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センターポールアスリートとの出会い⑬ 自分の”武器”を研ぐ人 土子大輔

会社名を変更して”センターポール”として新たにスタートを切る事になりました。

今日はセンターポールで初めて選手側から相談があって加入してくれた選手についてお話していこうと思います。
前回までのお話はこちらです。

丈さんからの紹介

ある日、車いすバスケットボール選手である丈さんから電話が入りました。
「また、飲みの誘いか。。。」と瞬時によぎりました。
やはり、飲みの誘いでした。

しかし、今回は紹介したい人がいるというのです。
その選手は車いすバスケットボール選手の”土子大輔選手”でした。

土子さんは千葉ホークスというチームで活動している車いすバスケットボール選手で、私が出会った当時2012年はパラリンピックこそ出場はなかったものの、代表選手として活動している素晴らしいプレーヤーです。
私はその年の日本一を決定する、車いすバスケットボール天皇杯決勝戦で土子さんの事は存じ上げていました。
土子さん率いる千葉ホークスは延長の末に敗れてはしまいましたが、土子さんがミドルショットをバチバチ決めていく凄まじい姿を見ていたので、まさかそんなビック選手から声をかけてもらえるのが、当時は俄かに信じがたく耳を疑いました。

当時は土子選手ほどのプレーヤーでも国内でスポンサーからのサポートを受ける機会が少なかったようで、仲の良い丈さんからセンターポールの事を聞き、そこからの縁で繋いで貰える事となったのです。
未だ会社も立ち上がったばかりでセンターポールは得体のしれない会社だったでしょうに、興味を持っていただけて光栄でした。

土子さんとの出会った印象は、センターポールの選手の中で”大人”という印象でした。
(こちらのnoteに各選手との出会いや、人柄を記していますが、記しきれないぶっ飛んだエピソードも沢山あるので全てを考慮して、土子さんが”一番大人”という印象だったのです。)
そして、土子さんがとても謙虚な人で落ち着いているというイメージがピッタリでした。

武器と美学

土子さんの武器は”シュート”です。
多少厳しいかな?と思うシチュエーションでもシュートを打つと、ボールがゴールに吸い込まれていくのです。
実際に車いすに乗ってシュートを打ったことがある方は分かるのですが、車いすから両手を離すと、車いすは勝手に動いてしまいます。
シュートモーションに入っても、車いすは動いてしまうので止まって打つより難しいのです。

「何故、シュートがそんなに入るんですか?」土子さんに尋ねると、
「僕は大学まで元々バスケットボールやっていたんですよ。一生懸命やっていたし、その分他の選手より経験の貯金はあるかもしれないですね。
自分が”バスケ経験者”っていうのもあるから、他の選手にシュートは負けたくないんですよ。これが僕の武器ですかね。」
謙虚で淡々とした口調でしたが、”シュート”という武器には土子さんも拘りや譲れないプライドを感じることが出来ました。

車いすラグビーの若山選手と同様に、土子さんも自分のプレーで存在価値を示す為の”譲れない美学”を持っている選手でした。

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つづく