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#ニート

チープダウナー

暗い気分で
部屋に閉じ籠り
サイレント映画を
鑑賞するニート
新しい年が
訪れても彼は
何も変わらずに
同じ日々を繰り返す
吹けば飛ぶような
薄っぺらい嘘みたいに

逃れたい真実

雨に歌う子猫
夜を待つ不良
客を待つ娼婦
人を殺すニート
誰かに守られたいと
願っても叶わずに
皆等しく
奈落へ落ちて逝く

シャロン・アップル

メサブギーの轟音
翼の無い愚かな酉
瓶ビールを飲むヤンキー
LSDに飲まれるニート
暴れ回る無法者の死
哲学を学び続けてる
シャロンアップルが見た
この国の未来はもう
何処にも無かったんだ

ヨウラン

退屈な映画のエンドロールを
虚ろに眺めている引き籠り
揺籃の宇宙から抜け出せず
何時の間にか老いてしまった
借りた命を返す時が来て
しがみ付こうともがこうが
さらばえた躯に力は入らず
容赦無く引き剥がされる
誰もがニ度と帰れない
天使にさえ為れた日々には

破綻者は宴に集う

生きずらいと貴方は言うが
途中で放り投げ今まで歩んだ
そんな自分を棚に上げ
楽しい事だけを掴もうとする
手の中に残った何かが
一握の灰であろうとも
誰かを羨むのだろう
破綻した自分から目を逸らし

ペインター

毎日売れない絵を描いてると
人に話したら笑われたんだ
社会に適応出来ない者は
そうやって苦しむべきだと
僕には良く分からないけど
今日も売れない絵を描きながら
見えない未来を迎えに行くよ
其れしか出来ないのかと嘲られても

レクイエム

破れたジーンズを縫って
履き続けるニート
幾ら生地を当てても
他の場所から破けてしまう
感傷に浸る間も無く
外の世界に日が差して
姿を隠さなければいけない
人の視線は冷たくて
耐え切れやしないから

タイトロープ

稼げない引き籠りは
ハングマンズノットを
首に掛けられその日を待つ
陪審員を買収出来る程の
知恵と能力が有ったなら
少なくてもその未来は
もう少しまともだった筈さ
砂時計が落ちる度に締まる紐が
その曖昧な命を止めるまで
綱渡りの様な日々は続く
望もうが望まなかろうが

暗い夜の雨に

さんざめく夜に振り止んだ雨が
アスファルトをそっと照らす
突っ掛けでコンビニまで歩く
口元をシュマグで隠したヤンキー
何処で間違ったのかはきっと
最後まで分かりやしないのさ
答えだけを欲しがる俺達に
煙草が燦々と灰に還る位の
莫大な時間を与えてくれないか
そうすれば何時かはまともな
言葉を話せるかもしれない
その時が来たなら貴方にだけ
本当の事を打ち明けよう
笑わないで聞いておくれ
初めて会ったあ

もっとみる

眩きこの世界

朝の光が眩し過ぎて
気が狂うニート
何故僕は普通に
生きて逝けないのか
教えてよマザー
命ある事が罪ならば
僕はどんな罰を受けるの
自分が誰かすら分からず
彼は裁かれるだろう
黒装束を纏った賢者達に

フランチャイズ・ディスコ

踊ろうぜハニーあの頃の様に
赤いラメ入りの派手なスーツを
素肌に羽織ったなら此処からは
サタデーナイトフィーバーだ
失い続ける事しか出来なくても
まだステップは踏めるから
思い切り見せ付けてやるのさ
他人じゃない自分自身によ
フランチャイズ・ディスコの
ミラーボールが輝いたなら
俺と君だけの時が流れて
何もかもを止められるんだぜ

目隠しされて何も知らない

単眼のモニターを眺めてるニート
風に揺られたダリルのチョッパー
父と母が居ない家で神になっても
紙幣が尽きれば結末は一つだけさ
曖昧に生きた代償を払えと言うなら
目隠しされて何も知らないと答える
この世に生まれ名を付けられた時から
僕は救えない程に病んで居たんだね
手に入れた拳銃を頬に擦り寄せ
眠れない日々を数え飽きたなら
こめかみを撃ち抜いて少し休もう
揺れまどう朝の光に怯えないように

足元に絡まる蔦が

其れは何時の間にか
静かに根を伸ばし
直ぐに規模を広げた
詐欺師の宣伝の様に
窓の外から見える
景色から広がる蔦に
狂い怯えたニートは
地面にガソリンを撒き
マッチを擦り火を放つ
世界は炎に包まれて
七日間燃え続けた
足元に絡まる蔦や
光なき瞳が映す絶望と共に

だからお前は罪深い

欲しい物だけを
手にして笑う
あの頃から何も
変わって居ない
だからお前は罪深い
その醜い姿を晒し
何も出来ず崩れて逝け