徒然なるままに三浦春馬について書き留めるその7

2020年8月のこと

ただひとり
おもかげを追う
夏の夜に
これから先も
歳とらぬ君を

https://twitter.com/nhk_sekahoshi/status/1298991062938030081?s=21

文章を読めば、当時のことを思い出す。
思い出すことは忘れないこと。
忘れないことは追悼になる。

上記の想いで三浦春馬さん(以下、親しみを込めて春馬)について書いています。

お付き合いいただけたらうれしいです。

*事務所からのお知らせも出ていたので、忘れないうちに8月のことを書きました。プラスアクトの話は次にしますね

美容院にて

月が変わって8月になった。
例年どおり、仕事は普段よりも少し負担が減って少し気が楽になる時期だ。

しかし春馬がこの世にいないという喪失感が薄らぐことはなかった。依然として辛い気持ちは消えない。そういえば、あの日から2度ほど、夢に見てしまった。それほど喪失感がすごかった。完璧にダメなループといえばそれまでだけど。

8/1は美容院に行った。いつも通り、カットとカラーと。加えて今回は人生初のマツエクの日。初めてのことにテンションが上がる。

担当の美容師○○さんにはもう7年ほど髪を切ってもらっている。いつも何気ない話をするが、会話のテンポが心地よい人だ。いつもオシャレでカッコいい。
前の職場に勤務していた際に、対応が大変な人にぶち当たった。その際にも話をサクサク聞いてくれ、適切なアドバイスもしてくれた。昔はギャルだったことを彷彿とさせる会話はテンポもいい。加えてプライベートにはあまり立ち入ってこない。そんなサバサバしている性格も好きだ。

マツエクをしている最中に○○さんから春馬の話題が出た。
「亡くなって本当ショックでした」
「そうなんですよー!本当ショックで〜・・・」
おー、まさか○○さん、春馬気に入っていたとは。知らなかった。
こちらはコンフィデンスマンJPをアマプラで観て面白ったこと、キンキーブーツのチケットを頑張って取ればよかったこと、佐藤健と仲が良いなど・・・を話した。
思っていたよりも悲しんでいる人は多い。改めて私だけじゃないんだ、と励まされた。

マツエクをつけた感想は思っていたよりもはるかに楽だった。

舞台その1

注文していた海盗セブンが届いた。いつ観よう、わくわくするなぁ。この舞台がジャニーズ以外の初めての舞台だったなぁ。赤坂ACTシアターまで行って観劇、帰りに東京ラーメンを食べた。初日だった。その日に春馬のバク宙が観れてよかったなぁ。内容もみんなが楽しめて「楽しかった!」という思い出が今でも鮮明に残っている。せっかくだから、舞台が好きな友人と観たいなぁ。

8月はWOWOWで罪と罰が放送されるとのこと。他にも舞台や映画を放送するので加入しても損はない。転勤した上司がWOWOWをすごく推してたのを思い出した。これは入ってたら薦めたくなる。上司の気持ちが分かった気がする。

出張の休憩中、ある牧師先生が罪と罰を解説している動画を発見した。春馬が亡くなったことで「罪と罰」に注目されていたからかな。

春馬が役作りのために某教会に足を運んだこと、ヨハネ伝のラザロの復活の解説・・・。
動画はとてもわかりやすかった。
大川先生の教会に行ったのは聞いていたが、
なるほど、彼はラザロの話を聞いたのか。聖書の知識がないと余計難解だろうに勉強熱心だったんだ。聖書への理解が少しでも深まっていたらよかったのかなぁ・・・。自分も手紙を書けばよかったと後悔の念。

「罪と罰」オンエア。
ロシアの文豪ドストエフスキーの名作。

内容は難解だが、聖書を下敷きにしている原作を忠実に再現している雰囲気を感じた。余計ラストシーンの美しさが際立つ。

同時に「ああ、この人はもういないのか」と思った。

冒頭のセリフを耳にした時のこと。膨大な情報量にもかかわらずその滑舌の良さに驚く。私が見ていない数年の間に古典をやりきる俳優になっていた。

第一幕途中。ソーニャの妹に向かって「君は聖書は読んでる?!」「僕のために祈ってくれる?!」と言う。
殺人を犯した罪、それを許してほしいと願うラスコリニコフ、そしてそれを演じる春馬。2人が重なる。別人とは思えず、とても印象的なシーンだった。

