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業界リーダーに迫る

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専門工事会社、地場ゼネコン、地場ビルダー、地場不動産企業。 建設不動産業界で激動の時代を生き抜くリーダーの知恵と工夫を総力取材。 業界内外のリーダーに読んでいただきたい内容です。… もっと読む
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記事一覧

若返りを果たした讃州電気工事。住まいおたすけ隊で更なる発展

讃州電気工事(香川県高松市)の佐藤攻氏が、2021年6月に常務取締役に就任した。佐藤常務は、新卒から他社での電気工事や現場管理などを経て、讃州電気工事に入社。会社では10年ほど前から、父親であり社長を務める佐藤隆男氏が、団塊の世代が75歳以上になる「2025年問題」を見据え、積極的な若手の雇用・育成に着手していた。その期間、ベテラン社員の大量退職などの不協和音が鳴り響き、心身ともに自身が疲弊し尽くしたこともあった。しかし、佐藤常務は「現実から目を背けず、全てを糧に志を貫き通せ

上場から1年半のランドネット。盤石な体制で人生100年時代を邁進

投資用中古マンションの売買や賃貸管理を手掛けるランドネット(東京都豊島区)が、東京証券取引所スタンダード市場に上場してから、1年半が経過した。上場以降の変化を榮章博社長に聞くと、「優秀な人材が集まりやすくなり、金融機関との商談が以前よりスムーズに進められるようになった」と語る。創業時より上場は意識してきたが、最も苦境に陥った時期は、世間一般でいう「社員30人の壁」が目の前に立ちはだかった2009年。当時、在籍していた20人の営業マンのうち、10人が同時期に退職する事態が発生し

共栄建設がICT・DX駆使で難局を打開

静岡県で公共・民間工事を手掛ける共栄建設(静岡県浜松市)が、ICT・DXを積極的に取り入れていく方針を固めた。取締役総務部長の松井大樹氏(以下・大樹取締役)による影響が大きいようだ。大樹取締役は、大学院まで建築学を学び、同じ研究室である仲間の多くがスーパーゼネコンを就職先にする中、「他業種で得た知見を建設業に活かしてみせる」とIT企業での勤務を決意。父親である松井直人氏(以下・直人社長)が4代目の代表取締役を務める共栄建設で働くことを念頭に置き、6年ほどシステム運用やクラウド

尾鍋組がエコジオ工法で斬新な選択肢を提供

尾鍋組(三重県松阪市)が、全国にフランチャイズ展開する「エコジオ工法」の施工代理店数は61箇所、累計施工件数は約2万6千件である。エコジオ工法は、砕石(小さく砕いた自然石)だけを用いて施工し、地中に廃棄物を残さない地盤改良技術。セメントや鋼管と比べ、材料生産におけるCO2排出量が少なく、地中にセメントや杭を残さないため、「将来の撤去費用を考えると土地の価値を下げる可能性が低い」と好評だ。2022年5月には、これまでのエコジオ工法に関する研究開発・普及活動が評価され、三重大学・

アイベックがアルミ遮熱シート施工で活路を開拓

塗料や外装・防水材などの販売を手掛けるアイベック(東京都品川区)が、工場や倉庫の熱中症・暑さ対策として提供を開始した、アルミ遮熱シート施工が建設業界内で評判となっている。アイベック千葉営業所の倉庫内で、アルミ遮熱シート施工を実施した場合と、そうでない場合に分けて1年ほど倉庫内温度の計測をすると、両者には最大10℃の温度差が出ることが判明。関口豊社長は「他の手法でも、これほどの温度差は出せていなかったので、この結果は嬉しい驚きだった」と振り返る。最近では、結露や省エネ対策などに

大浦工測、「SCAN to BIM」需要を見越した活動を開始

大浦工測(東京都北区)が、今年5月に創業60周年を迎えた。大浦章社長は、建設省(現・国土交通省)の関東地方整備局に勤務後、30才の時に父親と叔父が創業した大浦工測に入社。その頃からGPS測量や3Dデジカメ計測サービスを開始したことで、会社に新たな選択肢を加え、2004年に35歳で代表取締役に就任した。現在は、首都圏を中心に建築・土木・プラント事業などの分野でDXも取り入れた工事測量を行っている。 建築部門では、都心の大型再開発による需要が多く見込まれており、既に5年単位での

100年企業に向け三輪塗装が事業承継に入る

「これまで本当に申し訳なかった。全力で改善していくので力を貸してほしい」。 三輪雄彦社長は、17年前に父親が創業した三輪塗装(岐阜県関市)の代表取締役に就任し、現在では売り上げを7倍以上に伸ばすことができた。近年会社の経営状態は安定していたが、なかなか従業員の定着しない状況を憂慮し、社内の不満を洗い出し始めると、一部の社員から「社長が単独で走り過ぎる」「自分の意見を聞いて貰えない」などの意見が続出。自社の問題点が社長自身の問題であり、社風に影響していた点に気付き、全員の前で謝

