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【貸付先(海外資金需要者)メッセージ】「ユーラシアオンライン金融事業者ファンド」シリーズ

直近、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が感染拡大することに伴い、世界経済全体への影響が懸念されています。投資家の皆様におかれましては、当社ファンドの貸付先(海外資金需要者)の現状等をご心配されている方も数多くいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、当社の主要ファンドの一つである、「ユーラシア金融事業者ファンド」シリーズの貸付先グループの組織再編に伴った後継ファンド「ユーラシアオンライン金融事業者ファンド」シリーズ(※)の貸付先となる、LIME ZAIM HOLDINGS LIMITED(LIME社)経営陣から届いたメッセージをご紹介いたします。

※ 「ユーラシアオンライン金融事業者ファンド」シリーズの販売開始につきましては、こちら(  https://crowdcredit.jp/info/detail/358 )もあわせてご参照ください。

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以下、LIME社経営陣より届いたメッセージ原文を、当社で翻訳してお届けいたします。

クラウドクレジットの投資家の皆様へ

はじめに、この数年の間、皆様からご協力、そしてご支援賜りましたこと、心より感謝申し上げます。皆様のご協力により、私たちLIME社は、ロシアのオルタナティブ・ファイナンス市場のけん引役として活躍してきただけでなく、南アフリカやメキシコにおいても事業基盤の強化を果たしてきました。

この度は、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延や、ロシアルーブルの為替レートの下落等、先行きの不安な情勢の中、皆様方に私たちの今後の事業発展計画をぜひお伝えする必要があると思っており、このようなメッセージをお送りしております。

本題に入る前に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延が、私たちの主たるマーケットであるロシアにおいて、どのような影響を与えているのかにつきまして説明いたします。既に皆様もご存知かもしれませんが、世界中の多くの国々は国境の封鎖に踏み切っており、企業に対しては労働時間の短縮を要請しております。さらに政府は、国民の自宅待機の実施や特定の経済セクターに対して、リモートワークへ移行するよう強い要請を出しています。当然のことながら、これらの政策は、ロシアの経済成長率の低下を引き起こしました。

このような現状を踏まえ、私たちがお伝えしたいと考えている4つの重要事項がございますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。

まず一点目ですが、私たちは長期にわたってロシア市場でビジネスを行っている成熟企業であり、2014~2015年の時期に、今回の情勢に類似した危機を乗り越えた経験を有しています。当時の主な懸念事項は、クリミア危機に呼応したロシアに対する経済制裁と、2014年半ばに100ドル/バレルであった原油価格が、2015年の終わりには50ドル/バレル以下まで下落してしまったことでした。

そこで、今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延に対応するべく、私たちが最初に行ったことは、2014~2015年の時期の綿密な顧客行動分析です。分析の結果、2014~2015年の経済の停滞は、私たちのビジネスに対して特別大きな悪影響を引き起こしたわけではないものの、一時的な顧客行動の変化をもたらしたことを確認しています。たとえば、一部のローン商品では平均ローン期間が19日間から26日間に延びたこと、平均借入金額が7%弱ではありますが増加したこと、ローン商品の販売から3ヵ月後の元本および利息回収率が2.2~2.4ポイント下落したことなどを確認しました。一方で、ローン商品の販売から1年後の元本および利息回収率の低下は見られなかったことも確認しています。このような経験に留意しながら、私たちは新たなローン案件の創出のみならず、ローンポートフォリオのより包括的なモニタリングをしていきます。現時点ではまだ、2014~2015年の時期に見られたような顧客行動の変化は見受けられておりません。

二点目は、ロシア政府が国家経済へ密に関わっているということです。経済的な混乱がとくにない通常時では、政府の過度な経済介入は国の経済成長の障害となってしまいますが、このような経済の危機において、政府の介入は経済的打撃に対する最も効果的な緩衝材となります。その背景には、ロシアにおいて公的機関や公営企業の従業員の数が、非常に多いという事情があります。結局のところ、経済の停滞している時期であっても、大半の国民の収入レベルは、ほぼ同じ水準に止まるであろうことが予想されるほか、国民は政府から追加の補助金も受け取ることになるでしょう。しかし、今後数ヵ月もしくはより長期にわたって、賃金上昇率を上回る消費者物価の上昇が起こり、(目に見えるような形でないにしろ、)人々の生活の質の低下を招くというようなシナリオが想定されますので、政府からの経済的なサポートが受けられないセクターの顧客につきましては、悪影響を受けてしまうかもしれません。他方、先ほど申し上げたクリミア危機の時とは異なり、昨今の状況に対応するため、ロシア政府は甚大な補助金を、民間部門に対しても与える傾向にあります。既に3ヵ月の税金控除が民間セクターに与えられるだろうという発表もされています。

