ポップな作風で、個性的なマンガイラストレーターとして人気。スージー甘金氏。
僕が、まだグラフィックデザイナーのころ、20代のはじめ、とても注目をしていた人気のイラストレーターの方がいた。
スージー甘金さん。
いまだに現役バリバリの元祖マンガイラストレーターとして、大活躍している。
憧れのスージー甘金さんに、銀座のカフェでお会いした。
イラストの原画まで持ってきてくださったスージーさんは、穏やかな表情で語ってくれた。
「僕は、大学のグラフィックデザイン科だったんですけど、当時、ちょっとしたイラストブームがあって、でも僕は絵がヘタだったんですね。スーパーリアリズムが主流だったので。だからイラストレーターの仕事は、あんまり考えていなかったのです。そのあとヘタウマイラストブームがやってきて、それがきっかけなんです。ヘタウマイラストなら、描けるなと思ったのです。」
ヘタウマイラストと言えば、湯村輝彦氏が第一人者。
そのころの湯村輝彦さん作画、糸井重里さん原作の「情熱のペンギンごはん」というサブカルの人気・単行本に、スージーさんはたいへん影響を受けたと言う。
「僕のイラストは、ヘタウマでも、マンガが基本なんですね。ルーツは、藤子不二雄さん、赤塚不二夫さんの画風なのです。シンプルな線が好きで、子どものころ観ていたマンガティストを大切にしています。一時期、レトロ調とも言われました。」
スージーさんのイラストの作風には、かわいい一面もあり、観た人のこころを癒やし、そしてこころをワクワク楽しくさせる。
「これからやってみたい仕事は、アニメーションですね。個人的レベルでできる範囲で、シンプルなアニメーションを創って、テレビで放送されたらおもしろそうですね。」
スージー甘金さんの夢は、イラストからアニメーションへと大空を舞う翼のように大きく広がっていく。
イラストにこだわらず、冒険心をいつまでも持ち続けるスージー甘金さんの視線の先は、イラストレーションを越えたクリエイティブの世界へと向けられていた。
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