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#思い出の夜

「#書いてつながろう」

外出自粛でなかなか外に出られず、たくさんの暗い情報で頭がいっぱいいっぱい。

こんな状況だけど、みんなで「書く」ことでつながったり、楽しい習慣になったらいいな。

そんな企画に賛同したメンバーで、毎週テーマに沿って投稿しています。
参加したい方がいましたらコメント欄にてご連絡ください。

今週のテーマは「#思い出の夜」です。

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思い出を思い出すことが大変だな。


夜の時間を家族以外の人と過ごすようになってから、11年。
社会人になってからだ。
だからいまは社会人11年目。
学生時代は、遊んでいても部活があっても基本的に19時には家に帰っていた。
夜遊びなんてしたことなかった。

20歳、飲みに行くのは月に1度と決めていた。
狙い所は平日の火水木。
だって週末は混んでて、大将が相手してくれないから。

「おぉ
 あき、おかえり!」

頭の薄い大将がにっこにこして迎えてくれる。
お通しは大体3品、一つは大盛り。
途中から増えていくのは板長がどんどんわたしに出してくれるから。
もちろんこれは、あきちゃん特典。

カウンターのど真ん中に座って
最近の出来事を話し、今日の仕入れを確認し、ゆっくりと料理に向き合う。
あつあつの 真だちの揚出しをゆっくり、はふはふさせながらいただく。

今日もうまい。
そして、酒を注いで。
ああ今日も幸せだ。

一人のこの時間がたまらなく好きだ。


「ねぇ、今日何飲んだらいい?芋、お湯ね」と小生意気に大将に言う。


そんなこと言ってたら、
カウンターのおっさんたちも
「若い女性が?」
と常連も新規も、気になってしゃあない。
ほら、すぐ仲良くなる。


沖縄のおじぃから学んだのよ。
酒は縦のつながりじゃない、横のつながりだって。
カウンター越しの人と酒を飲むんじゃなく、
カウンターで並んだひとと酌み交わすから美味しい酒になるんだ。


いつもの小料理屋は気を張ってるお客を和ませるのがわたしの目だったのかもしれない。
大将、そしてお客さん、そしてわたし。
そしてわたしは旭川の外の世界を、お客さんたちから聞いて世界を広げていた。
旅に出る話し、出張の話し、地方の話し。
いつか“この街の外に出たい”って、いつもここで夢見ていたの。


でも、よく考えたらわたし、ひとり酒じゃなく、
誰かに逢いたかった。
今日も大将に

「おぉ!
 あき!おかえり!」

あの声が聞きたくて、逢いたくて行くんだな。

わたしのカウンターひとり酒は、20歳。
ここからはじまった。



ふくろう亭
旭川市5条通7丁目 5.7小路ふらり〜と内
https://www.fukurou-tei.com
営業時間 18:00〜0:00
定休日 日曜日
☆カニクリームコロッケは絶対食べるべし。



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