ワイヤードゲーム脳ゴー・トゥ・ヘル!オンライン
昔、事故で半身不随になりかけた俺は、当時実用化され始めた神経インプラントを受け入れた。当時のインプラントは有線で外部機器に接続可能であり、退院後俺はPCに繋いでゲームに興じた。
神経直結は究極のロスレスだ。テクではトップに敵わんが、反応速度だけで結構ゴリ押し出来て爽快だった。今じゃ規格と法の整備が進んで余計な機能はつけられなくなり、俺の速さに勝てる奴は今後現れまいって点でも優越感を得られた。
そんな俺は今、謎のゲームに閉じ込められている。
『皆さん初めまして。私は皆さんに死んでほしい』
何でかはよく思い出せない。気が付いたら森の中にいて拳銃を持っていた。リアリティ過剰だがどうもインプラント前提のVRらしい。頭おかしいのか。
『皆さんはおかしい! ゲーミングインプラントなんて間違っている! ゲームの為に頭を弄るなんて! だから死んでほしい!』
「なぁヤバくね? つかゲーミングインプラントってなんだよ、そんなのあったら引くよな」
俺は傍の女子に話しかけた。彼女はリコ。ついさっき出会い、お互い状況がわからん中何かあれば協力し合おうと話し合ったばかりの仲だ。
「ア?」
え?
『でも皆さんもただ死ぬだけなのは嫌ですよね』
何かヤバい気配が漂ってきた。俺は咄嗟に動いた。BLAM!
『だから殺し合ってください』
間一髪! 俺は繁みに逃れ助かった。BLAM!BLAM!BLAM! 続く銃撃。撃ってるのは当然ながらリコだ。
『死んだ方は脳を焼かれて死にます。最後に残った一人だけ助かります。でも出来れば全員死んでください。以上です』
「オイ今の聞いてたか! 死んだら死ぬってよ!」
「何、ビビってんの? 死のうがゲームはゲームでしょ!」BLAM!BLAM!BLAM!
コイツイカレてんのか? ああゲーミングインプラントって奴か、ならイカレてんのか。俺のは医療用なのでイカレじゃない。つまり殺される謂れも無い。
「死んでたまるかテメェが死ね!」BLAM!
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