価のお店にとって４の評価はスコア平均を下げる行為なのです。とは言っても、お客様の立場になれば、４は十分に良いスコア。常連さんの場合だと「満足しているけど、前回に比べるとちょっとよくなかったので５じゃなくて４」みたいな感覚なのかもしれません。

この辺、評価する側とされる側で全く異なる感覚がありますよね。そもそも、４をつける場合と５をつける場合の感覚の違いって何があるでしょうか。色々あるかもしれませんが、私の経験で感じたことは３つあります。どれも比較的評価が厳しめのお客様の感覚です。

１）良かったは４、感動したは５

まず、近年どこのお店、宿を選んでもそんなに悪くはない。ハズレはないというのが日本の実態です。どちらかというと良かった悪かったというよりも、自分に合わなかった、自分の期待していたのとは違った、と言った感じじゃないでしょうか。あくまで自分の期待とは異なっていただけで、他人ならば、満点評価なのかもしれません。

どこを選んでも満足度は高い。日本のサービスレベル、商品のクオリティはそれぐらい素晴らしいものです。しかもそれで安いわけですから、安くても本来高価な接客を求める人もいるわけです。

非常に競争が厳しいという考え方もありますが、そんな中で４ではなく５の評価を得ようと思ったら「良かった」のもう一つ上の段階、「感動した」という体験がなければ５をつけない人もいるわけです。

特に常連さんの場合、これまでしてもらったサービスが当たり前なわけですから、料金が上がったり、サービスが簡素化された場合は、「前の方が良かった」と厳しい評価になってしまうわけです。

２）もっと良いお店・宿があるかもしれない

自分が過去に経験した最も優れたお店・宿を５とした場合、というお客様。あるいは、「自分の理想を５とした場合、今回は・・・」という判断基準をされるお客様。この場合はなかなか５はつきません。そういえば一度

素晴らしい宿だけどもっと上を目指していただきたいので、４をつけておきます

ってお客様がありました（苦笑）。もっとシンプルに自分が良かった、感動したでクチコミを書けば良いと思うのですが・・・

３）減点法で評価する

「○○がイマイチだったのでマイナス１させていただきます」という書き込み。時々あります。これ、とても日本人的だなぁーと思います。もちろん、そういった評価をするか否かは自由です。ただ、これって残念な思考だなぁーとは思います。と言っても昔は私もどうだったのですけどね。

○○は良かったけど□□は良くなかったのでマイナスポイントをつける。

これって「評価」しちゃってるんですよね。楽しいか楽しくないかじゃなくて、得られるべきサービスが得られたか否か。完璧を目指し、不備があったら減点法で評価してしまう。お客様も悪いところに目をやるよりも、良いところにフォーカスした方が満足度が高くなるのに。意外とこれ、自分で勝手に満足度を下げてしまう人の思考でもったいないんじゃないかな、と思います。悪いところに目が行った時は、良いところも言語化するようにした方が健全です。人によっては、一つ悪いところを見つけると更に粗探しをする悪循環を起こしてしまう方もいますので。

又、これは接客する側にもマイナス面が生じます。「ミスをしない」ことが評価基準になってしまい、マニュアル通りのことをすることで精一杯になり、柔軟な対応ができません。

ミスはないけど融通のきかないサービス

になりガチす。すると、まさに良かったけど感動のないサービスになる。理想はミスもせず、柔軟に対応できることですが、減点法の発想をするお客様の多い日本では、お客様を楽しませる余裕を持って接客できるサービスマンが育ちにくい土壌なのかな、と感じることがあります。

以上の３つのお話を聞いてしまうと、「５をもらうのって難しいなぁー」って思うかもしれません。それでも、５の多いお店や宿は数多く存在します。欠点だらけでも５の多いところってどんな工夫をしているのだろう。このことは私にとっても長年のテーマでした。

それがあるひと言がヒントになり、解消し、私の宿も５の絶対数が多くなりました。明日は、４ではなく５の多いお店、宿になるには、というお話をしますね。

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