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東京から長野県・小布施町にリモート越境!全力で教育課題に取り組む3ヶ月

「社会課題解決ワークショップ」は、国内外を舞台に現地の困りごとを深く理解し、その解決に向けた事業アイデアを創出するプログラムです。今回は長野県・小布施町とオンラインでつながり「社会起点で事業を生み出すマインドを持った次世代リーダー」育成を目的に実施しました。

プログラム概要

実施日時:2020年9月〜12月(3ヶ月)
参加者:(株)日立システムズより社員19名
現地団体:一般社団法人 小布施まちイノベーションHUB

ワークショップの流れ

参加者の関心に基づき「観光・行政・教育・農業」の4テーマでチームを編成。現地との中継による「現地セッション」から最終発表までの3ヶ月間、各チームは人口一万人の地方都市における未来を描き、その実現に向けた事業アイデアを練り上げました。今回は「教育」に取り組んだチームに密着します。

舞台・小布施町について

長野県・小布施町は美しい町並みで有名な観光地です。行政と市民が協力してまちづくりに取り組んできたことから「まちづくりの先進地」としても知られています。今回は地域の課題解決に取り組む一般社団法人 小布施まちイノベーションHUBさんご協力のもと実施しました。

現地セッション:2日にわたりオンラインで実施

1. まち歩きで現地を感じる
初日は小布施町を「体感」するため、映像でのまち歩きをしていきます。町の魅力だけではなく、コロナ禍で打撃を受ける観光名所や2019年の台風で被害を受けた地域など、さまざまな側面を感じていきました。

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2. リーダーと対話し、理解を深める
続いて小布施町で活動するリーダー3名から、それぞれの視点で見る町の課題と可能性を伺い、その後チームに分かれて各テーマに精通する方々と対話しました。

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(登壇者の1人・小布施町役場の大宮透さん)

教育チームは小学校より校長の松木さんと、地域おこし協力隊・遠山さんにお話を伺いました。お二人からICT化で生じた「困りごと」などを聞き、教育現場への理解を深めていきます。

3. 人口一万人の地方都市における未来を考える
対話で得た情報をもとに、以下の流れで「人口一万人の地方都市における未来」を考えていきました。

1:当事者の視点で考えるため「小布施町に住む小学生のAくん」というペルソナを設定し、彼を取り巻く人々を整理する
2:Aくんにとって理想の生活を描いていく
3:2で描いた生活が可能な「町の未来」を考える
4:3を実現するため、乗り越えるべき課題の仮説を立てる

最後に上記で考えたことを松木さんと遠山さんに発表し、Aくんのような子どもを取り巻く実際の環境など具体的な情報をいただきました。

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(成果を発表するメンバーたち)

チームは中間発表までの1ヶ月間、「町の未来」を膨らませていきます。加えて課題解決に向けた事業アイデアの構想も進めていきました。

中間発表:厳しいコメントでチームに変化が

各チームが描いてきた「町の未来」は、中間地点で現地の方々などにプレゼンします。教育チームが発表したのは「子どもたちが毎日ワクワク過ごせる社会」です。

しかし「『町の未来』に対するチームの想いが伝わらず、コンサルタントから提案を受けた気分」というフィードバックを受けます。

自分たちの想いが伝わらず悔しい経験をしたメンバーは、最終発表まで「どうしてワクワクが大切なのか」「なぜ自分たちがそんな社会をめざすのか」と深掘りを重ねていきます。同時に現地の教員の方々にアンケートを行う等して理解を深め、事業アイデアを磨いていきました。

最終発表:3ヶ月の成果をプレゼン

プログラムを締めくくる最終日、現地の方々と自社の社長をはじめとする出席者に成果を発表しました。教育チームが発表した町の未来は

"一人ひとりの子どもが前向きに主体性をもって学び、ワクワク過ごしている。そんな子どもたちを家族・学校・地域の人々が理解し、応援している町"

その実現のため家族・学校・地域のより強い連携が必要だとし、テクノロジーを駆使した子どもの居場所づくりを事業アイデアとして発表しました。

会場からは「中間発表よりも町の未来が具体的に描かれている」「事業アイデアに対するメンバーの想いが伝わった」などのコメントがありました。

一方で「小布施町で取り組むには、クリアすべき課題が他にもある」という声もあり、チームは社会課題起点で事業を生み出す難しさも体感した最終日となりました。

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(教育チームと小布施まちイノベーションHUBの日髙さん[写真下])

参加者の声

一連のワークショップを通じて、参加者からは以下のような声が届いています。

"これまで顧客の課題解決に向けたソリューションを提案していた。しかし社会価値を創出するためには、理想の未来を描き、その実現に向けた事業づくりが大切だと実感した"
"自分は巨大な社会の一員だと改めて実感した。今後も社会とのつながりを意識しながら、視野を広げて業務に取り組みたい"

ご協力いただいた小布施まちイノベーションHUB・日髙さんからも、

"小布施町はこれまでも町外の人材と協働してまちづくりに取り組んできたが、小布施を訪れずにオンラインで町の課題に取り組むことは前例がなく、正直不安もあった。しかし、参加者の方々は課題を自分事としてとらえ、具体的な提案をいただけた。オンラインで地域課題に取り組むことの可能性を感じている"

というお言葉をいただきました。

クロスフィールズは、これからもさまざまな地域を舞台にワークショップを展開し、社会課題を起点に事業を考えるビジネスパーソンの創出に取り組んでいきます。

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