彼も何か内にドロドロした思いがあってそれを抱えてしんどかったのではないか。そんなことまで考えてしまった。そんなこと本人しかわからないのに。

テレビ放送のため、休憩なしの第二幕はほぼ台詞劇だった。途中意識が飛んでしまったが、大体の筋は掴めた。本当にラストの画は美しかった。

春馬のために祈ればよかったのにその考えが浮かばなかった。悔やんでも悔みきれない。また悲しくなった。

太陽の子番宣

翌日は太陽の子の番宣。土曜スタジオパークで主演の柳楽優弥さんと有村架純さんが出演。終戦記念日に合わせたドラマで、本来なら共演の春馬も一緒に3人で出ていたはずだった。
前日に「罪と罰」を観ていたので胸が苦しい。あんまり真剣に見るとしんどくなるな、録画はしてあるし、と思いつつ、テレビを流しておく状態にした。最初は日常の話をしていて徐々にドラマの話で進んでいく。

ふと、聴いたことのある声が聞こえてきた。画面を見る。春馬がNHKホールでインタビューを受けていた。せかほしの収録だと思われる衣装を着ている。カラーのジャケットとシャツ似合ってるなぁ。髪型も9月からのドラマに合わせててめちゃくちゃ似合ってる。柳楽くんと有村架純ちゃんの印象を話している。

ドラマのインタビューを聴けてうれしい気持ちと、本当に3人で出演するはずだったのに、本当にもういないんだ、という気持ちになり、気がついたら涙が出ていた。

柳楽くんも目が潤んでいる、架純ちゃんも「自分の演技にもその日のうちにメールをくれた。背中を押してくれるひと言を、必ずかけてくださる方だった」と語っている。
MCの近藤春菜さんも目が潤んでいた。

なんで彼はもういないんだろう。そのことばかり頭がぐるぐるする。

舞台その2

友人に「罪と罰」の放送の話をしたら、共演の大島優子にも興味を示してた。お盆休みに一緒に観ることになった。誰かと一緒じゃないと気持ち的にしんどいと思った。「海盗セブン」と録画した「罪と罰」を持っていくことにした。

「海盗セブン」は約10年ぶりに観た。
一幕はひたすら笑って元気が出た。初めて観た時、いわゆるイケメンの声じゃなくてわざと変えてるような声だったので誰の声かわからなくて、登場シーンで驚いたのを思い出した。10年前に観たのと同様、キレッキレのダンスと歌、めちゃくちゃカッコいい。

二幕目は一転してシリアス、だけどコメディで終わる。やっぱり影のある青年が似合うなぁ。
友人がバク宙のシーンで「え!もう一回観よう!」とは巻き戻して二回観た。「だよね!カッコいいよね!!」と誇らしかった。私はこれを生で観たんだぞ、いいだろー。

誰かと一緒に春馬の良さを共有できてよかった。

お盆休み

 
サムライハイスクールも見直し、ごくせんthemovieで懐かしい気持ちになり、未見の「真夜中の5分前」を観た。すごく綺麗ないい映画だった。夜に1人で見るといいなぁ、と思った。この時期の春馬の映画はチェックしなくなっていたことを悔やんだ。丁寧な、上品な、作品だった。

太陽の子の本放送。
元々、戦争や原爆の話を聴くと感情移入しすぎてしまうので緊張しながら観た。

番宣で流れてた海のシーンで号泣した。そして特攻に行って戻ってこないとは。細部までの監督のこだわり。ラストは視聴者に投げかけるタイプのドラマだった。いい作品だった。ひたすら号泣した。これは役と本人がダブる・・・。観たあと、少ししんどかった。映画版もあるそうなので公開が楽しみだけど観れるメンタルかなぁ。


翌日、文春の記事で再び号泣。

https://bunshun.jp/articles/amp/39691?utm_source=twitter.com&utm_medium=social&utm_campaign=socialLink&__twitter_impression=true

いつもの印象は「文春砲」そのままだが、これはすごくいい追悼記事だった。キャスティング理由に共感し泣く。

「生きるエネルギー、全面にそれが伝播してくる人」

記事は続く。

「彼は必死に生きようとしていた。戦争中の若者たちがそうであったように、すぐそこに迫り引きずり込もうとする死の影を振り切るように明るく、希望を探そうとしていた。
広島の記者会見で三浦春馬は「今、僕たちはいろんなことで、人生を諦めたいと思う瞬間もある。けど、その空しく生きた一日が、当時あれほど生きたいと思っていた一日。一日は変わらないじゃないですか。そんなことを胸に、生きていきたい」と語っている。それは7月8日、彼の死の10日前に語られた、明らかに自死を戒め、生きる希望を探す言葉だ。
まるで追いすがる死よりも早く走ろうとするかのように、三浦春馬は希望に向かって走ろうとしていた。「優しい春馬さん、深呼吸してください」と有村架純はインスタグラムで追悼の言葉を送った。「柳楽くんは優しさが出て、(自死を止める演技のリハーサルで)僕を強く殴れなくて、子犬を撫でるみたいな芝居になっちゃった」と笑う生前の三浦春馬の映像がスタジオパークで流れると、柳楽優弥は「ごめんね」と呟いた。」

