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小柳とかげ
2021年6月30日 19:16
2021年6月29日 21:22
体がスっと吸い込まれるように、私はふわりと浮こうとした。自殺なんて考えたことない、とは言わない。いつでも辛くて死にたくなるし、生きてる意味ってなんだろうと思うことの方が多い。だけど、小学生の時に死ねない人間だとわかってから、失敗したあとの地獄のような日々を思って死ぬ努力を辞めた。だから、私は死なない。死にたいけど死にたくない。なのに、私はひとり駅のホームで立ち、電車が滑り込んでくる
2021年6月28日 20:59
2021年6月26日 21:18
2021年6月24日 22:01
2021年6月23日 19:21
2021年6月21日 21:55
2021年6月19日 20:48
大学のコピーライトの授業での課題で書いたものになります。テーマは『手紙を書こう』ある文具の会社の広告としてやる時のキャッチコピーとボディコピーを書くものでした。私はシリーズ展開としてショートストーリーのような広告にしたいと考えてました。どうぞご覧下さい。上6作が提出したものになります。残りの2つは追加に書いたものになります。先生の講評「いいねぇ、全部を通してショートストーリ
2021年6月7日 19:50
ただ信号が青から赤へと変わる。車が通っていくのが、ここからでも見てとれた。夜とはこんなにも明るいのか。遠くの景色は赤の点の光。赤、赤、赤。きっとビルの屋上の光だ。カタカタカタと草がなっていたはずなのに何故か今は聞こえない。風だってこうして吹いているのに、あの音はしない。先程まで人が来たのかとドキドキするぐらい気になっていたのに、いつ音がしなくなったのかわかっていない。空は明るい。月
2021年6月6日 20:55
夜の霞を食べて生きた。どれだけ遠くまで歩いても、いつまでもここに居るの、と君は言う。ああ僕にこの人は守ることが出来ない。その確信は胸の中にしまってある。遠い日に貰った手紙はもうくしゃくしゃで、星のように複雑だ。言葉を大切にしていられるのはあの子がいてくれたからなのに、きっともうその事を覚えていてくれないだろう。お花がきれいね、と言う。水がきれいね、と言う。月がきれいね、と言う。君の
2021年6月4日 23:43
紅しょうがは宙を舞って、犬を起こした。その犬は今日も穴を掘り、花を咲かせようとする。またあの日に戻って猫を撫でたい。スマートフォンはノンアルコールで洗う。改めてゴロゴロ回って、屋根の七福神を落とした。木は高く高く伸びやかに鳥の進行を妨げた。体がばらばらになれば、ひとつひとつは家になる。靴下が海を泳いで、コウノトリを導いた。駅は一駅だけで、世界はそこに凝縮する。水がいちばん美味しい。
2021年6月3日 20:30
夜の街は騒がしかった。ネオンの看板は我はまだここにいるんだと主張して、無視される。電車の中で私はただスマホに向かう。ここでは無いどこかを夢見て喜びを探した。今日のことを思い出す。黒猫がゴミを漁っているのを見て、自分が怯んだ気がした。あの猫は強く生き抜こうとしている。なのに私は弱音すら吐けないからすぐに逃げ場を探してはそこに逃げ込む。言葉を使うことは自分を縛ることだ、なんて文章が人気が出ていた。
2021年6月1日 21:52
テスト会場はどこまでも静かでうるさかった。いつもは音で溢れる教室が、借りてきた猫みたいに、おすまししたとかげみたいに知らないものとなる。今ここで私が暴れたらきっともっと別の空気が流れてくれるだろう。1時間目のテスト監督はあいつだった。紫色のシャツを着た数学教諭。頭がいいのにこんな学校でルートを1から教えてる眼鏡だ。喋りやすいからみんなとよく喋るけど、どこか少し嫌われている。何故か近くにいるとゾ