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SEC(米証券取引委員会)vs暗号資産業界の戦い、続き2

先日、グレースケールのSECに対する訴訟の判決が出されグレースケールの勝利となったわけですが、想定通り、SECはビットコインETFの審査期限を延期しました。

想定通りといえば想定通りなのですが、こういうことは分かっていても方針転換をするのは難しい。裁判の結果が出たからと言って即ビットコインETFの許可を出すわけが無い。
一部の裁判の判決が出ただけなので、それ以外の訴訟はまだまだ続いており、SECとしては全然これからだという感じなのかもしれません。このまま審査は最長の270日間まで伸ばす可能性が濃厚です。

結局、最終的に拒否しづらくなるかもしれませんが、引き延ばせば状況が変化する可能性は十分にあります。他の裁判でSECに有利な判決が出るかもしれませんし、議会の動きもどうなるか分かりません。さらにはまた、SECの正当性を助長するような詐欺っぽい事件が勃発するかもしれません。ただ、暗号資産界隈、特に市場は冷え切っているので事件が起きてもFTXほど大規模なものは起きないかもしれません。

ビットコインはグレースケールの裁判の判決でグッと上がりましたが、審査の延長?のせいなのか消費者物価指数のせいなのか、あっという間に元に戻りました。裁判の結果は単にSECの説明不足を認めただけなので、ビットコインETFが認められたわけでは無いため、ビットコインETFが認められそうだというのは噂の領域を脱していません。なのでビットコインの価格も行ってこいで終わっている感じです。
トレーダーにとっては良い局面かもしれません。取引量が低調でネタとなる事象が頻発すればボラティリティは大きくなるので、利幅が取れます。トレンドは変わらず平行線というところですし。

やはり本丸は米国連邦議会ということになりそうです。今は複数の法案が入り乱れている状況のようで、他にも重要法案があり、必ずしも暗号資産に関する法律の審議が進むとも限りません。来年は大統領選挙があり、政治の季節に突入します。もしかしたら、今年は平行線のままで、来年大きく左右に振れる事も有り得ます。大統領選挙の行方も分かりませんし。

来年はビットコインの半減期があり、ビットコインには追い風で、一部の関係者では強気の予想がされているようですが、どうなりますか。過去はビットコインの未来を信じている人たちの間で取引されることが主だったので、半減期には上昇する傾向がありましたが、これから参入する可能性のある人たちはどちらかというとこれまでの既存金融の投資家がメインだと思われます。
そうなると、ビットコインの将来性というよりは一金融商品として見るため、必ずしもビットコインのナラティブに反応するかどうかは不透明なところがあります。

いずれにしてもSEC対暗号資産業界の戦いは一進一退です。次はどちらがどうでるかですね。

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