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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 73: EMAMKAY「Love Is Energy」

新譜アルバム紹介Vol. 73です。

今回紹介するのは、南アフリカのラッパー兼プロデューサーのEMAMKAYがリリースした「Love Is Energy」です。

EMAMKAYは南アフリカ出身のラッパー兼プロデューサーです。

2010年代半ば頃に登場。2015年にはEP「THETA」を発表し、その後も2016年の「Alpha」や2019年の「You Make You Smile」などの作品をリリースしていきます。また、Angela NimahとのユニットのThe Bandで2017年にEP「Patterns EP」をリリースしているほか、2021年にはKaeBとのタッグ作「It Doesn't Matter」をリリース。堅実に活動を続けています。

ラッパーとしては、低めの声質でオフビート気味のフロウやゆるい歌なども交えて聴かせるスタイルです。プロデューサーとしてはJ Dilla系譜のブーンバップをベースに、ジャズやSoulection的なエレクトロニック・ミュージックの要素をミックスした作風。マルチミュージシャンとしての顔も持ち、生演奏の導入にも積極的です。

今作はバンド編成で制作した、ジャズ色の強いメロウでスピリチュアルな作品です。ヒップホップ好きの方はもちろん、Robert Glapserなどが好きな方も是非。


2. Sense

ベースの鳴りにJ Dilla的なものを感じる曲。

ドラムも少しよれ気味で、浮遊感のあるシンセも心地良いです。フックでのBokang Ramatlapengの歌もばっちり。


3. Tembisa

ラップは乗せない準インスト的な曲。

Bokang Ramatlapengのコーラスをループ感強めに取り入れ、サックスやピアノを主役に据えたようなジャズ寄りの曲です。SEも絶妙。


4. Love Is Movement

現代ジャズ的なスタイルのラップ曲。

穏やかなピアノも印象的で、キーボーディストとしてのEMAMKAYの顔も見える曲です。トロトロの歌フックも見事。


6. When The Sun Rises

Robert Glasperなどが好きな方に聴かせたい曲。

落ち着いたピアノとJ Dilla系譜の(生)ドラムが目立つサウンドで、EMAMKAYのラップとBokang Ramatlapengの歌が堪能できる好曲です。ヒップホップ色強めなアウトロもお気に入り。


7. Crossroads Etude

ビートスイッチ、というかダイナミックな展開のある曲。

ドラムを思いっきり遠くで鳴らして鍵盤でラップするような路線から、歌が入ってきて一気に霧が晴れたように変化します。切り替わりの瞬間にはノックアウト必至。


9. Kuumba a Creator's Spirit

どちらかといえばジャズ寄りの曲。

ループ感のある暖かいサックスとアグレッシヴなドラムが目立つ、インスト…と思いきや後半ではちゃんとラップします。しかし変なことをやろうという感じではなく自然な仕上がり。

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