2021年おすすめ新譜アルバムVol. 9: Propain「It Ain't Safe Outside」
新譜アルバム紹介Vol. 9です。
今回紹介するのは、テキサスのラッパーのPropainがリリースした「It Ain't Safe Outside」です。
Propainはテキサス出身のラッパーです。
11年にミックステープ「Dangerous Minds」を発表。その後Slim ThugやScarfaceなどのテキサス勢への客演で活躍し、13年のミックステープ「Ridin' Slab」で高い評価を獲得します。以降も15年のミックステープ「Against All Odds」や18年のアルバム「7 Day Theory」などをリリース。Paul WallやLil Kekeなどテキサス勢の作品への客演も重ねており、テキサスGファンの間で根強い人気を得ています。
泥臭くエモーショナルで力強いラップを聴かせるラッパーです。トラップにも乗りますが、基本はソウルフル路線やメロウなどテキサス印のGセンスをしっかりと備えたビート選びが魅力。10年代に登場したラッパーですが、時代の良さとそれ以前のテキサス勢の良さの中間のような音楽性です。
今作は、ソウルフルなものが中心のサウンドでキレのあるラップを聴かせる良作に仕上がっています。ラップ力が非常に高いので、テキサスG好きの方だけではなくGriseldaあたりが好きな方にもおすすめ。
1. It Ain't Safe Outside Feat. Z-Ro
美しいピアノと歌のサンプリングが光る哀愁路線。
手数の多い808でハードにスピットするラップがエモーショナルに響きます。後半に登場するZ-Roの歌で悶絶必至。
ソウルフルなネタ使いの哀愁曲。
生っぽい鳴りのドラムがPropainの力強いラップに噛み合った良曲です。ブーンバップ好きの方も是非。
勇壮なホーンをループしたトラップ。
三連フロウを用いた鬼気迫るラップが素晴らしく、そのラップ力の高さに唸らされます。ソウルフルな味があるビートも良いです。
Suave House作品やUGKに通じる、ゆったりとした哀愁路線。
暖かくノスタルジックな雰囲気のビートで、Sauce Walkaと共に力強いラップを聴かせる良曲です。テキサスG好きの方にはたまらないはず。
XOが手掛けたメロウ曲。
涼しげなギターとベッドが軋む音が印象的な曲です。XOがゆるく歌うフックが心地良く、Propainのラップとの相性もばっちり。
例の高音シンセを使ったHタウンファンク。
チョップド&スクリュードされたような細かいズレも楽しいビートで、Big Jadeと共に歯切れ良いラップを聴かせる好曲です。テキサスG好きの方は悶絶必至。
10. Kill Me Feat. OTB Fastlane
チープなピアノとドロっとしたベースが効いたシリアスな曲。
フック等で入ってくる高音シンセがGです。OTB Fastlaneの少しレゲエっぽい歌い方もインパクト大。
11. Underdawg Feat. JackBoy Dee
ソウルフルな哀愁路線。
もの悲しいギターを使ったテキサス流儀のビートで、JackBoy DeeのいかにもテキサスGっぽいラップと絡む良曲です。アウトロのギターソロも沁みます。
12. Way Too Fly Feat. Lil Keke, Slim Thug, Z-Ro, Paul Wall, Big Pokey & Lil Flip
テキサスGの終曲にありがちなマイクリレーもの。
ソウルフルで暖かいビートで、濃厚なラップが堪能できる好曲です。Z-Roが歌うフックも極上。私的にはPaul Wallが格好良く「アボカド」と言っているのも嬉しいポイントです。
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