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#35 長く使っているもの/くろさわかな

【往復書簡#35 のやりとり】
月曜日:及川恵子〈田中みな実になりたいとは思わないけれど〉
水曜日:泖〈服育てるのさ〉
金曜日:くろさわかな〈しあわせの形〉

しあわせの形

わたしの「長く使っているもの」は、「色鉛筆の寄せ集め」です。

基本は中学生くらいの頃にお小遣いで買った120色くらいの激安色鉛筆のセット。その中身がどかんと突っ込まれていて、さらに他のメーカーの12色とか24色の色鉛筆が混ざっています。

激安色鉛筆は固くて発色もあんまりよくないのですが、とにかく色がたくさん揃っているとテンションがあがります。結局使う色は偏ってきますが、じゃらじゃらとこうやってまとめておくのが好きだったんですよね。

そういえば小学生の頃から、ファンシーなマーカーを全色集めて筆箱をパンパンにして持っていっていました。金貨を革袋にジャラジャラと入れて、その重さとかみっちり加減でしあわせを感じるタイプなんだと思います。使っても使わなくても関係なし。

実際今、この色鉛筆使っているかと言われると、私自身は使っていないんですよね…。
まさか仕事の打ち合わせにこの色鉛筆を持っていくわけにもいきませんし、家でノートをまとめるとか、絵をかくとかいうこともなくなってしまいました。

私の代わりに、今は娘が使ってくれています。
だけど使っても使っても一向に減る気配がありません。むしろ本数的には増えている気がします。色鉛筆って何かの拍子にいただいたりすることもあるので、このケースの中身もうなぎのタレみたいに継ぎ足されているのかも。

最近娘が描いていた髪型図鑑。

この調子だと、わたしがこの世を去った後もこの色鉛筆は使いきれずに残っているでしょうね。
「これ、代々伝わる色鉛筆なんだぜー」って、後の継承者がしょうもない自慢をしてくれたら、ちょっと面白いな。


追伸。
桜が満開ですね。
日曜日は雨が降るそうなので、明日はお花見をしてこようと思います。

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