記者の言葉のチョイスがとても親身で丁寧で、共感できるものだった。記者さん、ありがとうございました、と心の中で思った。

お盆明け 

月命日。
休憩中にTwitterを見ると、せかほしの公式が空の写真アップしていた。文面を見ると春馬に宛てて投稿している。有難いな、と思った。もう1ヶ月かぁ。早い、早すぎる。

せかほし、サヘル・ローズさんゲストのペルシャの回。絨毯、ゴールドジュエリーなどさまざまなものが紹介される。相変わらず、本人は綺麗な顔立ちでシュッとした衣装を着ていた。
途中、サヘルさんがお母様からもらったイヤリングが紹介された。
サヘルさんとお母様、血は繋がっていないが
その絆の強さは度々耳にしている。彼女はそのイヤリングを大切にしている。
彼女が春馬に「(ご家族からもらったもので)何かそのようなものはありますか?」と質問した。

編集を挟んでいえ少し間があるように感じた。彼は「もう他界されたお付きの方と一緒に考えたサインを大切に使っていきたい」と話していた。

また涙が出た。言い方も優しいし、言葉も丁寧に選んでいて、なにより「お付きの方」と良い関係だったんだなぁと感じた。
報道で、彼の母親や義父、父親とのことが取り上げられた後の放送だったので、ドキドキしながら観て、実際、放送後にSNSでサヘルさんに噛み付いた人もいたが、自分はとてもいい質問だと思う。こんなことになるとは誰だってわからない。そのまま放送してくれたNHKに感謝した。

この日はなかなか寝付けずで、いつもより眠いままで仕事に行った。そして職場で仲の良い先輩とせかほしの話をしてウルッとなってしまった。

8/24  2作目のシングルNight Diver が届いた。MステでPVが流れてから、いろんなところで耳にしていたがまともには聴けていなかった。でも、ようやく、ちゃんと聴けた。

めちゃかっこいいやんこれ。リズムもキレッキレに刻んでいるし、高音も綺麗。カップリングも良曲。自分で作詞作曲したYou&Iは優しい曲調。いつの間にこんなに歌えてるんだー。

発売日は翌日。Twitterを見ると、参加したクリエイターさんの投稿もたくさんあった。中にはPVの絵コンテを投稿している方もいた。みんな、仕事に真摯に向き合ってきた彼を思っている。PVのメイキングからも人柄の良さと人望の厚さを感じる。

今の事務所に入る前にダンスチーム組んでボーカルを担当していたのは知っていた。映画や舞台の劇中でも歌っていたし、行ったことはないがアミューズのハンサムライブで歌っていることも知っていた。でもここまで歌えるようになっていたとは驚いた。ずっと追い続けてなかった自分を悔やんだ。とてもよかったので1作目のシングルもポチった。(このシングルも控えめに言って最高にカッコいい) 

春馬が生前に出ているせかほしは8/27放送分までだった。この日の番組は日本の台所用品を特集していた。編集もいつもと変わらず暖かみのある、優しい雰囲気。
春馬が使っている岩手県の漆の角碗が紹介された。「日本製」の取材で行った時に購入したものだそう。「経年美化」という単語を使っていた。使い続ければ続けるほど「美しくなる」という意味で使っている。

碗自体もすごくセンスのあるものでカッコいいし美しい。月並みだが、本人そのものみたいだった。ずっと使い続けてほしかったな。

この日の放送は笑顔で終わった。編集とナレーションもすごく暖かみのあるもので愛を感じた。本人も日頃から興味ある話題で普段よりも饒舌だった。

最後だけど、笑顔でよかった。

心からそう思い、この日は眠りについた。

悲しいけど、前を向いて、明日も頑張ろう。

そう思わせてくれる笑顔だった。


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8月はひたすら春馬の1ヶ月で、月が変わっても当分それは変わらないんだと思う。

偶像だ、と言われたらそう思われても仕方ないな、と思ったりする。

でも同時に、自ら命を絶ったことを、神様にとりなしているのも事実。そしてなんで祈らなかったんだと自分を責めているのも事実。

9月に入って、授業で話題に出せるようになったし話題に出してウルッとしている時もある。みんなの前で話す時の、あの辛い、あのぬめっとした感覚。
まだまだ、ふとした瞬間に辛くなるし、「死」を扱う文学を遠ざけてしまう。(例えば、よしもとばななさんの「キッチン」。好きなんですけどねー。まだ読めない。)

まだこの気持ち、当分続きそうです。


2020.11.12 加筆修正しました。

観劇して東京ラーメンを食べました。その前は赤坂の地下街みたいなところで待ってました。記憶って曖昧だからやっぱ書いて残さないといけませんね。しみじみ思います

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