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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 88: Trippie Redd「Trip At Knight (Complete Edition)」

新譜アルバム紹介Vol. 88です。

今回紹介するのは、オハイオのラッパーのTrippie Reddがリリースした「Trip At Knight (Complete Edition)」です。

ジャケ

Trippie Reddはオハイオ出身のラッパーです。

10年代半ば頃に登場。16年には「Awakening My InnerBeast」、「Beast Mode」、「Rock the World, Trippie」の三枚のEPを発表します。17年にはXXXTentacionのシングル「Fuck Love」への客演が話題となったほか、ミックステープ「A Love Letter to You」なども発表。その後も「A Love Letter to You」シリーズや18年の1stアルバム「LIFE'S A TRIP」など、多くの作品をリリースしています。今年に入ってからも今作のほかにも20年作「Pegasus」のデラックスエディションとなる「Neon Shark vs Pegasus」をリリース。精力的に活動する、現行シーンを代表する人気ラッパーの一人です。

力強く歌心も持ったエモーショナルなラップを聴かせるラッパーです。サウンド的にはダーティなトラップやブーンバップ、メロウなR&Bやロックなど様々なものに乗ります。

以前書いたこちらの記事でも紹介した通り、今作はほぼ全曲をレイジビートが占める意欲作です。Trippie Reddのエモーショナルなラップも見事に噛み合っており、強力な作品に仕上がっています。


1. Molly Hearts

開始即レイジのズビーッとしたシンセが鳴ります。

圧の強いキックの連打が効いたビートに、歌うようなラップをややオフビート気味に乗せていく好曲です。アウトロでのコーラスも印象的。


2. MP5 Feat. SoFaygo

もう一人のレイジの重要人物、SoFaygoをフィーチャー。

メインのシンセが細かく刻まれたり、長めに敷かれたりと動きを見せるビートが素晴らしいです。SoFaygoの高めの声質のラップも華があります。


3. Betrayal Feat. Drake

Taz Taylorも制作に関わった曲。

レイジ印のサイバーなシンセを使いつつ、空間を際立たせたようなビートです。Drakeヴァースの入りがお気に入り。


6. Super Cell

少しクランク&Bっぽい匂いもする曲。

レイジのシンセを隙間を活かしてループし、ダーティな808を絡めた良曲です。どこか寂しげな歌い方も印象的。


7. Miss The Rage with Playboi Carti

今作のベストトラック。

逆再生されたシンセが印象的なビートで、細かく千切るようなPlayboi Cartiの怪フロウを迎え撃つ名曲です。Trippie Reddのフロウを細かく変えるフックも強力。


8. Supernatural

今作のハイライトの一つ。

ズビズビとしたシンセとダーティな808で引っ張る今作の王道スタイルです。途中でより凶悪な低音が鳴り響くビートにスイッチする展開が目覚ましい格好良さ。


10. Matt Hardy 999 Feat. Juice WRLD

Cashmere Catの名前もクレジットされた曲。

レイジを軸としつつも、Juice WRLDのラップに合わせたようなエモーショナルな魅力のある曲です。次々と変化していくビートがラップの良さを引き出しています。


17. Rich MF Feat. Lil Durk & Polo G

レイジの流れを断ち切るボーナストラック的な曲。

Hitmakaらが手掛けた、ヘヴィなピアノが効いたダークなトラップです。Project PatフロウをアレンジしたようなTrippie Reddのフックがキャッチー。


18. Captain Crunch Feat. Babyface Ray, Icewear Vezzo & Sada Baby

レイジではないトラップ、というか00年代前半のミッドウェストGに入っているバウンスみたいな曲。

冷たいエレピのループにバウンシーなドラムを絡めたジメジメとしたビートで、曲者が次から次へと登場する好曲です。Sada Babyのフリーキーなヴァースがベスト。

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