地殻変動

 罪悪感をずっと押し付けられてきた
 普通ではない私がいけないのだと

 社会に馴染めない落伍者は
 いつも門前払いされてきた

 うまく外に出られない
 うまく人に会えない
 「そんなこともできずに何ができる?」
 いつもそう責められてきた

 私に息を殺せと強要した社会が
 ある日突然猛烈な勢いで
 この場所に雪崩れ込んできた

 「社会は変わらないのだからあなたが変わるしかないのです」
 嘘だった
 私たちを押さえつけてきた壁があえなく瓦解した
 劣等生は一瞬にして優等生へと祭り上げられた
 「社会、変わるんじゃねえか」
 不思議な感情が渦巻いた

 私は何も変わっていない
 周囲は目まぐるしく変貌した
 狼狽る人々 呆れ返った私
 「普通」が溶解する

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