三点目は、今年に入ってから現在まで、ロシアルーブルの為替レートが約24%下落したという点につきましてです。為替レート下落の主な理由は、ロシアがOPECプラス会合での合意を拒否し、原油価格が崩落したことです。ただし、業績および財務に関して申しますと、私たちの負債の70%がロシアルーブル建てであることを勘案しますと、影響は限定的と考えています。むしろ中期的な視点で見れば、クラウドクレジットの投資家の皆様にとって、この状況は私たちに投資いただく良い機会だと考えております。なぜなら、過去の経済危機の経験を振り返りますと、ロシアルーブルは経済危機で為替レートが下落しても、その後12か月程度で値を戻しているからです。ただし、値が戻ると言いましても、完全に元の水準通りになるということを意味しているわけではない点は、念頭に置いていただく必要があるでしょう。とはいえ、ロシアルーブルそのものの高い利率も相まって、日本の投資家の皆様には、より大きなリターンを享受いただける可能性があるのではないかと考えております。投資家の皆様の中には、為替変動リスクを負いたくないと考える方もいらっしゃると思いますので、私たちはそのようなご希望を満たすべく、新たな日本円建てファンドの設定につきましても、前向きに検討しております。このように申し上げる理由としましては、クラウドクレジットが私たちの大切なパートナーであり、クラウドクレジットの投資家の皆様が安心して投資いただけるということが私たちの最優先事項だからです。なお、日本円建てのファンドを設定する際には、私たちで為替変動リスクをヘッジすることを検討しています。

四点目は、私たちがLIMEプラットフォームを通じたオンラインでの業務を遂行しており、顧客と直接触れ合う必要がないということです。これは政府が厳格なロックダウンを実施した場合、ビジネスの継続性の観点でとてもおおきな当社の強みとなります。私たちは完全にオンラインで業務遂行可能なFinTech(フィンテック)企業であり、すべての業務プロセスを外部との直接のコンタクトなしに実施することができます。第三者契約や外部委託の過度な利用もありません。これまでも私たちは、資金回収プロセスの安定性と業務効率の高さを維持し続けてきました。

上記の通り、私たちのビジネスに対して大きな懸念がないということを申し上げてきましたが、一方で、7年間にわたって蓄積してきた知見と、2014~2015年の危機の綿密な分析の結果に基づいて、今回の情勢に関連する潜在的なリスクを査定し、そうしたリスクを軽減するための予防措置も取っています。私たちはまず予算を見直し、2020年の事業成長計画を修正しました。また、私たちが業務を行っているすべてのマーケットにおいて、予防的にローン商品販売の際の審査基準を厳格化するという対応も採っています。加えて、優れた現金流動性を誇り、返済能力という点で最も信頼度の高い顧客に対する短期融資を優先的に行っていきます。本来予定していた向こう6ヵ月間の新規投資につきましても、経済状況が安定するまで凍結すると決定いたしました。また、私たちはまもなく政府からの税金控除も承認を受ける見通しです。さらには、人々の経済に対する不安は、私たちの提供するサービスの需要の高まりにもつながっており、マーケティングに関わる費用も減少させました。上記に挙げた予防措置は、今後発生し得る被害を最小限に止めるための対策のほんの一例です。

現段階では、今回の混乱による経済の停滞がどれくらいの期間になり、どのくらい深刻になるのか正確に予測することは難しいものの、私たちは今回の影響がビジネスに及ぼす影響を最小限に抑えるための十分な対策ができているということを、自信を持ってお伝えいたします。私たちは2013年からサービスを開始しており、2014~2015年の時期の危機も経験しているため、これまでの経験や知見、そしてプロフェッショナリズムをフルに活用すれば、今回の危機もこれまでどうように打開できるはずです。前述した通り、私たちはまだ現時点ではローンポートフォリオの質の低下を確認しておらず、KPI(経営上の重要指標)も従来通りの水準で維持しております。もし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により悪影響が、私たちの既存の顧客に及んだとしても、そのような場合を想定し、無理のない債務再編成プログラムを提供する準備ができています。ただし、現段階では、債務再編成の要請は受けていないため、実際のプログラムの実施には至っておりません。また、私たちのリスク管理チームが注意深くローンポートフォリオのパフォーマンスをチェックし、ネガティブな動きがあれば、いつでも適切な対応ができる体制を採っております。

最後になりますが、私たちのファンドを購入いただいてきたすべてのクラウドクレジットの投資家の皆様へ、いま一度、感謝の気持ちをお伝えいたします。皆様は私たちにとってかけがえのない大切なお客様であり、とくにこのような先行きの予想が困難な時期に、皆様のご支援を賜れますこと、大変ありがたく思っております。私たちは皆様のご期待に応えるべく、高いリターンの実現に向けて全力で取り組んでまいります。

皆様の安全をお祈りいたします。

Alexey Nefedov
CEO
LIME社

◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。
クラウドクレジット株式会社
第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第2809号
一般社団法人 第二種金融商品取引業協会 加入

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