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随想 ーー心を澄ますーー

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心の奥底に潜む声を掬い上げるエッセイ・詩など
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#たましい

「弔うために生きよ」

 文庫本を閉じる前と同じ教室  聖パウロは今日も回心している  マスールのベールと同じ空…

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coyoly
3年前
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地殻変動

 罪悪感をずっと押し付けられてきた  普通ではない私がいけないのだと  社会に馴染めない…

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coyoly
3年前
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Vanishing Point

 ポケットの中にあるはずの世界が消えた  手のひらに収まる世界が  目の前には一つの世界し…

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coyoly
4年前
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Human Being −魔法使いの弟子−

 ラジカセを持ち入ってくる修道女  静まる教室  「考えなくていいから聞きなさい」  『星…

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coyoly
3年前
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残照

「昔、秋葉原にもバスケットコートがありましたよね」  私の渋谷の廃墟を見せた彼が言う …

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coyoly
3年前
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Poor Youngness

 ふと振り向くと、私の後ろで溺れている女の子が沢山いた。その時気づいた、後ろを振り返る余…

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coyoly
4年前
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さまよい

 ここではないどこかを  探す気力すらなかった  そんなところがあると  憶うことすらできなかった  行く場所も帰る場所もなく  さまよい続けたある日  小さな島に足を下ろした  その刹那   心の底から安堵した  そこはわたしの島だった  怯えず息ができた  空洞が塞がった  力が抜けた  静かに運命は舞い降りた  たましいのふるさとにめぐりあった  疑う隙もなく満たされた  故郷になじめぬ寂しさが消えた  東京でしか生きられぬ私が消えた  ここに墓を建てよう  

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naked

 他者からの評価を 震えながら待った  逃げたら一生ここから逃げられない  そう言い聞かせ…

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coyoly
4年前

鼻に残るは君の忘れ香

深く潜る 深く潜るわたしを 私は見る 音もなく雪を吸い込む海 渚に座り 岬に立ち  結晶を顔…

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coyoly
4年前

共依存

 英雄になり損ねた怪物、怪物になり損ねた小心者--すなわち境界例に殺されかけたあの時に引…

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coyoly
4年前
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異世界(Une femme est une femme)

 「女性のライフサイクル無視の歴史は長い」と明示されている通り、ここに私たちのための服は…

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coyoly
4年前
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肉体

 肉体を持つとはどういうことなのだろう。  肉体を喪った人のために嘆く人がいる。そしてそ…

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coyoly
4年前
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(You Make Me Feel Like) A Natural Woman / 想いあふれて

 詩なんて棺桶に片足突っ込むまで書くことは許されないとずっと思っていた。  怖かった。な…

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coyoly
4年前

これは恋ではない

 ああ、この人も虚無なのだ。  空洞に風が吹き荒ぶ人なのだ。  そうわかった時、全てが腑に落ちた。  私の中にはずっと男性がいなかった。それが不自然だと気付いてはいたが、どうやっても誰にもたどり着けなかった。  そんな時分、ある映画を観た。登場人物の一人がやけに気になり、モデルとなった人物を調べた。調べ尽くした。  一見派手で陽気で女たらしで、一本気で感情がすぐ顔に出て、でもいざという時にはたじろがず泥臭く周囲を支え、親友の危機には駆けつける、そしてそんな思いやり

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