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深夜特急3 インド・ネパール 第8章 雨が私を眠らせる カトマンズからの手紙

気になったキーワード
モロッコのマラケシュ インドのゴア 親しさ 東北 長期滞在 長逗留 冷たい雨 未舗装 幻の共通語 満足感 ヒッピー くすんだレンガ色 力強い美しさの絨毯 チベット人のキャンプ 流浪の民 悲恋 貞操 落ち着いた心楽しい日々 鬱陶しい雨 億劫 面倒 旅人の身勝手さと卑しさ 饐えた臭いと無責任 深い虚無 自分の命にさえ無関心 アヘンのやりすぎで死んだフランス人 暗殺者アサシンの語源はハシシ 朦朧たる気分

旅の軌跡
香港→マカオ→香港→バンコク→チュンポーン→ソンクラー→ハジャイ→バターワース→ペナン→バターワース→クアラルンプール→マラッカ→ジョホールバル→シンガポール→カルカッタ→キウル→ガヤ→ブッダガヤ→パトナ→ラクソール→ビルガンジ→カトマンズ

エネルギッシュなインドからどこか懐かしい心穏やかなネパールにやってきた主人公。
ここカトマンズはモロッコのマラケシュ、インドのゴアに並んでヒッピー3大聖地?に挙げられる場所。

雨で未舗装な道に何度もぬかるみ困難なバス旅の末についたカトマンズがなぜ
ヒッピーの3大聖地の一つかというと
物価の安さとハシシの手に入りやすさと人疲れしない環境なのだろう。

物価も安く、平和で、人も優しいとなれば、長逗留してしまうのも無理はなかろう。
安価でヤクも手に入るとなれば欧米系のヒッピーには楽園である。

仏教と盆地の稲作を見て
日本人である主人公は懐かしい感じを覚える。
ネパール人の顔立ちも日本人と同じモンゴル系の人が多いので、尚更親近感もあった。
革命を嫌ってチベットから移動してきたチベット難民キャンプでは
力強い色合いの絨毯屋がいたが、インドとは違って、売りに来ない。

忙しないインドからのんびりとしたネパールに来た主人公は、
その時間のゆっくりした流れによる余裕からか、仏教哲学的な思考を巡らす。
旅人の身勝手さと卑しさ、自分自身への無責任、
ヤクをやりすぎて細い糸のような血を口から垂らして
死んでいく同じドミトリーにいた外国の若者。
考えを巡らす時間があればあるほど哲学的になってしまうカトマンズ。

冷たい雨は心さえも雨模様にしてしまうようだった。


私も20年くらい前にネパールに行ったが、
本当にのんびりとして平和で牧歌的で素敵なところだと思った。
記憶に残っているのはトンブクというドブロクのような酸っぱいお酒と
マリファナを混ぜ込んだバングラッシー(爆発ラッシー)という数十円の飲み物で
そのバングラッシーは抹茶のような色合いをしていたが、
アルコールを含んでもいないのに、目の前の視界がゆらゆら、
体の動きはふわふわしてきて、
これは危ないと思って、飲むのを途中でやめた。
このバングラッシー、そこらへんのガキたちも飲んでいたから始末が悪い。
2023年の現代、
少しは健全になっていれば切に思う。

深夜特急3  インド・ネパール 第9章 死の匂い インドⅡ に続く

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