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2021アルゼンチン代表について-2(選手1)

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1.アルゼンチンの選手(主力・ベテラン)

アルゼンチンの主力は怪我がない限り連戦します。それ故に体の強い選手が多いですが、疲弊とも隣り合わせというのが現状です。
その中で主力として代表50capsを超えている選手は強靭な体の持ち主と言えるでしょう。

●Julian Montoya(ジュリアン・モントーヤ) 代表主将 HO 代表55cap

2014-2015 Panpas XV
2015-2020 Jaguares
2021- Leicester Tigers

現在のアルゼンチン代表の主将でフッカーを務めています。27歳と表記されていますが、35歳くらいの貫録を感じさせます。
2014年から南アフリカの国内リーグ2部で戦っていたハグアレスの若手チームに加入し、同年から代表デビューも果たします。年齢でいうと21歳ですね。

仕事人と言われることが多いようですが、その一方突破力も意外と持ち合わせているので危険です。


●Pablo Matera(パブロ・マテーラ) FL/No8 代表62caps

2012-2013 Panpas XV
2013-2015 Leicester Tigers
2016-2019 Jaguares
2019-2021 Stades Francais
2022- Crusaders
2020年、アルゼンチンが初めてオールブラックスに勝利した時の代表主将でした。その後、マラドーナへの追悼絡みと過去の差別的発言記事が掘り起こされたことにより代表主将を降りる形になりました。
基本的には6番を着けることが多く、体を張ってチームを引っ張るようなタイプの選手です。(リーチマイケルとプレイヤーとしてのタイプは似ていると思います)

2022年からはNZのクルセイダーズでプレーすることが決まっているので元々あるパワーにスピードが加わって非常に強力な選手として立ちはだかると思います。個人的にリーグワンに来てほしい選手です。


●Nicolás Sánchez(ニコラス・サンチェス) SO 代表90caps

2010–2011 Pampas XV
2011–2014 Bordeaux
2014–2015 Toulon
2016-2018 Jaguares
2018– Stade Francais
アルゼンチン代表の中で最多得点の記録を持つ選手です。SOとして50m級のロングキックもできる選手としてあらゆる場所からのPGで得点を積み重ね、アルゼンチンを長く支えました。いざという時は自らトライを取りに行ける突破力も持っています。

年齢的に日本代表の田村と同じで32歳とベテランの領域に入っているので、後継者問題が少しずつ叫ばれてきています。
後述しますが、ドミンゴ・ミオッティが挙がっていますが今年はサンティアゴ・カレラスがSOをやるシーンも出てきています。


●Tomás Cubelli(トマス・クベッリ) SH 代表72caps

2011-2015 Pampas XV
2016–2017 Brumbies
2018–2020 Jaguares
2021 Western Force
2021- Biarritz
ニコラス・サンチェスと同じくらいの世代で彼も長年先発としてのSHを担ってきました。彼の長所は球出しの速さとサンチェス同様いざという時には自らトライを取りに行ける能力だと思います。

2016-2021年は南半球のチームに所属していましたがフランスのチームと契約し、新たに北半球を主戦場とすることになりました。2021年はフォースと契約し、フォースの3位にかなり貢献しました。
ニコラス・サンチェス同様、同じポジションで若手の台頭が待たれますが、SOと比較してSHに関してはいい選手が出てきている印象です。


●Jerónimo de la Fuente(ジェロニモ・デラフエンテ) CTB 代表50caps

2013–2015 Pampas XV
2016−2020 Jaguares
2020− USA Perpignan
アルゼンチン代表の12,13番に名を連ねることが多い選手です。
ニコラス・サンチェスが不在となった2021年のTRCではフルバックを守ることが多かったですが、本職はCTBです。

2020年までアルゼンチンのチーム、ハグアレスにいましたがチームの撤退によりフランスのUSAペルピニャンに移籍しました。加入した2020年シーズンはProD2でしたが、1位になった事により、2021-2022シーズンではTOP14に昇格しました。USAペルピニャンには他にデルグイやフランスのFBジャミネール(※2021のオーストラリア代表戦でTOP14未経験で代表出場を果たした初めての選手)らがいます。


2.Pampas XVとは?+α

アルゼンチンの主力かつ代表歴の長い選手はほとんどが「Pampas XV」を経由していることが分かりました。
この「Pampas XV」は2011-2014年の間、南アフリカのVodacom Cupに参戦していたチームでいわゆるアルゼンチン代表の3軍に近い形でした。登竜門的な存在ですね。
南アフリカラグビー協会の大会再編により解散し、ハグアレスに引き継がれ2016年から2020年にわたってスーパーラグビーに参戦する形になりました。

ハグアレスXVがPampas XVに近い形で2019年まで南アフリカのカリーカップのFirst Division(=ディビジョン2に相当)に参戦し、その年は優勝を遂げています。2020年以降は南アフリカのプロリーグ(SLAR)に主戦場を移しています。ここで若手の育成の場とし、優秀な選手が北半球のプロチームと高収入の契約を得て出ていくようなシステムになっています。


この考え方は日本代表の若手育成でも応用が利くのではと思います。例えばサンウルブズとして、直近予選免除の影響で参加しなくなっているアジアカップに参戦して日本の若手選手に国際試合の機会を与えるという事もできるのではないでしょうか。

あるいは香港のラグビーリーグに参加して若手選手に上背の高い北半球の選手と競い合う機会を増やすという方法も有効かもしれません。リーグワンの試合強度を上げることも重要ですが、日本国外で試合をする経験を積ませる意味でも試してみる価値はあると思います。


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