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【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 2月16日~クラウディオ・モンテヴェルディ オペラ『オルフェオ』

音楽観を鍛える鑑賞録。
2月16日のテーマは、
【作曲・演奏】
とりあげる作品は、
クラウディオ・モンテヴェルディ /
オペラ『オルフェオ』

です。

いますぐ聴きたくなる! 1日1ページでわかるクラシック音楽の魅力
1週間で7テーマ! 1年で「クラシック音楽」の虜になる!
本書には、いまでも多くの人に愛好されているクラシック音楽の名曲の数々を、より深く楽しむための知識や情報を盛り込みました。366の名曲を、「音楽史」「主題」「ジャンル」「逸話」「作曲・演奏」「周辺」「謎」といった7つの共通テーマで考察・解析・推理・解説します。
モンテヴェルディの名言
"Text first, rhythm second, melody third." 
「第一にテキスト、第二にリズム、第三にメロディ」

クラウディオ・ジョヴァンニ・アントニオ・モンテヴェルディ
(Claudio Giovanni Antonio Monteverdi)
1567年5月15日洗礼 - 1643年11月29日
スペイン帝国、クレモナ生まれ。ヴェネツィアで死没。
ルネサンス音楽からバロック音楽期に活躍。
最初期のオペラ作品を手がける。

1567年生まれって。
真田信繁や伊達政宗と同じ歳ってすごない?
その時代に生まれた人の音楽作品(1607年初演)がいまだに上演されていることに驚くとともに、作風が古びた感じを受けないというのもすごい。
同じく歴史深い日本にも、こうした歌劇的な歌舞伎や能楽などがあり、比較してみると文化の違いを感じさせて面白いものです。

この『オルフェオ』は、ヨーロッパの大陸的で、貴族文化が表出されたゴージャスさで、冥府下りの内容、神と死への畏怖を重厚に演じる。

内容もフォーマットもまさしくクラシックというものでありながら、色褪せた感じがないのはなぜか。
なんとなくですが、上記の名言がそれを物語っている気がしました。
テキストという物語からスタートして、その次がリズム、その次がメロディであること。
現代音楽のメインストリームを聴けば、モンテヴェルディが言ったことと同様の様相が世界各国で響き渡っています。音楽のひとつの真理なのではないかと思わせる名言です。
これは別にメロディやその他の要素は下等のものというわけではなく、順番の話。
考える順番という意味で、とても示唆が深いものです。

モンテヴェルディは、この『オルフェオ』で楽器指定をした最初期の作曲家らしいですが、音色や技法、様式などに精通していたからできたことでしょう。
そうした知識を経て、「人はどのように音楽を聴くと感動するのか」ということを考え、実現していった。
音楽をつくるだけではなく、人の情動を動かすということにおいても、学びのある名言であり、モンテヴェルディの作品から読み解けるものは多大なものがあると感じました。

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