
SORACOM LTE-Buttonとkitnoneとを「メール」で連携
最近kintoneとIoTの可能性について考えています。
kintoneはデータを蓄積して分析したり、データをトリガーに業務プロセスを回したりといったシーンで活用できますので、そのインプットとなるモノと連携すれば、よりシームレスに現実世界とリンクすることができるためです。
シンプルなIoTデバイス
IoTと一口に言っても、様々なセンサーや機能を持つデバイスがあります。
今回はその中でももっともシンプルなボタンのみを備えたIoTデバイスを実験台にして、kintoneとIoTの関係を体験したいと思います。

こちらのデバイスは見ての通りボタンが一つついているだけの小さな箱なのですが、内部には携帯電話でも使われる「SIMカード」が入っています。このデバイス単体で、携帯電波が届く場所ならどこでもボタンを押した結果をクラウドに送ってくれる中々すぐれもののツールなのです。(携帯回線を使うのでWIFIの必要もありません!)
3パターンのクリック
さらに、ボタンも「シングル」「ダブル」「長押し」の3パターンを認識して、簡易的な位置情報もクラウドへ送ることができます。この情報が送られた先でどのように料理できるかはまさにアイデア次第なのです。
アイデア次第の使い方
たとえば、湖に飛来する渡り鳥の数を毎朝数えたい場合、シングルなら「白鳥」ダブルなら「鴨」長押しなら「鶴」などのルールを作成すれば、カウントした位置と鳥の種類や数がカウントできてしまいます。
また、自宅玄関のドアにこのデバイスを貼って出かける時に押すようにすれば、シングルなら気分が🌞、ダブルなら🌥、長押しなら☔といったようにその日の精神状態を記録、長期的なメンタルの状況をモニタリングすることもできますね。

「メール」を使ってkitnoneと連携
今回は、ボタンから送信されたデータを「メール送信」するSORACOMの標準機能を使って、kintoneにボタン情報を連携させてみます。
SORACOMからkintone登録までの流れは以下のようになります。
SORACOMボタンをクリック
クリックと位置情報をSORACOMからメール送信
送信メールをDataSyncer for kintone(データシンカー)が受信、本文を解析してkintoneへ自動登録
設定手順
SORACOMのメール送信設定
それではさっそくやってみましょう。
まず最初に、SORACOMの管理画面から「ガジェット管理」ー「LTE-M Button for Enterprise」を選択します。

メール送信の項目を「有効」にして送信先のアドレスを追加します。
送信アドレスはデータシンカーのアドレスを設定します。

本文情報には「ボタンの識別子」「クリック種別」「電池残量」「位置情報(経度・緯度)」を記載することができます。
ここまでで、SORACOMのボタン情報をメール送信できるようになりました。
kitnoneアプリの用意
つぎにデータシンカー側で受信したメールをkintoneアプリに登録する設定を行います。まずは、データを登録するアプリを作成します。

それぞれ、SORACOMから送信される情報のフィールドを作成しました。これでボタンが押された際の「クリック種別」「位置情報」をkintoneに登録する場所を作成できました。
メール解析設定
データシンカー側で、SORACOMから送信されたメール本文を解析して、それぞれの項目をkintoneのフィールドに登録する設定を行います。
メール本文内の「キーワード」を次のように指定することで、フィールドにデータ項目を抽出して登録することができます。

ここまでで設定が完了です。この後はボタンを押すだけでkintoneに情報が蓄積されていきます。

まとめ
いかがでしたでしょうか?
メールを使うことでプログラムレスでボタンとkintoneとを連携することができました。
次回は、実際にこのIot-kintone環境を使って「どのような業務やシーンで活用するか」を考えていきたいと思います。(ここがある意味一番大変だったりしますね!)
皆さんもこれは!というアイデアがあればぜひ教えてください。
追伸
このあと、以下のような素敵なサービスを発見しました。工場ラインが止まる要因をボタンで報告する仕組みです。
これならタブレットなどとは異なり、手袋をしても多少油などで汚れても現場作業を邪魔せずにデータを登録できますね!まさにButtonにピッタリな活用事例です。
SORACOM IoT Buttonの活用例。
— Craftex公式 | オンプレとキントーンを繋ぎます (@craftex_inside) September 6, 2023
製造ライン現場ではタブレットより「ボタンを押すだけ」の機能がよかった。
たしかに製造ラインのモニタリングに最適な仕組みですね。Buttonとkintone連携は既にあるので、製造業のkintoneユーザーにも提案できそうなモデル。https://t.co/o3BLiHRtSN#IXacs
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