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【音楽×珈琲 鑑賞録】3月25日~ドメニコ・スカルラッティ 『ソナタ』

音楽観を鍛える鑑賞録。
3月25日のテーマは、【音楽史】

とりあげる作品は、
ドメニコ・スカルラッティ /
『ソナタ』

です。

スカルラッティの名言
"Show yourself more human than critical, and then your Pleasure will increase."
「批判的であるより人間的であることを示しなさい。そうすれば、喜びが増すでしょう。」 

ジュゼッペ・ドメニコ・スカルラッティ
Giuseppe Domenico Scarlatti
1685年10月26日 - 1757年7月23日
イタリアのナポリ出身で、スペインのマドリードで没したクラシック音楽の作曲家。

スカルラッティはナポリ出身ですが、音楽家の一族だったことと、音楽監督を務めていたために情勢に応じてヨーロッパ各地を転々としていたようです。
1719年ではポルトガル王ジョアン5世に仕え王室礼拝堂の音楽監督に任命されました。そこで兄弟であるドン・アフォンソとマリア・マグダレーナ・バルバラ王女への音楽教育を目的に作られたのが、このチェンバロのための『ソナタ』です。
この曲数がまた540あるそう。
本人の自筆資料はまったく残っておらず、王女が所有していたものだけが存在しているというなんとも時代を表す状態ですが、王女お抱えの音楽教師ともなれば、教育係としても作曲家としても覚悟と意志が反映されたことでしょう。飽きられたら仕事を失ってしまいそうですからね。

スカルラッティが生まれた年は、J.S.バッハとヘンデルが生まれた年でもあり、バロック音楽の三大巨匠とくくられています。
この時代は音楽が人々を束ねるのに必須のものでした。
音楽が人々に浸透すればするほど権威が増され、音楽家のブランド力も高まる。
このエコシステムを上手く回すために、専心して音楽を作れた環境があります。

翻せば、「選択と集中」がうまく機能していたことになります。
ただ、これはごく限られた人々にしかできないことだったとは思いますが。
学びうるポイントとしては、
昨日も考え至った、"時間×質"で駆動するシステムを構築することが大切だということです。
その足がかりは、この「やらざるをえない状況をつくる」こと。

スカルラッティから学び受けられる「仕事術」はシンプルです。
集中した時間のなかで、大量につくり続ける。
駄作も佳作もひっくるめて運命に身をまかす。
たくさんの人々のフィルターを通して、残るものは残る。
スカルラッティもJ.S.バッハもヘンデルも、押し並べて作曲数をみればわかります。
音楽に人生のすべてを捧げたという言葉に過言がない。
わたしたちはそれに至らぬまでも、
エッセンスを汲みとって励んでいきましょう。

音楽にあう珈琲を考えてみる

久しぶりに珈琲録も記します。
スカルラッティの音楽を受けて、このエッセンスを汲みとるべく、
「デミタスカップ」を購入しました。

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リチャード・ジノリのデミタスカップです。

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リチャードジノリ(Richard Ginori)は1735年創業ですから、
まさにスカルラッティらが生きていた時代から存在していたわけですけども、時を経てグッチに買収されたのも運命といえましょう。
デミタスカップといえば、イタリア仕込みのエスプレッソを飲むに適したサイズです。
あの濃密なコーヒーエキスに砂糖をこれでもか!と入れてグッと飲む・・・
もう久しくやっていない飲み方ですが、あのチャクラが開くような感覚を味わおうかと思ったり。
そうした創作への契機を生むというのも先人の知恵やもしれませんね。

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