さんのう法務事務所が臨機応変な情報提供で業界をサポート

さんのう法務事務所(東京都大田区)の南秀明行政書士は、大学卒業後に新卒で熊谷組に入社。在職中に建設業経理事務士の資格を取得し、約5年で埼玉や茨城、新潟など合計7つの部署で、建設現場の職人と多くの時間を過ごし経験を積んだ。事務所開設からしばらくは、宅建や外国人在留関係など幅広い業務を手掛けていたが、2015年に顧客と継続的な関係を構築できる建設業を主軸にすることを決意。現在は、東京都行政書士会の大田区支部長を務めている。  昨今、建設業許可・経営事項審査申請に関する手続きの電

ON―SITE Xで先陣を切る。加和太建設がスタートアップと業界変革へ

加和太建設(静岡県三島市)が7月、地方の建設企業とスタートアップをつなぐDXコミュニティー「ON―SITE X(オンサイトエックス)」を開設した。全国の地方建設企業とスタートアップの双方に、オンラインでマッチングする機会を提供し、建設業の課題解決に向けたプロダクト開発などを支援している。ON―SITE Xの運用に当たり、河田亮一社長は社内にスタートアップ共創事業部を創設。事業統括責任者に近藤剛氏、コミュニティマネージャーに小松央美氏が就任した。 小松氏は、「元々、当社は『L

熊野古道プロジェクトで地方創生。日本ユニストが地域活性化を実現へ

「付加価値の高い不動産を提供し社会に貢献する」。 ホテル開発・各種不動産開発などを展開する日本ユニスト(大阪市西区)の揺るぎない経営理念だが、会社設立当初は「儲けのみを追及し過ぎて、2度の組織崩壊を含めた様々な失敗を経験してきた」と今村亙忠社長は振り返る。組織変革の必要性を意識したのは創業5年目の時。「どうすれば組織として継続的に利益を生み出すシステムを構築できるか」をテーマに、多くの経営者との情報交換を遂行。会社の更なる可能性を拡げるため、IT企業出身および組織のマネジメン

円熟期に入る石澤工業。若手とベテランの融合で更なる躍進へ

鉄筋工事業を手掛ける石澤工業(東京都江東区)では、タン・ヴィン・ツイ・ユェンさんとニニ・ウィンさんが正社員として働いている。ベトナム出身のユェンさんは配筋の図面作成を、ミャンマー出身のニニさんは現場で組まれた配筋の検査を担当。2人とも母国では土木や設計など建設関係の仕事・研究を行っていたこともあり、比較的早く業務に順応できていたが、仕事で1番苦慮した点を尋ねると「日本語だった」と声を揃える。「日常会話にはない専門用語も多いので、当初はいつも片手に辞書を持ちながら作業をしていた

創立60周年記念式典を開催した江戸川建設業協会。行政とのタッグ強化で国土を守る

江戸川建設業協会(東京都江戸川区)が10月7日、創立60周年記念式典を開いた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2年間の延期を経ての開催となっていたが、来賓の斉藤猛江戸川区長と福本光浩江戸川区議会議長、木村恭巳江戸川労働基準監督署長がそれぞれ祝辞を述べ、盛大な式典となった。献血や区民祭り、花火大会、子供みらい館と連携した大工の仕事体験など、2年間ストップしていた協会活動がようやく再開できる運びとなった。 今期で3期目の任期となる内海憲市会長(内海建設代表取締役)は、「時

解体現場の打開策に。鳶浩工業が「ケージシステム」の提供を加速化

鳶浩工業(埼玉県三郷市)が4月、日本セイフティー(東京都千代田区)と業務提携を結んだ。全国にある地場ゼネコンなどと強固な関係を築く日本セイフティーとタッグを組むことにより、鳶浩工業の開発した「Cage System(ケージシステム)」の更なる普及促進を手掛けていく。ケージシステムは、アルミトラスの骨組みを足場に取り付け、ネットで現場全体を覆うことで、解体工事中の飛散事故を防止する独自工法。トラス構造で足場の強度を保ち、盛り替え工事を短時間で行えるため、大幅な工期短縮を可能にす

群馬から業界改革を実施。ソウワ・ディライトが残された可能性に賭ける

「2代目の自分が皆と同じ仕事量では認められにくい。早急に実績を作らなければ」。 大学卒業後に東京にある商社での勤務を経て、渡邉仁基専務取締役は父親の創業したソウワ・ディライト(前橋市)に入社した。社内から「現場を知らない息子が入ってきた」と見定めらないよう、一心不乱で膨大な業務をこなし続けた。現場に電工職人として入職し、その後は設計、積算、総務と様々な部署を積極的に経験。建設業は資格社会という現実を早期に理解し、必要とされた全ての試験に挑戦し合格してきた。現在は、各部署の統括