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【CS HACK#33イベントレポート】ひとりCSがみんなで考えるCSのKPI。経営に貢献するKPI設定に必要な視点とは?

CSチームといってもメンバーは自分しかいない、上司は兼任や役員クラスだから常に相談できるわけでもないし、なにより業務量が多くて大変。。。
こんなハードな状況で奮闘しているCSの方、結構多いのではないでしょうか?

2019年7月24日に開催された第33回CS HACKは、そんなひとりCSのためのイベントでした!CSのあるべき姿やKPIについてのディスカッションと経験豊富な講師からのアドバイス、そして何より大事な社外のCS仲間を作る交流会。そんなイベントの様子をお届けします。

<ゲスト>
テックタッチ株式会社 Head of Customer Success
西村 高史さん

<主催・登壇>
カスタマーサポート エバンジェリスト
藤本 大輔さん

Output is GOD!CS HACKの理念を実行し、ディスカッション・発表をメインにした今回

今回のイベントは、参加者同士のディスカッションとシェアをメインにするため、CS HACKとしては比較的少人数で開催しました。

こういった形式にチャレンジした理由に、「CS HACKがコミュニティとして大切にしている運営方針」があります。(今回のイベントで初お披露目!!)

「CSを愛してやまない」という共通点を持ったメンバーが集まるCS HACKは、お互いの知見を共有し、受け取り、そしてアウトプットすることを何よりも重視しています。なんてったって、「Output is GOD(アウトプットする人は神)」というキャッチフレーズまで掲げるほど。

アウトプットし、周囲にシェアする人が称賛される場所でありたいという強い思いから、一人ひとりが発言しやすい少人数グループ制を取り入れ、ディスカッション内容の発表というアウトプットの場を作ってみました。

というわけで、ここからがイベント内容のレポートとなります!

ひとりCSが考える「CSのあるべき姿」と「KPI」**

ディスカッションテーマはCSのあるべき姿とそれをどのように評価するか?
ひとりCSというのは、そのほとんどが自身で部署を立ち上げている状態で、社内でのCSの役割や評価方法が確立されていないことも多いです。そんな中で自分たちの理想状態を明確にイメージし、事業に貢献していくためにはどうすればいいのか?各グループで議論しながら考えました。

1回目のディスカッションでは上2つについて、2回目のディスカッションでは1回目のディスカッションを受けてどのようなKPIを設定すべきかを議論し、発表していただきました。
ここでは、特に議論が盛り上がった「KPI」について、各チームの発表内容をご紹介します。

・利用率を高めないとどんな施策も始まらないので、まずは「利用率」をKPIに置くのがいいのでは・お問い合わせ件数の減少=お客様が自分で利用できているということなので、お問い合わせ数をKPIにするのはどうか・チャーンを防ぐにはどうすればいいの?から考えると有効なKPIを設定できそう・CSは、プロダクトの中の体験の一つでしか無いので、プロダクトのフェーズによって必要なことは変わる・お客様の状況や自分たちの課題感に合わせてKPIを置いて、追いかけるのが重要で、究極の指標というのはない・数値で見えないインサイトを炙り出すことが、CSの重要な役割のひとつ様々な立場の人と議論して「サービス・プロダクトのフェーズによって見るべきものが変わる」ことがよく理解できた

利用率や問い合わせ数の低減などの具体的な数値も挙げられましたが、特に多く聞かれたのは、「フェーズによって最適なKPIは変わる」という意見。絶対的な指標は無いという発言もありました。
最後のチームの発表では「CSってすごいな~」というシンプルな明言も飛び出し、ディスカッション&発表はかなり盛り上がって終了しました。

誰のためのKPI?顧客への価値提供をいかにKPIに落とし込むかがカギ

最後のセクションでは、発表を受けて登壇者2名がコメントしました。まず各チームの発表内容について、曖昧な定性指標ではなく、定量指標が多く挙げられたことに対して「数値化できる部分を追うのが重要」とフィードバック。CSとは切っても切れない「顧客満足度」という指標の問題点などを指摘しました。

藤本:全体的に、定性的な情報を最重要のKPIとして置かない姿勢が共通しているのはすごくよかった。CSと言うと「ホスピタリティ」「満足度」みたいな部分に引っ張られがちになることもありますが、計測可能な数値を追っていったほうがいい。
西村:私も「顧客満足度」という指標にはすごく懐疑的。アウトソースを含めると10年以上CSをやっていますけど、これってかなりノイズの多い、人の感情に左右されやすいスコアなんですよね。KPIとして機能するかという視点で考えると、ノイズが少なく測定できるものを選ぶべきです。

KPIを設定するための考え方として伝えられたことは、会社のKGIからKPIを落とし込むのではなく、顧客に貢献した上で見えてきた価値をKPIにしていくという視点。西村さんは、「CSのKPIは、顧客のためになるものであるべきで、会社のためのものではない」と語ります。

西村:CSとして会社に貢献するのはもちろん重要です。でも、経営側が「顧客をこう動かす」と考えて落とし込んだものが、本当にお客様のためになるわけじゃないこともある。そうではなく、現場でお客様に価値貢献する中で見えてきたものをKPI化して、その数字がどのように会社に貢献できるのかを紐付けていったほうがいいと思います。
藤本:うんうん、最初から会社のKGI(売上、利益など)の方を向くんじゃなくて、「どうすれば顧客は成功するのか」というのを考えて。言ってしまえば後付けですよね。

最後に西村さんが過去に設定し、機能したと感じたKPIを紹介してくれました。そのKPIとは「自己満足度」。少し意外に感じるかもしれませんが、CSの品質を高め、利用率、継続率を高めていくには有効だったそう。

西村:結局、最も重視しているのは「顧客に執着できるか(カスタマーオブセッション)」。それを測れるのが「自己満足度」なんです。これは、顧客に対してCS担当がどこまでできたか、を測るもので、担当者が根拠をもって点数を付けていきます。例えば、70点にした人がいて、その理由が「時間が足りない。あと20件対応するためにはこれ以上この顧客に時間をかけられない」ってことだとしたら、1人あたりの対応件数を制限するとか、人員を増やすとか、具体的な施策に落とし込めるんですよね。KPIに答えはないというのがこのイベントでの総意だと思いますが、前職での一つの答えは「自己満足度」でした。
藤本:確かに「これ!」っていう答えはないですけど、色んな人と議論して、思考を深めていくのが大事だと思うんですよね。今回は皆さんで議論できて、すごく実りある時間だったと思います。ありがとうございました!

参加者によるアウトプットを重視した今回のイベント。ディスカッションの時間が多かったからか、交流会も盛り上がりました。KPI設定というのは常に議論が絶えないテーマですが、「正解はないから、考え続けていくしかない」というのが答えなのかもしれませんね。


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