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王子動物園の手作り絵本ZINE(1-2歳から楽しめる) 制作ノート

神戸・王子動物園が大好きな娘(2歳)のために描いていた絵をつなぎあわせて、手作りの小さな絵本zineをつくりました。いろんな色や形の生き物を身近に感じ、仲良くしてほしいと願います。

「おさんぽ どうぶつえん :おうじどうぶつえんのともだち」
制作ノートをまとめました。


王子動物園には、娘が1歳の頃から通っています(入園料は600円、年間パスは3,000円)。乳幼児を連れて安心して散歩できる広い空間。何より、親も動物や解説パネルを見てリフレッシュできる楽しさ。乳幼児を連れて、こんな楽しい散歩場所はほかにありません。特にこの時期ほとんど外出先のない親子にとって、平日の静かな動物園は安心の遊び場です。

絵本zine 「おさんぽ どうぶつえん」

くりかえし動物園に行くうちに、娘も動物園を好きになってきたようなので、娘が動物たちと遊ぶ絵を少しずつ描いてあげました(こういう絵本は、案外、見あたらなかった)。それを冊子にしたのがこの絵本zineです。

表紙と裏表紙をつなげるとこうなります
王子動物園は、坂の上にある
70周年を迎えた王子動物園


絵を描くにあたり、いま同じときを生きている王子動物園の動物をモデルにしました。

にぎやかに歓迎してくれるフラミンゴたち

入り口すぐのフラミンゴたち。娘は言葉を話し始める前に、フラミンゴを見ると「クエックエッ」と手首を振り、フラミンゴの動きをまねするようになりました。

フラミンゴたち。丸い石のおうちがかわいい


時を忘れさせてくれるゾウのズゼとマック

娘はズゼにお乳があることだってちゃんと知っています(娘はお乳が大好き)。園内にある「ぞうさんすべり台」もお気に入りです。

手前がズゼ、奥がマック。ズゼは水あそびしている


そこにいるだけでほっとするパンダのタンタン

返還延期のおかげで、タンタンが寝ている姿も、笹をむしゃむしゃしているところも、娘と一緒に見ることができました。

最近は室内にいるタンタン。またここで見られる日が来るといいな


広い雪山が似合うホッキョクグマのミユキ

ホッキョクグマのすむ自然環境(カナダ北部の生息地にある岩場地帯)を再現したという広い運動場。人工雪も積もっています。ここを見るたび、この展示場を作ってきた方たちの愛と熱意(動物が快適さを求めて、そして、動物の自然の姿を見せたいというお客さんへの思い)を感じるのでした。

黄色のガス管が宝物。いつまでも元気なおばあちゃんでいてください。

ホッキョクグマ舎についての興味深い記事。
https://maidonanews.jp/article/13153469

はばたき 神戸市立王子動物園 第36号(1994年)
http://www.kobe-ojizoo.jp/habataki/pdf/habataki36.pdf


愉快な紳士のオランウータンのムム

娘の大のお気に入りはオランウータンのムム。いつもの居場所から時折立ち上がって、「ぶーらん、ぶーらん」と会いにきてくれます(キスをありがとう)。娘はその横で親の腕にぶら下がって遊びます。まるで一緒に遊んでいるように。

運がよいと、緑の紐にぶら下がって、ガラス越しにキスしに来てくれる


一緒にお昼寝してみたいコアラ のエマたち

コアラのように、娘をまあるく抱っこしてやります。


かくれんぼしているシマウマのラブ

たいてい物陰に隠れているシマウマを、娘は「かくれんぼしてる」と思っており、遠くから「いないいないばあ!」と遊んでいます。ラブは右肩の丸印がチャームポイントだそう。

一生懸命いないいないばあしている娘。シマウマはどこに隠れているかわかりますか?


甘えんぼうキリンのひまわりとマリン

親子キリンのひまわり(子)がマリン(母)のおっぱいを欲しそうに甘えているのを、うれしそうに見ている甘えんぼうの娘です。舌がものすごく長くて青いことも発見しました。


歯みがき上手なカバのナミコ

飼育員さんがカバの口を開けてチェックしているのを間近で見ることができます(カバはあんなに隙間だらけの少ない歯でどうやって噛むのだろう?)。歯みがきをいやがりがちの娘は「カバさんが歯みがきがんばっている」と刺激を受けていました。ちなみにカバの口が開く角度は150度(!)と説明パネルに書いてあります。

歯磨きをいやがる娘に、「カバさんも歯磨きしていたね〜」と言ってみる
口の中をチェックしてもらっているところ
娘はこの看板も気に入っている
ここで必ず聞こえてくる「1981年生まれだって!お年寄りだね!」という若者の声に寂しさを感じる1982年生まれの私。
小さく貼ってある掲示がどれも「へええ!」


ここに描けなかった、ほかの動物のみんなも

いつも楽しませてくれてありがとう!

そして、たくさん歩いた後の芝生が気持ちよい旧ハンター住宅

おすすめスポットは、園内にある旧ハンター住宅の芝生。

ここの芝生は、ハイハイしたりヨチヨチ歩きに最適。
娘の空想の中では、きっと動物たちも一緒に行進していることでしょう
となりの、資料館上の屋上庭園も最高ののびのびスポット


夢のように煌めくメリーゴーランド

園内の遊園地。メリーゴーランドのきらめきと音楽にうっとりする娘です。

娘の頭の中では王子動物園はきっとこんな感じ

制作方法

色鉛筆と水彩絵具で絵を描きました。それをスキャンして(スキャンすると色が薄くなったので)iPadの描画ソフトProcreateで手直ししています。

はじめは「無印良品」の白絵本に絵を描いていたのですが、スキャンしづらかったので普通の画用紙に描いておけばよかったです。

印刷は、オンデマンド印刷の冊子印刷工房。無線綴じ・フルカラー・28ページ・正方形:148mm×148mm、本文用紙:マット紙110kg、表紙:マット紙135kg。フルカラーになると印刷費用が高いので、ごく少部数で注文しました。入稿原稿を作成時、ページが左右見開きでまたがるところがうまく調整できずに、仕上がった冊子をみると、いくつかの絵はちょっと失敗していました。次への課題。

王子動物園が好きな幼い子どもへ

娘のほかに、もし絵本を見て楽しんでくれる子がいたらうれしいなと思い、少しだけ余分に刷りました。王子動物園の近くにある古本屋ワールドエンズガーデン、須磨水族園の近くにある自由港書店に、店主さんのご厚意で数冊ずつ置いていただけることになりました。原価+販売手数料です。おまけで、キリンの木版画つき。小さなだれかに気楽にぐちゃぐちゃにして読んでもらえますように。

木版画で描いたキリン親子(マリンとひまわり)

おわりに

娘が2歳になり保育園に行くようになってからは、平日にこうして二人でのんびり動物園に出かけることはできなくなりました。この絵本には、私にとって、幼い娘と過ごしたかけがえのない思い出が詰まっています。

娘のために動物の絵を描きはじめてから、私自身これまでより動物たちを細かく観察するようになりました。体や模様はどうなっているのか。どう動くのか。動物の生態にも興味を持ち色々と調べるのも面白かったです。

私も子どもの頃から来ていた王子動物園。大人になった今、あらためてこの場所の魅力に気がついています。
この長く愛されてきたすばらしい場所がいつまでも大切にされますように。
よりよい王子公園・王子動物園を後世につなげたいという願いを込めて。


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