2021年おすすめ新譜アルバムVol. 7: Chris Ward「Pain Management」
新譜アルバム紹介Vol. 7です。
今回紹介するのは、テキサスのラッパーのChris Wardがリリースした「Pain Management」です。
Chris Wardはテキサス出身のラッパーで、Screwed Up Clickのメンバーです。Slim Thug率いるBoss Hogg Outlawzにも所属していました。
Lil' ChrisやC Wardなどの変名も使いつつ90年代から活動。Screwed Up Click周辺作品に客演で参加し、02年にはソロ作「Underworld Mobster」をリリースします。03年には「Wanted」、「Veteran Rookie」、Big Pokeyとのタッグ作「Mob 4 Life」と精力的にリリース。以降も10年の「All Star Status」や16年の「Screw Baby」など、多くの作品をリリースしています。
Big PokeyやH.A.W.K.をベースにJay-Z風味を少し足したような、コクのあるラップが魅力のラッパーです。サウンド的にはソウルフルなものやバンギン、ヘヴィなバウンスなど。派手さはありませんが、テキサスGの旨味が詰まったアーティストです。
今作はシリアスな曲が多く、哀愁系の曲も充実した良作に仕上がっています。テキサスG好きの方は是非。
2. F They World Feat. Big Pokey
Dr. Dre「2001」系の重厚なファンク。
ストリングスをループしたシリアスなビートで、Big Pokeyと共に濃厚なラップを聴かせる良曲です。00年代っぽいムードがあります。
禍々しいバンギン路線。
蠢くベースとヘヴィなギター(?)が効いた、Traeあたりがやりそうな曲です。スクリュー声を使ったフックも印象的。
テキサスGらしい哀愁メロウ。
隙間を活かした悲しげなビートで、男性シンガーのBruce Bangがフックでやるせない歌を聴かせる良曲です。Chris Wardのラップにも寂しげな雰囲気が漂っています。
9. How da Game Go Feat. Deadend Redd
レゲエっぽい歌い方を聴かせるDeadend Reddをフィーチャー。
手数の多い808と哀愁漂うギターを絡めた曲です。フックではChris Wardも少し歌うようなスタイルを披露。
12. Crooked Ass Streets Feat. Z-Ro
今作のベストトラック。
例の高音シンセを全編に渡ってループしたHタウンファンクです。ソウルフルに歌い上げるZ-Roのフック名人ぶりも抜群。
00年代Roc-A-Fella作品っぽいソウルフル路線。
Kanye Westが使いそうなギターループと、早回しされた歌のサンプリングが印象的な曲です。Chris Wardのコクのあるラップとも好相性。
ボーナストラック的なライブ音源。
DJ Screwが絡んでいるからなのか、全編スロウダウンされています(チョップなどほかの要素はなし)。荒いギターとドラムが印象的なビートでのフリースタイルで、故George FloydことBig Floydのラップも聴けます。そしてこのBig Floydのラップが素晴らしい仕上がり。
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