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#098【絵本】ピアノ

今日はステキな絵本の世界へ📚
記録として感想を書いています。




今日の絵本

『ピアノ』

著者/いせひでこ 
発行所/偕成社(2023年)





この絵本のテーマは・・・

著者が絵本で伝えたいことや絵本に込めたメッセージ。
私が感じたこの絵本のテーマは、


【ピアノでつながるファンタジーな時間】





私が感じた事

いせひでこさんを知ったのは、絵本『ルリユールおじさん』を読んだ時。

パリの風景や、アルチザン(職人)の情熱に駆られてアパートを借り工房に通ってまでして描かれたルリユール(製本)の仕事風景に、ページをめくる度うっとりしました。また、ストーリー内のおじさん親子のエピソードにも胸を熱くした記憶があります。
そんないせひでこさんの昨年刊行された絵本、読みたいに決まってます。

今回の絵本もやわらかでふうわりとした筆使い、鮮やかさと深さが込められた色彩の絵に引き込まれました。そしてピアノがテーマなので、今回も”手”が繊細に描かれているのも印象的でした。

ストーリーはちょっと切なくてあったかいファンタジー。

母子二人で隣町に引っ越してきたのんちゃんは、おかあさんが出勤した朝、荷物の中から懐かしいおもちゃのピアノを見つけます。
のんちゃんが弾くカノンを追いかけるように、隣の森のような誰も住んでいないはずの古いお屋敷からピアノの音が聞こえてきて…

そこからはもう自分がのんちゃんになった気分でおじいさんのピアノと絵本に引き込まれていきました。

これはのんちゃんの夢物語なのかもしれませんが、子どもの感性というか何も縛られない自由な感覚は、時に見えないものが見えてしまう出来事を引き起こすのではないかと思います。
その不思議な体験はのんちゃんにとっては寂しさや不安を払拭し、おじいさんにとっても長い間持ち続けた心残りを癒すタイミングだったんだろうと感じました。
絵本のラストではファンタジーだけで終わらず、これからのこの町での日常がちゃんと描かれています。


でもおそらく不思議なことって実はどこにでも転がっているんだろうなぁ。羨ましい~体験してみたい^^

心温まるファンタジーを素敵な絵と共に感じてみたい方にオススメな絵本でした。


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