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料理歴史のターニングポイントとなった「烏賊とトマトのワタ炒め」/第6回十八番料理教室(先生:セルラ伊藤さん)

わたしは、彼女と初めて会った日のことを思い出せない。それくらい、気付いた時には、人と人の関係性に溶け込んでいるナチュラルなひと。プライベートでラップをやるほど、語彙力ならびに口と頭の回転力が長けているのに、普段は決してグイグイ会話に割って入るタイプではなく、溶け込んでいる。


今回、十八番料理を教わったのは、セルラ伊藤さん。

彼女とは同じ大学出身でありながら、大学時代には接点がなく、社会人も4〜5年目の頃に、友人を通じて知り合った仲。

わたしが彼女と知り合った頃にはもう「料理じょうずなセルラさん」であった。彼女には歳の近い、仲良しな妹さんがいて、妹さんも人並みはずれた料理じょうず。姉妹揃ってすごいな〜と、思っていた。

それもそのはず。聞くところによると、この姉妹のお母さんは料理好き、いっしょに暮らしていたおばあちゃんも料理好き。高校生の頃、摂取カロリーを気にする多感な時期の姉妹に、朝から「シフォンケーキを2つ焼いたの♡」と言って、食卓に並べてしまうようなお母さんの元に産まれてきた姉妹であるから、それはもう筋金入りである。平日の朝にシフォンケーキ焼いちゃうってさ…2つも焼いちゃうってさ……料理が義務ではなく、料理が趣味の一家なのだ


料理歴史に訪れた、ターニングポイント

しかし、よくよくセルラさんを知るにつれ、彼女が決して初めから料理が得意だったわけではなかったと知った。
彼女が1人暮らしを始めるときに、お母さん(おばあちゃんだったかもしれない)が愛読されていた栗原はるみさんの「ごちそうさまが、ききたくて」というレシピ本をプレゼントしてくれたそうで、この1冊をきっかけに、少しずつ料理を始めたとのこと。
そうして料理を始めたセルラさん。少しずつレパートリーを増やしていったそうだが、彼女の料理歴史に一つのターニングポイントが訪れる

それが、この「烏賊とトマトのワタ炒め」を作った時だったとのこと。セルラさんが愛読している奥薗壽子さんのレシピ本を見て作り始めた料理だったそうだ。この料理を通じて、彼女は初めて「食材をさばく」ということを経験した。それまでは、魚料理といってもさばかれた切り身を使っており「料理はできるようになっても、さばくことのハードル高かった」そう。

しかし、この料理をきっかけに、初めて生の烏賊を買い、自分で見よう見まねでさばいた時に、「料理の世界が広がったような気がした」と彼女は話してくれた。それ以降、色んな食材にチャレンジしてみようという気持ちになれた、というのだ。



食材を、余すことなく。

そうして烏賊ハードルを華麗にスルスルと超えたセルラさんは、その後もこの料理を度々作るようになり、まさに彼女の「十八番料理」になり、かつ「セルラ伊藤の料理歴史のターニングポイント」となったのである。

作り方は簡単。
・トマトと烏賊をそれぞれ切る(大きめで良い、烏賊は2センチ幅くらい)
・ニンニクスライスを入れてオリーブオイルを熱する
・烏賊を炒める
・トマトを投入し、炒める
・炒まったらフライパンの半分に寄せ、肝をフライパンに乗せる
・肝(ワタ)に酒大さじ1程度をふりかけ、
・蓋をしてしばらく
・肝(ワタ)がふんわり膨らんだら潰す
・烏賊とトマトを潰したワタと絡める
・お皿に盛り、刻み葱を飾りに乗せる

 

肝(ワタ)をメインに味付けをするため、烏賊を余すことなく美味しく食べれるこの一品。トマトの酸味が、肝の濃さを中和してくれ、見た目よりもあっさりと食べれることに驚いた。


残ったスープは冷やご飯を入れてリゾットにしても美味しい、と教わり、翌日のランチに作ってみた。本当に余すことなく、烏賊をいただいた料理だった


生活の延長にある、等身大の料理。「質素飯」に惹かれる理由。

彼女はとにかく料理が上手という以上に、生活に根ざした料理がとても上手である。なんといっても、目の前の食材を無駄にしない
彼女は、インスタで「#質素飯」というハッシュタグで、自身の日々のお弁当を公開しているが、これが、まさにその彼女の魅力そのものを表している。(@cellulito)
普段は野菜を中心に忙しい朝にチャチャっと作った手際の良さを感じさせる2〜3品が入っている。質素だが、安心感がある。質素だからこそ、安心感がある。

「萎びたニラが冷蔵庫にあったから卵と炒めたもの」が入っていたり、時折「お母さんからもらった」というお肉などで贅沢な一品が入ったりする。他にも過去「晩白柚」というとても大きい柑橘類をいただいた、と言って、その厚い皮までも捨てることなく砂糖漬けを作り、その砂糖漬けからパウンドケーキを作ったという彼女の記録を見て、驚いたことをよく覚えている。


彼女は、食材をたいせつに使い切り、質素ながらも美味しく仕上げる天才だ。「食べる」ことから逃れられない私たちは、食事作りに日々奔走するのだが、彼女の料理を見ると小さなアイディアが潜んでいて、とても参考になるのだ。あぁ、そうか。だから彼女のインスタを見る人は、彼女の質素飯に共感するし惹かれるんだろうな。だから、私は彼女の料理が好きなんだろうな。これからも彼女の「日常の料理」の追っかけをしていたい。

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スーパーオオゼキnoteの主婦👩🏻で #クレイジータンク ひと。「ひとの十八番(おはこ)料理を習う」旅に出ており、“十八番料理教室”を連載中✍️ 食/育児/膝/尿/雑多/#スーパーマーケット マガジン運営中🌈 http://twitter.com/yoko_matto

コメント4件

イカワタにトマトって、全然味が想像つかないです。今まで、煮物とかにワタ入れてましたけど、こうやって炒め物のソースに簡単に使えるんですね。
色々試してみたいです。
ハチさん、読んでいただきありがとうございます😍
炒めるだけで簡単にできて、目からウロコな一品でした^ ^トマトがワタの強い味を中和させてくれてかなり良い働きをしています!ぜひ‼️(味に物足りなさがあるときは、仕上げにすこし醤油を垂らすと、コクが増すそうです^ ^)
ワタまで堪能、料理人やねー🦑
ほんとですよねー‼️ワタを使うなんて、高度そうなのに、実は簡単にできるというのもgoodです!
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