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【#284】time goes on

時は流れない

 「時は流れない。それは積み重なる」。その昔、ウイスキーのCMで流れていた(!)コピーです。調べてみると1992年のCMなので、ちょうど大学に入学した若かりし頃ですね。「本当にそうだなあ」というよりも、「そうありたいなあ」と思ったのを覚えています。

 ショーン・コネリーが渋く味わうウイスキーに興味はありませんが、時を積み重ねて作られるその行程、熟成されてこその味わい深さに惹かれるものがあります。ウイスキーのCMには、ビールなどのCMとは異なる趣きがありますね。まるで、ウイスキーとは人生を味わうもの、とでも言っているかのようです。

暇と退屈

 先日、妻の買い物に付き合いました。お義母さんがデイサービスから帰ってくるまでの少しの時間、妻は目当てのものを探し求めていました。私は本屋へ行き、ずらーっと並んでいる本の装丁や背表紙を見ることを楽しんでいました。

▲ スパーに入っている本屋(2024年8月6日)

 「新潮文庫の100冊 2024」に、今年もちゃんと『塩狩峠』が入っていることを確認してうなずきつつ、「へー、こんな本も入るんだ。ふーん」と思ったりもしていました。その中で、不覚にも(!)書名とコピーに惹かれてしまったのが、國分功一郎『暇と退屈の倫理学』でした。

 「2023年 東大・京大で1番読まれた本」と書かれると、「どれどれ」と手にしている自分を少し恥ずかしいと思いつつ、出版社の戦略に乗せられています。また書名にある「暇」や「退屈」を持て余しているわけではありません。「暇と退屈は違うよねー」と思いながらまえがきとあとがきを読み、なぜこういう本がベストセラーになるのかも知りたいと思い、また著者が私と同世代ということもあり、購入しました。

 就寝前の読書として1/4ほど読み進め、最初はトフラーの『第三の波』を読んでいるような懐かしさがありました。「なるほどねー」「いや、そうかなあ」と書籍と対話しながら、緒論で出した疑問を結論でどうまとめているのかを楽しみにしています。おそらくですが、私の積読書の中から妻が読了したミヒャエル・エンデの『モモ』に手を伸ばす呼び水になりそうな予感がしています。

準備

 時は積み重なるということにうなずきつつ、本当に読みたい本を積読にし、流されているかのように、やるべきことに追われながらの日々です。それでも私にとって大きな役割が与えられている8月の様々な行事について、祈りつつ、心を込めて準備を重ねていきたいと思っています。

今日も主の恵みと慈しみが、追いかけてくる1日でありますように。

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