見出し画像

Plastic Tree Live Chronicle全部聴く(1)

去年出たライブ音源のCD17枚組という、わりととんでもないボリュームのボックスセットを買ったので1公演ずつ聴いて感想を付けていこうかと思う。

Disc 1-2 「青の運命線 最終公演:テント③」(2012年4月14日@日本武道館)

[DISC1]
〜Opening〜
痛い青
くちづけ
メルト
エとセとラ
讃美歌
静脈
37℃
蒼い鳥
ガーベラ
うわのそら
藍より青く

[DISC2]
デュエット
涙腺回路
メランコリック
春咲センチメンタル
アンドロメタモルフォーゼ
ヘイト・レッド、ディップ・イット
puppet talk
〜Instrumental〜
空中ブランコ

彼らにとって特別な『テント』の名を冠した武道館公演であり、アルバム『インク』の完全生産限定盤に特典として付属し、後にライブCD『「インク」実演版(2013年3月7日)』(これも今回収録されてるが)付きで単品販売されたものの音源。個人的にPlastic Tree(以下プラ)を聴き始めたタイミングがこの頃であり大変に懐かしい。1stアルバムの1曲目である「痛い青」から始まり、当時の最新シングル「くちづけ」や「静脈」といったところも演奏していて全体的にポップかつ彼らの魅力が伝わりやすいセットリストではないかと思う。

音源で改めて聴くとベースがボギボギ鳴ってるのがエグい。よくプラはシューゲイザーバンドだと言われることがあるが(個人的には反論したい部分がないわけでもないのだが)、シンプルにライブの出音がデカいのと、いわゆるヴィジュアル系に多いメタリックな音作りではなくギターロック的な歪みが特徴だからかと思う。「ヘイト・レッド、ディップ・イット」のようなプラにしてはメタリックな曲でさえやはりオルタナティブに感じるのもそうだろうし、本公演では10分を越える「アンドロメタモルフォーゼ」の盛り上がりなどがわかりやすい。

ラストは長いタメからの「空中ブランコ」。彼らにとって、『テント』という公演に於いて特別な楽曲なのだろうと思う。ササブチヒロシという強烈なキャラクターを持つドラマーによるフレーズを佐藤ケンケンはよく受け継いだと思う。

久しぶりに触れた演奏の余韻に浸りながらこれを書いているが、やはりプラの演奏はすばらしい。わかりやすくエキセントリックであるとか特別足回りが良いということではないのだが、ライブバンドとして(音源のみで聴いたとしても)そこに特別な場が感じられる。曲の良さとバンドとしての基礎体力が噛み合わなければこうはならないだろう。つくづくいいバンドだ。

投げ銭してくれると小躍りしてコンビニにコーヒーを飲みに行きます。