2023年おすすめ新譜アルバムVol. 51: Don Trip「The Devil You Know」
新譜アルバム紹介Vol. 51です。
今回紹介するのは、メンフィスのラッパーのDon Tripがリリースした「The Devil You Know」です。
Don Tripはメンフィス出身のラッパーです。
2000年代半ば頃に登場。2005年にはミックステープ「Reloaded」を発表し、2010年前後からリリースペースを上げていきます。この時期には2010年のアルバム「The Threat」や2011年のStarlitoとのタッグ作「Step Brothers」、2012年のミックステープ「Guerilla」などをリリース。以降もソロ作やStarlitoとのタッグ作などを精力的にリリースしており、今年に入ってからも今作以外にもEP「Gotham City」など複数枚の作品を発表しています。
やや高い声を潰したような声質で、しなやかでソウルフルなラップを聴かせるラッパーです。サウンド的には現行メンフィスらしいトラップが中心ですが、哀愁メロウも得意としています。
今作はギターやピアノといった楽器の音を多用したトラップビートに乗る、現行メンフィスマナーの作品です。Paper Route Empire作品などが好きな方も是非。
2. RainCheck
シリアスなピアノループが効いた曲。
Juicy JやProject Patのフロウを、Don Tripなりに取り入れたようなラップが楽しめる好曲です。ドラムもThree 6 Mafia的なパターン。
3. Pussy Promises (feat. Kendrick P.)
男声シンガーのKendrick P.がフックを歌う哀愁曲。
メンフィスマナーのドラムに浮遊感のあるウワモノを合わせたビートで、ソフトな歌とハードなラップを聴かせる良曲です。今作のハイライトの一つ。
8. Somebody (feat. Skitspro MP & Bink4sho)
暑苦しいMタウンクランク路線。
低音をボコボコと鳴らすダーティなビートに、いかにもメンフィスっぽい集団ラップが乗る曲です。エネルギッシュなフックが強力。
11. Grief Counseling (feat. Starlito)
今作のベストトラック。
寂しげな鍵盤を使った哀愁メロウ系トラップです。Starlitoの枯れたラップが抜群の良さで、Don Tripとの黄金タッグも見事。
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