見出し画像

センターポールアスリートとの出会い㉔ ラグビー車いす調達編

前回からの続き

体験で使用するバスケットボール車いすは沢山の人の協力で揃ってきました。
しかし、車いすラグビー用の車いすは国内での生産が無く、競技人口も少ない為、なかなか手に入りません。
新品での購入は1台100万円以上するので資金的に難しいと頭を悩ませていたのですが、International Wheelchair Rugby Federation(国際車いすラグビー連盟)のホームページに、ニュージーランド製の中古ラグビー用車いすが売りに出ているのを見つけたところから今回はスタートします。

前回までのお話はこちらをご覧ください。

当時センターポールでは英語が話せるスタッフがオフィス業務を担ってくれていたので、サイトに書いていることを読んでもらいました。

「ニュージーランドで使用しなくなったウィルチェアーラグビー(車いすラグビー)を販売します。しかし、販売に関しては車いすラグビーが浸透していない国や、普及活動が出来る団体に対して販売を行います。」

確か、こんなニュアンスだった気がします。
つまり、購入したいと手を上げても必ず購入できるわけではなさそうです。
日本は競技人口こそ少ないものの、競技レベルは世界でもトップクラスであるし東京オリンピック・パラリンピックも控えているので普及に関しては既に成熟している、認知されているものと思われているかも知れません。
販売元のニュージーランドの方がどういった印象を日本に持っているのか分からない状態でした。
ちなみに車いすは中古で1台30万円くらいで7台売りに出ていました。
台数は30万円×7台+輸送コスト40万円くらい??です。

一括で200万円オーバーの買い物は金額としては高い買い物です。分割払いも出来ませんし、もし購入できたとしても今後、体験会をしても引き合いや投資した分の資金回収も出来るか確信は無かったです。

しかし、センターポールには官野さん、若さん二人のトップ選手がいるので彼らの魅力を伝えていくには、講話だけではなくプレーを一緒に行って競技の迫力、選手の魅力を知ってもらうことが大事という気持ちは変わりませんでした。


販売元には
「日本はオリパラが決定し、パラスポーツに対する関心も高まっていますが車いすラグビーを体験する機会は希少です。もっとこの競技の魅力や選手の事をプレーを通じて知ってもらいたい。だから全部売ってください。」
ストレートに伝えました。
それと、私は背伸びせずに、「会社も小さい団体なので出来れば少し値引きしてくれたら嬉しい」とも付け加えてもらいました。

メールはすぐに帰ってきて、数か国から問い合わせが来ているので待ってて欲しいと連絡があり、半分諦めてはいましたがその数週間後に返信がありました。

「あなたの団体に譲ります」と。


嬉しさよりも、何か国からも問合せがあった中からセンターポールを選んでくれたことに驚きました。
直ぐに送金の手続きや、輸送の手続きを行い、(ここでも三山さんに大変お世話になりました。)無事にラグビー用車いすは日本に到着しました。

画像2

画像3

中古で使用感もあるし、修理も必要で、車いすのレギュレーションも古い車いすですが、車いすラグビーの醍醐味タックルを受けるには十分の車いすが揃いました。

調達した車いすの資金分を回収できるかは分かりません。
「普及の為には誰かがやらなければいけない」と自分に言い聞かせていましたが、体験会の度に子供たちが官野さん、若さんからのタックルを受けて
「車いすラグビーってスゲー! チョー楽しい!!」
と目を輝かせている光景を見ると無理してでも準備して良かったと思い光景を眺めています。

若山学校交流②