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災害復旧 × 建設職人

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災害復旧に携わる建設業やその関連産業、メディア、自治体、官公庁の方向け
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【災害復旧×建設職人】連載はじめます

【災害復旧×建設職人】連載はじめます

ConTech総研です。
2020年もよろしくお願いいたします。

ユニオンテックは昨年、千葉県からの委託を受けて「応急防水施工による家屋補修の支援事業」(以下、「千葉県ブルーシート事業」)に取り組みました。

9/9(月)早朝、県南を中心として千葉県全域を襲った台風15号。
多くの家屋で瓦が壊れ、吹き飛んでしまったなか、復旧の遅れがメディアでも取沙汰されました。

ユニオンテックは千葉県からの要

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なぜ、災害後の工事は遅れるのか? ~千葉県の事例から (9/21時点)

なぜ、災害後の工事は遅れるのか? ~千葉県の事例から (9/21時点)

前回に続き、「災害 × 建設会社」の第二回です。

前回記事:台風・水害に備えて建設会社が確認しておくこと

千葉:1年経っても申請の6割しか工事完了していない昨年9月に千葉県に大きな被害をもたらした台風15号・19号。住宅の一部損壊は7万棟に上りました。
千葉県では被害を受けた住宅の修理に関し、独自の公費補助をしていますが、1年が経過した今でも、修理が完了したのは申請件数の6割に留まっています。

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台風・水害に備えて建設会社が確認しておくこと ~会社が水没する前に(8/21時点)

台風・水害に備えて建設会社が確認しておくこと ~会社が水没する前に(8/21時点)

3月より新型コロナウイルス感染症とIT化に関する記事が続いていましたが、今回は「災害 × 建設会社」というテーマを選びました。

東北の震災の教訓自社エリアがどれくらい浸水するか知っていますか?
重機はどこに置いていますか?塩水に浸かれば使えません。
助かっても、初動は出来ますか?(中略)
燃料はどうしますか?被害エリア外の人と協定はありますか?

東日本大震災後の津波を経験した仙台の建設会社の社

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ポストコロナの災害後の住宅復旧(7/1時点)

ポストコロナの災害後の住宅復旧(7/1時点)

本ページにつきまして本ページは自治体防災担当の方向けに、弊社(ユニオンテック)が「ポストコロナの災害後の住宅復旧」をテーマに情報発信をさせていただくものです。弊社は、2019年の台風15・19号で被害を受けた住宅の初期復旧に関し、千葉県より事業を受託した実績がございます。

自治体の皆様に置かれましては、「新型コロナウイルス感染症の予防と台風を始めとする災害対策の両立」という難しい課題に取り組んで

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【第3回】台風15号・19号からの復旧工事はいつ完了するのか?

【第3回】台風15号・19号からの復旧工事はいつ完了するのか?

↓ 前回の記事はこちら ↓​

千葉県が復旧するまでに必要な職人数第1回では、1件の屋根工事に必要な職人数は最低1人日であるという推計を算出しました。

千葉県では現在、一部損壊家屋数が約7万件にのぼっています。これをすべて復旧するには7万人日以上の職人リソースが必要となります。
「1,000人の職人が70日間稼働する」と、台風15号・19号で一部損壊の被害を受けた家屋の復旧が完了するということで

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【第2回】ブルーシートは被災後何日までに展張される必要があるのか

【第2回】ブルーシートは被災後何日までに展張される必要があるのか

3月9日に台風15号(房総半島台風)上陸から半年を迎えますが、いまだに千葉県南部ではブルーシートの光景が広がっています。
本シリーズでは、台風からの被災家屋復旧における建設職人の意義と役割を考えます。

↓ 前回記事 ↓

復旧工事の現状今回の検討に入る前に、房総半島台風からの復旧工事の全体像をあらためて概観します。工事を大きく「ブルーシート展張」「本格補修工事」に分けると、おおよそ下記の構図とな

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【第1回】台風が発生したら、どのくらいの職人が必要になるのか

【第1回】台風が発生したら、どのくらいの職人が必要になるのか

本連載では、一部損壊家屋の復旧における初の官民連携事例として当社が取り組んだ「応急防水施工(ブルーシートの展張)による家屋補修の支援」事業の結果を分析します。

この分析を通じて、被災された方々が一刻も早く元の生活を取り戻すために何をすべきかを模索していきます。また、職人不足という社会課題を新たな切り口から見つめ直すことにも繋がればと考えています。

↓ 前回の記事はこちら ↓

前提①:研究対象

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