ドコモ口座を利用した被害事案が、なぜここまで問題なのか
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ドコモ口座を利用した被害事案が、なぜここまで問題なのか

水井大/弁護士

どうしてドコモ口座を利用した被害事案がここまで問題なのか 

登録をしたこともないドコモ口座に、いつの間にか自分の銀行預金からチャージされていた・・このようなドコモ口座を利用した被害事案が発覚し、大きく問題視されている。報道によれば本件のなりすましによる払戻し被害額の総額は現在約20百万円程度と推計されている。ただ、報道の量や論調からすると、まるで何百・何千億円もの金額が不正に払い戻されたかのような大事件の扱いである。


一方、預金等取扱金融機関の扱うインターネットバンキングでは、本件と同種の「なりすまし」事案で本件をはるかに上回る被害が発生してきた。しかしそこでは特定の事件に関する大々的な報道はされてこなかった。すなわち、金融庁の平成28年4月から令和元年9月までの約3年間の統計によれば、インターネットバンキングのなりすまし被害による被害金額は約149百万円、人数にして7973名分の被害が発生している(「偽造キャッシュカード等による被害発生等の状況について」)

本件は、このような被害額の違いにもかかわらずどうしてここまで問題視されるのか。以下では「なりすまし事案」を抑止するためスタンダードな認証手法を踏まえ本件がなぜ問題視されるのかをみていきたい。

なお、第三者が被害者本人のIDやパスワードを盗用し本人になりすまして預金等の払戻しを行う本件のような事案を一般に「なりすまし事案」と称しており、金融事業者の預り資産がハッキング等によって直接盗取され流出する事案とは区別される。

※12/12追記 

本Noteを基に「デジタルオンラインサービスの当人認証のあり方と課題~ドコモ口座事件を題材に~」(ビジネスロージャーナルNo154)を寄稿致しました。ビジネスロージャーナルをご笑覧頂けますと幸いです。



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水井大/弁護士
フィンテックベンチャーに出向中の弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同)