見出し画像

10周年を迎えて、つなげてきたこと、つなぎたいこと。

こんにちは、Coyoriのブランドマネージャー川上です。
2010年に誕生したCoyoriは、おかげさまで、2020年10月1日をもって無事10歳を迎えることができました。本当にありがとうございます。

10年前にCoyoriを立ち上げた当初、「生産者と消費者をつなぎたい」「日本の女性を元気にしたい」と掲げた思いは今もぶれる事なく、看板商品の美容液オイルも、変わらず多くのお客様にご愛顧いただいています。

ですがこの10年の間に、社会も、私自身の暮らしや考え方も、大きく変わりました。

ブランド立ち上げから約半年経った2011年3月、東日本大震災がおこり、それ以降も日本ではたくさんの自然災害がありました。そして今年はコロナウイルスの感染拡大。

これまで10年間、化粧品原料の自然素材の生産者のもとに東から西へと足を運び、多くのお客様と対話を重ねてきましたが、今改めて、私が「生産者と消費者をつなぐ」「日本の女性を元気にしたい」という言葉に託してきたことの意味を考えます。


この10年で変わった、私のこと、家族のこと、Coyoriのこと。

ブランド立ち上げ当初は29歳だった私ですが、この10年の間に結婚し、現在6歳の長男と3歳の双子を持つ母親になりました。

子供を産んで感じたのは、独身時代にはなかった不自由さです。

長男を生んだ直後は抱っこひもに子供を入れてコンビニで支払いをするだけでも一苦労、小銭を落としてしまったら、文字どおり泣きたくなるような余裕のなさでした。さらに双子を生んだ直後には、双子用ベビーカーの大きさの問題で、タクシーやバスにも乗れない日々。

画像3

ですが、そういう時に助けてくれる優しい誰かが、必ず社会にはいるんですよね。

メリットもないのに自分を助けてくれる他人がいることに少しの驚きと、大きな感謝の気持ち、同時に「どこかでこの優しさを返したい」という思いが強くなりました。

以前、糸井重里さんが書かれた「人は人のすることを喜ぶ」という文章を読んだとき、あぁ、やっぱりそうだよなと思ったのですが、この時、効率化や損得勘定だけで動いているように見える資本主義の中で、実は人手やお金の循環もこんな気持ちを乗せて、行われているんじゃないかと思ったんです 。

さらに、里山に興味を持っていくつかの土地を見て回ったときに、人が自然の一部として調和しながら、自然の資源に対して人が手をかけたものを、人と人とで分かち合う、その営みに精神的な豊かさを感じ、この気持ちはより強くなりました。

画像4

最近私は子供たちと近所の八百屋さんへ足を運ぶことが増えました。以前はネットスーパーで買い物をしていたのですが、子供たちと一緒に「八百屋のおじさんいるのかな?」と話したり、「これ美味しいよ」とバナナを分けてもらったり、そういったことに大きな喜びを感じています。

画像3


これだけモノにあふれ既に物質的には豊かな世の中で、極論、これ以上モノってなくてもいいのかもしれません。

ですが、私たちがモノを得るとき、それを作る人がいる事を確かに感じられること、「美味しいね」「ありがとう」を返せること、モノと金銭の交換に、この分かち合いを乗せることこそが生きることであり、心地よい営みそのものなんじゃないか。これこそが「生産者と消費者をつなぎ、こより合せる」ことなんじゃないか、そんな風に以前より強く感じています。

実はコロナ禍でも、日本国内のスキンケア市場の売上はあまり落ちていません。これは女性にとってスキンケアが、心地よい営みのための必需品の一つであることを、示していると思います。

Coyoriは10年前からスキンケア製品をお届けするときに、生産者の顔や作り手の想いが見える冊子類も一緒にお届けしてきましたが、改めて、日々の暮らしの中でこうした豊かさをスキンケアするたびに感じてもらえると嬉しいです。

つづり


そして肌は体の一部。

スキンケアは肌のために重要ですが、身体を作り、そして心も作る食事は、非常に重要なものだとも考えていました。そのためCoyori立ち上げ当初から、いつかは食品の分野で何かできるといいなと長年思っていたものの、他のブランドが得意なことはお任せしたほうが良いだろうと、確信を持てる製品の構想を思いつくまでは、簡単に手を付けられずにいました。

ですが約1年前の、とある生産者さんとの出会いが大きなきっかけで、ついに夢が叶います。

季節の移ろいを感じながら、生産者の想いとともに自然のものを取り入れていける、自分の美味しい・楽しいという欲求も叶えながら、地球と自分を地続きで考え、未来の誰かの豊かさや美しさも守り育む、そんな製品を2020年12月にご紹介する予定です。


全ての人の、心地良い営みを。

こんな風に10年を迎えても、まだまだこの先もっとこうしたいという燃える思いもある一方で、10年間ひた走り続けてきた結果、正直な所、一生活者として豊かに生きていくということに、少しのひずみが出ているとも感じています。

ブランド発足当初は、20代半ばのスタッフがほとんどだったCoyoriも、家庭や子供を持つスタッフが増えました。私自身、ゆとりがあった独身時代からは信じられないくらいの「時間貧困」に陥っています。家族にご機嫌でいて欲しいけど、そのために使える時間と心の余裕がない。だからといって仕事をやめるわけにはいかない、やめたくない。

たくさんのお客様にお会いする中、スタッフと会話を交わす中、家族構成やライフスタイルは違えど、同じように豊かに生きるための時間の使い方に悩んでいる女性も多くいました。

もしかすると、誰かの営みをより豊かにするためにサービスや製品を開発する時間と、生活者として生活を営む時間のバランスを見直すときなのかもしれない、そんな風に思うようになりました。

日が照っている時間は身体を休め、日が影ってきたらまた仕事をする、第一次産業に従事する生産者の自然な仕事の仕方を、間近で見たことも影響しているのかもしれません。

提供する側・暮らしを営んでいく側の両面をこより合せ、心地よい営みを分かち合いながら生きることを、私たち自身がまずは実践していく。

この取り組みが、日本の女性だけでなく生産者も元気にする、きっかけのひとつになるかもしれません。簡単ではないかもしれませんが、この新しい取り組みに、Coyoriらしく、私らしく挑戦していきたいと思っています。

10周年の感謝の気持ちを込めて。

画像5

===

皆様からの「♡」が励みになります!面白かったら「♡」にタップをお願いします。ご感想、ご意見もお待ちしております!

■Coyori公式インスタグラムはこちら

■Coyori公式Twitterはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?