
【受講者インタビュー:CQナレッジ講座 基礎コース・CQファシリテーション講座 基礎コース】CQを学ぶことでさまざまな「普通」を知り、異なる価値観へのストレスを緩和
一般社団法人CQラボは2021年3月の設立以来、組織ならびに個人向けのワークショップ、コーチング、コンサルティングなどを通じて国内外でCQの普及活動を行っています。
個人向け公開ワークショップは、CQナレッジ講座とCQファシリテーション講座それぞれに基礎コース・上級コースがあり、さらに学びを深めたい人はホフステードCWQ認定アソシエイトコースに進みます。
CQを使ってグローバルに活躍できる人材が増え、「違いに橋を架ける」を実現することが私たちの使命です。
このインタビュー企画を通して、受講者がCQ講座で何を学び、どんなことを感じ、どのように学びを活かしているのか、生の声を紹介します。
本稿では、2022年6月にCQラボ養成講座(現・CQナレッジ講座) 基礎コースを受講、その後2024年7月にファシリテーション講座 基礎コースを受講した、フリーライターのまゆさんにうかがいました。
発達障害の子への理解を深めるために、さまざまな「普通」を知りたい
CQに興味を持ったのは、子どもに発達障害があり、今まで「普通」だと思っていたこととは異なる、ものの見方や考え方があると感じていたからです。
日本で発達障害といわれていても、ほかの国ではそうみなされないこともあります。文化の違いを知ることは、さまざまな「普通」を知ることになるのではないかと思ったのです。
それにより、子どもが生きやすくなるヒントが得られるのではないかという期待がありました。
CQでは、「違いに橋を架け、違いをパワーにする」と掲げています。
CQを学ぶことで、少しでも子どもへの理解につながり、力に変えていけたら良いと考えました。
一般的な日本人と異なるホフステードCWQのスコアに納得
まず、自分自身のホフステードCWQのスコアを知ることができたことが、1番の学びでした。
下表が私のスコアですが、日本人に多い「不確実性の回避」「長期志向」「達成志向」が低く、「個人主義志向」「あいまいさの許容」が高いことがわかります。
フリーランスになる以前も比較的リベラルな企業で働いていましたが、仕事で伝統的な大手日本企業の方と関わる機会もありました。そのときに感じていた違和感の理由が、このスコアを見てわかりました。同時に、自然と働きやすい職場を選んでいたのだと気付きました。
「文化が異なる」と聞くと、異なる国で生まれ育ったと想像しがちです。実際は、同じ国で生まれ育っても、文化的背景が異なります。異なる価値観の人と接するのは、海外でだけではないのです。
それを意識して他者と接することは、とても大事なことだと思っています。


体験ロールプレイでわからないことがわかり、対話の大切さを実感
ファシリテーション講座では、あるシチュエーションにおいて、スコアの差がある2人のやりとりを想像する体験ロールプレイを行いました。
自分のスコアに近い立場であれば想像しやすい一方、スコアに差があると言動・行動が想像できません。
ロールプレイを行った後、実際の言動が解説されましたが、なぜその行動をとったのか、なぜそのような発言をしたのか、説明を聞いてもわからない部分がありました。
養成講座 基礎コースや書籍「経営戦略としての異文化適応力」を読んでCQを学んだつもりでしたが、文化的背景が違うということは、想像しきれない言動につながるのだと気付きました。
「わからないことがわかった」ことが、ファシリテーション講座 基礎コースでの1番の学びだと思います。
そして、だからこそ、安易に他者の気持ちをわかった気になるのではなく、対話を通じて理解しようとすることが大事なのだと実感しました。
自分と異なる価値観の人と接するときのストレスが軽減
友人や配偶者はある程度自分で選べますが、仕事関係者やママ友、親戚などとは、必要に迫られて付き合わなければならないこともあります。自分と異なる価値観の人とともに何かを進めるうえで、ストレスに感じることも多々あります。
そのようなときに、「この上司は不確実性の回避が高いから、(私にはどちらでも良いと思うような)資料の細かいところまでチェックするんだな」「このママは集団主義が高いから、(私なら1人でやってしまおうと思うようなことも)何でもみんなと一緒にやろうとするんだな」など想像すると、ストレスが緩和されます。
人は理解できないものに対して、ストレスや不安を感じます。CQを学んだことで、他者は自分とは異なる考え方を持っていると知ることができました。それによって、少しではありますが、異なる考え方の人の背景にある文化の理解につながっているのだと思います。
「異文化を理解するためのめがね」で多様な他者を理解し、橋を架けていく
CQを学んだことで「異文化を理解するためのめがね」の存在を知りました。このめがねは、ホフステードの6次元モデルで分類された文化だけでなく、あらゆる多様性に対して効果を発揮できるのではないかと思っています。
発達障害は脳の機能の違いによるものですが、他者を想像して理解するためのめがねが必要という点では、異文化への理解と同じではないでしょうか。
他者の価値観を理解し適応できるよう、自在にめがねをかけ替えられるようになりたいと思います。
そして、我が子だけでなく、発達障害の子どもとその保護者や周りの人に橋を架けられるようになることが私の今後の目標です。
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▶ホフステードの6次元モデルと6つのメンタルイメージについて詳しく知りたい方は、『経営戦略としての異文化適応力 ホフステードの6次元モデル実践的活用法』宮森千嘉子/宮林隆吉 著をご覧ください
▶一般社団法人CQラボは、ホフステードCWQの日本オフィシャルパートナーとして、カルチャーに関してトータルな学びを提供しています。CQ®(Cultural Intelligence)とは…「様々な文化的背景の中で、効果的に協働し成果を出す力」のこと。CQは21世紀を生き抜く本質的なスキルです。Googleやスターバックス、コカコーラ、米軍、ハーバード大学、英国のNHS(国民保険サービス)など、世界のトップ企業や政府/教育機関がCQ研修を取り入れ、活用されています。
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