見出し画像

2024年おすすめ新譜アルバムVol. 86: XV & MIKE SUMMERS「Blog Era Is Dead」

新譜アルバム紹介Vol. 86です。

今回紹介するのは、カンザスのラッパーのXVとプロデューサーのMIKE SUMMERSがリリースした「Blog Era Is Dead」です。

XVはカンザス出身のラッパーです。MIKE SUMMERSはカンザス出身のプロデューサーで、初期はSeven名義で活動していました。

二人とも2000年代半ば頃に登場。2006年にはXVのアルバム「Complex」でタッグを組み、その後もMIKE SUMMERSは2008年のミックステープ「Planet Squaria: The Square in the Circle」など多くのXV作品に参加していきます。2009年のXVの出世作「Everybody's Nobody」でも、MIKE SUMMERSは数曲をプロデュース。以降もMIKE SUMMERSはKendrick Lamarも参加した2011年のミックステープ「Zero Heroes」など、XV作品を支えていきます。しかし、2012年頃から一時共作はストップ。その後2019年頃から再びタッグを組み始め、2022年には連名での作品「WINTER WOLVES」をリリースします。これまでに多くの名曲を生んだ名タッグです。

XVはハキハキとした発声で、ねっとりとしたフロウや詰め込みフロウも起用に使うスキルフルなラッパーです。MIKE SUMMERSは東海岸的なソウルフルなものやトラップ、インディロック風味など多彩な作風を聴かせます。二人とも「ブログ・エラ」らしい柔軟で、クロスオーバー志向も持った音楽性です。

今作は暖かいブーンバップを中心にトラップやディスコっぽいものも交えたサウンドで、XVの華と実力のあるラップが堪能できる快作に仕上がっています。以前にもレビューを書いているので、あわせて是非。


1. The Blog Era (with Mickey Factz)

XVは登場しないイントロ。

穏やかなシンセやサックスが効いたソウルフルな音に乗り、Mickey Factzが様々なブログ名をラップする曲です。わかる方はわかるはず。


3. Caron Butler

ホーンをループしたソウルフルトラップ。

基本トラップですが、一瞬ドラムがファットなブーンバップ化する展開もあります。XVの柔軟なラップは流石の貫禄。


6. D.O.A.

美しい歌声やギターが光るエモーショナルな曲。

詰め込みすぎず、一言一言を大切にするようなラップを堅実に乗せていく良曲です。今作のハイライトの一つ。


9. Ambrosia (with John Givez)

ディスコっぽいノリのスムースな曲。

弾力のあるベースとJohn Givezのスムースな歌声が効いた、ダンサブルでメロウな曲です。G好きの方も是非。


10. Periodic Tables (with Curci)

暖かいブーンバップ路線。

タイトなドラムと優しいギターを使ったビートに、XVが歌心のあるラップを乗せていく好曲です。Curciのラップも誠実な魅力。


17. Treasure Chest (with Earth to Cheska)

少し寂しげでポジティヴなムードの曲。

美しいピアノとタイトなドラム、逆再生の音が印象的なビートで、女声シンガーの歌フックを挟んでしっかりとラップする佳曲です。沁みるラスト。

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです