MXE & Junaswon「The Golden EP」全曲解説

三重のプロデューサーのJunaswonと、UKのシンガーのMXEがリリースしたEP「The Golden EP」の国内向けプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。

The Golden EP by MXE, Junaswon

日本人プロデューサーのJunaswonとUKのR&BシンガーのMXEは11月11日（金）、両者にとって初となるEP「Golden」をUKのレーベルのAWALからリリースする。

JunaswonはネオソウルやトラップなどR&Bの多彩なスタイルを柔軟に取り入れたサウンドを聴かせる三重在住のプロデューサー。MXEはスウィートで柔らかな歌声を持つUK出身のシンガーで、二人はInstagramを通して繋がったという。2020年にはコラボシングル「If You Want Me」をリリースして以降共作を重ね、これまでに6曲のシングルを発表してきた。AWALはLil PeepやTom Mischなどの作品で知られるレーベル／ディストリビューターで、近年ではLittle Simzなどの作品をリリースしている。

今回リリースするEPは、先にシングルとしてリリースしていた「Golden」も含む4曲入りの作品。「共通したドラムや空気がありつつ、それぞれが好きな年代の雰囲気を入れている」というJunaswonの現行R&B分析を踏まえつつ、曲ごとに異なるアプローチを取ってコンパクトながら作品としての流れを聴かせるものとなっている。これまでのシングルでは二人だけの曲が多かったが、今作には客演も導入。「What If?」でUKのアーティストのCUBがメロディアスなラップを、「Golden」でフランスのラッパーのInayatがクールなラップを添えている。ミックス、マスタリングはSimon Griffithsが行い、アートワークはMaia Walkerとleftyvisualsが手掛けた。

なお、MXEによる全曲のコメントも届いている。

1. What If? Feat. CUB

「What If?」は、押し付けがましい考えや不安によって人との関係性が不安定になっていくことについて書きました。 MXEは、彼女は常に「もしもこうだったら」という考えを持っていても、信用している人に迷惑をかけるのが心配でそれについて話したことがないと言います。 英国のプロデューサーでシンガーソングライターのCUBをフィーチャーして、ギクシャクした関係性について、心配や不安に駆り立てられた行動があなたの関係や私生活にどのように影響し、あなたを孤独にするかについても歌っています。

「私はいつも『もしも』という心配を抱えていました。そして、私は自己愛と自信を構築することでそれと戦おうとしています。私は本音をかき消す代わりに勇気を出して話すためにこの歌を書きたかったのです。 誰もがこの心配を抱えていると思うので、この曲はとても親しみやすいと感じています」

2. Daily Medication

MXE は、自分自身の官能的な側面を探求するために「Daily Medication」を書いたと説明しています。 彼女のアイドルであるビヨンセからインスピレーションを得て、彼女は自分自身の私的な秘めた部分をEP「Golden」に取り入れたいと考えました。 Daily Medicationは、あなたの意のままになる誰かがいて、あなたはその人の毎日の常用薬のように関係性を持ちます。

「この曲では、自分の暗い面を利用する必要がありました。誰かを操作できると感じたらどうするかを考えなければなりませんでした。 彼らがそれに気づいているかどうかは問題ではなく、支配し、それで私はそれで遊ぶという結論に達しました」

3. Golden Feat. Inayat

この曲は、元々女性を元気付け、力を与えるための曲といったコンセプトで作り始めましたが、制作を進めるにつれ、曲を聴く人誰もを高揚させるアンセムへと変わっていきました。この曲はどのような機会でも、他人の心配など気にせずいつも挑戦することについての歌です。また、このような曲に客演として強く自信を持った女性であるInayatを迎えるのは最適だと感じました。Goldenのリラックスした雰囲気のトラックに乗せた自分の価値についてのメッセージは、あなたを自然な自信で包みこみます。

4. Dumb Dumb

この曲を書いている時、MXE は、みんなが一緒に踊ったり歌ったりできる、アップビートでのんきな曲を試みたかったと言います。 ニッキー・ミナージュからインスピレーションを得て、MXE はあまり深い意味のない曲を書きたいと考えていました。特に、EP 'Golden' がすでに非常に深い意味を持っていたため、彼女は軽快な作品に焦点を当てて作品のムードを明るくしたかったのです。 この曲はボディポジティブに触れていますが、テーマとしてGoldenなどで歌われている自信を持つことと一致しています。

「この曲には間違いなく苦労しました。私が個人的に経験したストーリーが背後にあるため、他の曲と比較して書くのに数週間かかりました。 考えすぎず、気さくであり続けるために、この曲の内容を自分に言い聞かせ続けなければなりませんでした。 このような曲を書くきっかけになったアーティストを考えると、褒め言葉しかありませんでしたが、挑戦できたことをとても嬉しく思います」

1. What If? Feat. CUB
2. Daily Meditation
3. Golden Feat. Inayat
4. Dumb Dumb

全曲解説します。

1. What If? Feat. CUB

Drakeがやりそうな浮遊感のある曲。

手数の多いドラムや三連フロウなどトラップとの共通点もありますが、全体的にはソフトでメロウな仕上がりです。CUBのオートチューンを使ったメロディアスなラップもばっちり。

2. Daily Medication

密室感のある落ち着いた空気の曲。

美しいピアノやローファイな質感のドラムを使った、ちょっとローファイ・ヒップホップっぽい要素のある曲です。MXEの呟くような歌もクール。

3. Golden Feat. Inayat

MXEがラップのような歯切れの良い歌を聴かせる曲。

ビートはメロウなエレピに軽めのドラムを合わせたもので、質感はネオソウル寄りですがヒップホップとしても聴けます。Inayatのヴァースで入るスペイシーなシンセも印象的。

4. Dumb Dumb

この曲でもラップっぽい歌い方が聴けます。

ビートは優しいピアノや高速ハイハットが効いたもの。ヴァース部分では悩ましく歌い、フックではラップ気味のアプローチが楽しめます。