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【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 2月19日~ガブリエル・フォーレ 『レクイエム』

音楽観を鍛える鑑賞録。
2月19日のテーマは、
【音楽史】
とりあげる作品は、
ガブリエル・フォーレ /
『レクイエム』

です。

いますぐ聴きたくなる! 1日1ページでわかるクラシック音楽の魅力
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本書には、いまでも多くの人に愛好されているクラシック音楽の名曲の数々を、より深く楽しむための知識や情報を盛り込みました。366の名曲を、「音楽史」「主題」「ジャンル」「逸話」「作曲・演奏」「周辺」「謎」といった7つの共通テーマで考察・解析・推理・解説します。
ガブリエル・フォーレの名言
It has been said that my Requiem does not express the fear of death and someone has called it a lullaby of death. But it is thus that I see death: as a happy deliverance, an aspiration towards happiness above, rather than as a painful experience.
「私のレクイエムは、死に対する恐怖感を表現していないといわれており、なかにはこの曲を死の子守歌と呼んだ人もいます。しかし、私には、死はそのように感じられるのであり、それは苦しみというより、むしろ永遠の至福の喜びに満ちた開放感に他なりません。」

ガブリエル・ユルバン・フォーレ(Gabriel Urbain Fauré)
1845年5月12日 - 1924年11月4日
フランスの作曲家。ロマン派音楽。教会オルガニスト、パリ国立音楽・演劇学校教授。

この『レクイエム』はフォーレの代表作のひとつ。父親の死の2年後、1887年から作曲が始められ、途中母の死を経て1888年の1月、マドレーヌ寺院において、建築家ルスファシェの葬儀に際してフォーレ自身の指揮によって初演されたそうです。
そこで寺院の司祭に、「斬新すぎ!」と激おこ。
他にも「死の恐怖が表現されていない」と批判されたそうです。
これは、新約聖書「ヨハネの黙示録」などに記載されている「怒りの日」、つまり天国と地獄、どちらに行くか選別される日のパートがないと、ミサ曲として用いることができないから批判にさらされたらしいですが、これを受けてフォーレは手紙で上記の言葉を残しました。

カトリック教会の人にしてみたら、
「えっ!?そこから!?」
という感じに、土台の概念をぶち壊されたような衝撃を受けたと思います。
「ヤバイヤバイ、コレまた宗教改革はじまっちゃう」と危惧したのではないかと。
教会側からしたらポップスを楽しみにしていたのに、ヘヴィメタルやられちゃったくらいの衝撃だったろうと思いますが、その批判をものともしないフォーレの姿勢と、曲の良さゆえに後世にも残り、いまや「三大レクイエム」の位置にまで至っているのだと思います。
ふと、Metallicaが"Master of Puppets"を教会でやったらと想像したら、割としっくりきてしまう感じをイメージしました。

そんなロックスピリッツある楽曲ですが、
もちろん曲調はとてもたおやかで神聖性の高いものです。
多くの人に沁みる神々しさ、生死を想い、偲ぶときには聴き入りたいですね。

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