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『女性は面接でニコニコ笑っていれば採用がもらえる』 一日でもそんな妄想が社会から消え去ることを願う #就活

そろそろ日本では本格的な就活シーズンに近づいてきているので、私が学生時代に経験した就活の話を。

思い返せば、私は就活中に人生で初めて面と向かって『女性だから』という理由で差別的な言動に晒された。見知らぬ男子学生に。
そしてそれは異なる場所で、異なる背景で、2人の男子学生から受けた。

・・・

某大手製薬企業の一日インターンでのことだった。
同じグループで一緒に課題に取り組んだ学生の一人に、自分は経営コンサルを目指しているという男子学生がいた。

皆一生懸命グループワークに取り組んでいて、最終発表まで終えた後、グループ内で一人一人フィードバックの会があった。

「まず、可愛い。」

その男子学生の口から一番最初に出た私に対するフィードバックは容姿についてだった。
とてもショックだった。

私はグループワークでは割と意見も出して周りをまとめるタイプだし、その時も一生懸命取り組んでチームに貢献したという自負があった。
でも彼は私の中身より容姿を先に評価したのだ。
そもそも誰も頼んでなどいないのに、彼に私の容姿について品定めされたことに居心地の悪さを感じた。

全て終わった後、チームでオフィスの外まで出て、みんなで解散した。
偶然にも、その男子学生は私と同じ路線の電車だった。
本当は二人で一緒に帰るなんてとても嫌だったのたけれど、不自然に断るわけにもいかず、途中まで我慢するしかないと同じ電車に乗った。

「どういうとこ目指してるの?」

と聞かれて、私は職種よりも、働いている人を大切にしていて、グローバルなマインドセットを持っている点を重視して企業を見ていると答えた。

「ふーん、でも女の子だからさ、面接ではいはいって適当に言ってニコニコしてたらどこでも入れるよ。」

怒りで彼を罵倒しそうになった。

はっきりと『女の子だから』と面と向かって差別的なことを言われたのは初めてだった。しかも私のことをよく知らない男子学生に。
こんなにも失礼なことを、私が女性だからという理由で彼は簡単に口に出して言えてしまうのだ。

そんなマインドセットで今後女性活躍・ダイバーシティが必須となってくる企業の経営コンサルなんてやっていけるのかと思った。
結果的に彼はどこに就職したのか知らないが、皮肉にも私はその彼が難関だけど目指すと言っていた経営コンサルの職に就いたわけだけど。

・・・

その経営コンサルの最終面接の控え室でまた別の男子学生と女子学生と一緒になった。

三人で談笑している時、その男子学生に、

「女性は良いですよね、笑ってればなんとかなりますもん。」

と言われて、耳を疑った。

経営コンサルの最終面接まで来た女子2人に、面と向かってそんなことを言える彼の愚かさを感じた。

・・・

『女性だから、女の子だから、笑っていれば採用をもらえる。』

正気で言ってるのかと疑った。

新卒採用で女性が総合職に付けるのは約30%、採用プロセスの中でセクハラやパワハラを受けながら、やっとのことで就職して、なお女性ということで搾取される。面接で笑っている場合ではない。

そもそも選考の末通った人気の一日インターンも、グループディスカッションやケース面接を突破して辿り着いた経営コンサルの最終面接も、結果的に内定をもらえたのも、私が努力し私自身が評価されたからであり、決して『女性だったから』『ニコニコしていたから』ではない。

そんなこともわからない、自分たちで勝手に作り上げた『女性はイージーモード』という妄想を同世代の男子学生が持っているということに非常に驚いたし、衝撃だった。

そんなものはくそくらえだ。
一日でも早くそのような妄想が消え去ることを願うのみである。


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この記事は、インスタグラムで投稿した内容を再掲したものです。
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