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やさしい消費循環

2020年4月より
武蔵野美術大学 大学院 造形構想研究科 造形構想専攻クリエイティブリーダシップコースに通っています。私の学科では「クリエイティブリーダーシップ持論」という授業があり、毎週クリエイティブとビジネスを活用して実際に活躍されているゲスト講師をお招きし、お話を伺います。
あくまで講義のレポートではありますが、デザイン思考などを学び、実践している方々との繋がりや、情報の共有が少しでもできれば嬉しいなと思います。

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第12回【講義日】2021年9月27日(月)

株式会社fogの大山貴子さんのお話を伺いました。

みんなが幸せな消費


循環型社会の実現に向けた変革コンサルティングを行う、fogというデザインファームを主宰されている大山さん。大山さんは、仙台からボストンに留学し、サフォーク大にてエルサルバドルでのゲリラ農村留学やウガンダの人道支援や平和構築に従事されています。ニューヨーク滞在中にPark Slope Food CoopやCommunity Gardenと出会います。留学したダラスで人種差別を受けた衝撃から、東北大の社会学研究室に入り浸るところから大山さんは「幸せな社会をつくるには、どうしたら良いか」を探究しています。その後東京に戻り、広告代理店で勤務しますが、激務で鬱になり、ヴィーガンカフェ運営を始めて実践したコミュニティづくりを始めたそう。そんな経歴が、大山さんの今を作っています。さらに、カフェ運営で生まれた疑問「フードロス」。大山さんは余り物を再「分け合う」というところで止まらず、
もっと根本的な解決の糸口が必要であると考えていたところで「サーキュラーエコノミー(循環経済)」を考え、活動されていき、その循環経済にもっと取り組んでいかなくてはいけないのではないか?という思いから株式会社fogを設立されます。


溶け込む よくなる

fogは「循環をベースにする、心地いい未来づくり。」の実現のために日々活動をされています。そもそも余るものを使うと言うことは、過剰に作りすぎ・買いすぎと言う証拠。余るものさえも産まないサプライチェーンを構築することをサーキュラーエコノミーと呼ばれますが、それこそが重要であると述べ、活動を広げられています。その実現にはステークホルダー分析やパーパスの特定など様々な変革が必要であり、人の目線を合わせて、生活に溶け込む変革こそ必要であることの重要性を大山さんは述べられています。
そんな中、企業に対してサーキュラリティの意識向上、理解向上のためのコンサルティングを行うと同時に、自らも実践しながらLiving Labとして運営するelab(エラボ)を設立し、サーキュラーエコノミー浸透のために活動をされています。
大山さんは、多角的に対象を見る・境界線を曖昧にする・脱サステナブル・巻き込むために甘える・依存する など非常に面白い視点からのポイントでした。私自身、余った残糸を活用し、作品を作っていますが、非常にためになるお話でした。余り物があるうちは、サーキュラーエコノミーを進めていく側、私のような活動と並走し、ゆくゆくは余り物ビジネスが最小になることが理想であると改めて実感しました。社会の未来に対して、審美眼を持ち、実直に向き合う大山さんの姿勢は非常に美しいです。

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